俺の名前はズィード、記者をやっているが今回は高位の魔物娘や組織の長などが伴侶を見つけたならその夫婦に出会いや伴侶になるまでの馴れ初めを聞きに行くという企画の取材をしに行く。編集長もなかなかクレイジーな企画を考えたものだと考えていると馬車が止まり着いたことを知らされる。
そのまま白山羊サバトを訪ねるとすぐに迎えられ取材の部屋に通された。
少し待っていると今回の主役である白山羊サバトの大将であるシロクトー氏とその旦那であろう男が来た、だがどうやら気になるのは他のサバトの大将たちも同じなようで彼らとともにやって来たことで俺は敵意が無いとはいえ戦慄した。
部屋の席に座ると彼女は伴侶の男の膝の上に座る。俺は「ズィードと言います、今日はよろしくお願いします。」と挨拶をし彼女も『うむ、よろしく。』と返す。
「では、初めて出会ったときのことからお願いします」と切り出すとシロクトー氏が口を開く前に伴侶の男が口を開く。「そのことは俺から話したほうがわかりやすいと思うがかまわないか?」と言いシロクトー氏も『そうだな…』と返すので俺もより詳しく聞けるのなら異論はないので続ける。
彼は「俺の名前はイーサン。ズィードさん、レクス魔道国という国があったのを知っているだろうか?」と聞いてくる。俺は「確か二年ほど前に魔物娘が侵攻して鎮圧した国だったはずですが…」と返すと彼は「俺はそこ出身だ、侵攻して来た時に大将と出会った」と言う。
シロクトー氏は『あの国は徹底した弱肉強食と実力主義が横行していた。一師団を相手にできる魔法使いの命と普通の魔法使い数百人の命なら前者を重いと即答するような』と言う…
「なるほど…確かにそんな命が軽いようなところなら干渉するのも当然ですね…」とことぼがもれ、続けて彼は「俺はそこで落ち零れだった。攻撃魔法も回復魔法も使えなかったからな…そんな落伍者の家族に渡す物資なんてないと父さんも母さんも見殺しにされた」と苦々しく語る…さらに彼は「とは言え一つだけ使える魔法はあの国では誰にも負けないから居ることは許されていた。」と語る。俺は「一つだけ使える魔法?」と聞くと彼は「そう、それは強化魔法だよ。」と言いさらに「学園では決闘があったんだが俺を否定していた奴らは複数人で嬲り殺しにしようとしたんだが全員再起不能にしてやった、勘違いしないでほしいのはこの決闘ではどちらか、あるいは両方が死んだときのために命を落としても後悔しないと書状を書いて署名しないと始められない決まりがあり俺はそれを受け相手もそれを受けたから一応無罪だったというわけだ」と語る。
俺は「それなら、どのようにして二人は出会ったのですか?」と話を切り替えつつ聞く。すると『ここからは儂が語らせてもらおう。』とシロクトー氏が口を開く。『あの日、我々が侵攻したとき、一つの魔力がものすごい速度で我々から離れていくのを感じた。そしてその主のもとに先回りして居たのがイーサンだった。』と語る「俺の視点からしたらいきなり魔物が俺のもとに先回りしていたが一人を構う余裕はそこまでないと考え、俺はここに未練はない、好きにしてくれて構わん。それにここには碌な思い出がない。お暇させてもらおう。と去ろうとした」というと続けてシロクトー氏は『それに対して我々は、お主の魔法がどんなものでも嘲りも笑いもせぬ、だから見せてはくれぬか?と聞いた。そしてイーサンの使った強化魔法はそれしかできないとは言え人間が出していいレベルではない逸材であった。そこで儂はなら我々のもとに来ぬか?我々は嘲りも笑いもせぬ、、ここよりはいい環境だとは思うが。と説得したのだ』と語る。それに対して彼は「それならと俺は彼女らのもとに行くことにしたんだ」と返す。
前半の取材が終わり聞いたことを纏めていると、ルーニャサバトの大将が俺のもとに来て『必要なことがわかり易く書かれているな、これならまとめる側もやりやすいだろう。お主は記者ではないのか?』と聞いてきたので「編集する側もこうしたほうがやりやすいだろうから」と返すと彼女は『確かにそうであるな、私も書物を書くものであるがゆえそこはわかる』と笑みを見せて頷く。そんなことを話していると休憩も終わった。
後半に入り次に俺は「では、そこからどうやって伴侶にまで進んだのでしょうか?」と聞く。
シロクトー氏は『聞かれるのは分かっていたが恥ずかしいものだな…』というも『イーサンを連れて帰ってから儂はつきっきりてイーサンを鍛えた、より効率的に魔力を流すやり方と瞬間的に腕力や脚力を上げる局所的な強化の術式などを教えていた、だがある日儂は理解した。同時に儂好みの精の持ち主になるように鍛えていたのをな。』とさらに続ける。
俺は「なるほど…魔物娘としての本能、ですかね?」と返すとシロクトー
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