雷電の一撃をかわすと、遮那は距離をとりつつ破邪光弾を放つ。
だが、雷電は軽い調子で外套を翻しながら攻撃をかわすと、ある程度の距離を保ち、拳銃を構えた。
「東京ブギウギ〜」
なにやらノリノリのエデに見向きもせずに、雷電は遮那めがけて発砲する。
「っ!」
どうやら弾丸そのものに属性を含ませているようだ。
高速で撃ち出された弾丸は風をまとい、すさまじい回転をしながらこちらにせまる。
これをなんとかかわすと、遮那は近づきながら破邪光弾を放つ。
連続で放ったため、見切りにくいはずだが、雷電はこれをかわすと、不思議な管を取り出した。
「召喚・・・」
短くつぶやくと、雷電の手にした管から光の玉が現れ、一瞬のちにそれは翼の生えた可愛らしい魔物の女の子に変わった。
「きゃはっ、やっちゃうよ〜」
魔物は雷電の周りをくるくる回りながら、遮那の破邪光弾を弾く。
「戻れ」
管に魔物少女を戻すと、雷電はまた軍刀を構えて遮那に斬りかかる。
「くっ!、強い・・・」
雷電の実力は高い、修羅人となった遮那と互角に渡り合えるとは、ミカエルにも通用する実力ではないか。
モンスサマナー如月雷電、一筋縄ではいけないような使い手のようだ。
「あったりまえ、雷電さんは皇都の守護者だもんね〜」
エデが何か言っているが、遮那はそれどころではない。
踏み込みとともに、無駄な動作を一切せずに斬りかかる、早く鋭い雷電の剣をなんとか受け止めるので精一杯だからだ。
「雷電さん、出し惜しみはなしだよ〜」
なんとか攻撃をかわしながら、遮那は外套の下で雷電が素早く管を掴んだのを見た。
「・・・来るっ!」
「・・・召喚」
一瞬のうちに雷電は管から巨大な蜘蛛の魔物娘を召喚した。
「くっ!」
なんとか蜘蛛の足から放つ攻撃に対処していたが、魔物の後ろに騎乗していた雷電がいきなり飛び上がった。
「戻れ」
そのまま魔物娘を管に戻すと、上段からすさまじい仙気が込められた斬撃を放つ。
「ぐあっ!」
遮那はその一撃をまともにくらい、後ろに跳ね飛ばされた。
静かに雷電は蜘蛛の魔物娘を管に戻し、スタイリッシュに着地すると、ゆらゆらと立ち上がった遮那を無言で見つめた。
「・・・やってくれる」
こちらの攻撃はほぼかわされているのに、相手は正確に攻撃を当てられるように魔物娘を手足のように自在に召喚してくる。
恐ろしい使い手である、『モンスサマナー』の名前は伊達ではないということか、否そればかりではない。
ただ召喚するだけでなく、状況に合わせて最善の一手を講じてくる、まさに最強のサマナーと言えるだろう。
魔物娘と相互の理解を深め、何度も修羅場をくぐり抜けなければ、これほどの使い手にはなれないだろう。
「皇都の守護者だもん、これくらいは軽いよ〜」
楽しそうにエデはふわふわと天井付近を飛び回っている。
万策尽きたか?、近づけばその卓越した剣術に阻まれ、距離をとれば魔物娘を利用した一撃を受ける。
「・・・いや、まだだ」
遮那は拳を構えると、またしても破邪光弾を雷電めがけて放つ。
軽くこれをかわす雷電だが、遮那はサマナーが回避しながら管を掴んだのを見逃さなかった。
召喚には一瞬だけタイムラグがある、そこをつく他ない。
「はあっ!」
遮那は雷電が管を掴んだ手、左手を狙い破邪光弾を放った。
「っ!」
これまで顔色一つ変えなかった雷電の顔に、微かながら動揺の色が見えた。
素早く管を直すと、雷電は外套を翻し、軍刀で防御姿勢をとった。
「・・・(よし、なんとか召喚は阻止出来たか)」
遮那は雷電が防御をしている一瞬の隙を利用して近づくと、至近距離から蹴りを食らわせる。
「雷電さんっ!」
だが雷電は落ち着いて蹴りをかわすと、軍刀の柄頭で遮那を突き飛ばした。
「ぐあっ!」
またしても跳ね飛ばされ、遮那は壁に激突する。
「あっぶな〜、ねね雷電さんっ、そろそろ本気出さないと負けるんじゃない?」
「・・・なっ?!」
どういうことだ、これほどの実力でありながらまだ本気ではなかったというのか。
静かに頷くと、雷電は一本だけだった管を二本に増やした。
「・・・これまでだ、修羅人」
二本の管が同時に作動し、魔物が召喚される。
「・・・召喚」
「承知っ!」
まず一人目、右手に杖を手にした白蛇が現れ、遮那を突き飛ばすとともに、杖から電撃を放った。
「ぐあっ!」
電撃は空間を走り、遮那の背中に命中、ち
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