後章らしきもの

本当に何をしているんだろう、私は。
初対面の男の子を困らせた挙げ句、自分はタオル一枚羽織って、自分の部屋で泣いている。

「ひぐっ、えぐっ……」

私の元カレ、アキラは高校からの彼氏だった。
自分で言うのも何だけど、私はスタイルも良かったし、顔立ちも整っていたから、彼とは十分に釣り合っていた。
仲違いすることもあったけれど、上手くはやってきた筈だ。
……私が、こんな姿に、バフォメットへと変わるまでは。

『姿が変わったからって関係ない、君を愛してる』

入院中に送られてきたメールを信じて、退院した私を待っていたのは、非情な現実。
アキラの家、そのアキラの部屋で、同じ講座を受けていたサキュバスとアキラが交わっていて――私は、その場で吐いてしまった。
何も食べてなかった私の口からは、酸っぱい臭いの胃液だけが溢れ出し、思わず泣いた。
その後、事情を察してくれたアキラのお母さんに吐瀉物の処理を手伝ってもらい、私はお礼を言ってから、彼の家を後にした。
別れ話を切り出されるくらいなら私からしてやった方がスッキリするだろうなんて――見た目通り、子供みたいな気持ちで。

「はあ……」

それからは大学に行く度に、アキラは気まずそうに私を避けられた――新しい彼女と一緒に。
もう彼には興味はないし、私は気にしていないが、あちらは妙な罪悪感を抱いているらしい。
まあそのうち、あのサキュバスとセックスしてるうちに私のことなんか忘れてしまうだろうな。
今はどこかでサキュバスの親御さんから継いだ店を開いているとか、風の噂で聞いたけど。

「ライチさん、大丈夫っすか」

濡れたままの乙姫君がいつの間にか後ろにいた。
アキラよりも背は小さいし、まだ二十歳にもなってない子だというのに、年上を心配するなんて本当にすごいと思う。

「ごめんね、急に」

「泣きたいときには泣いた方がスッキリしますから、構いませんって」

「ふふふ、ありがとう」

恐らく彼には、目を真っ赤にしたバフォメットが見えるんだろう。
だらしないなあ、私。

「何か嫌なことがあったなら、いつでも喫茶店に来てくださいよ。俺は毎日いますんで」

笑顔で言う乙姫君。

「ありがとうね」

ありがとう、でもね。
私はその笑顔、独占したいの。

「ごめんね、乙姫君」

「はい?」

「もう我慢できないの」

私は――気づくと彼に飛びついて、唇を奪った。
コーヒーの味がする彼の口の中。
理性でやめなきゃと、思いつつも、もっと彼を味わっていたいという本能に従ってしまう。
舌を絡ませながらのディープキスはまだできそうにないから、私が彼の口内を舐りつくした。

「ぶはっ」

口を離すとものすごい涎の量で、糸どころか粘着質な液体の滝が私の口から、乙姫君の口へと流れる。

「ごくっ……。あ、かっ、らっ、ライチさん、何を……」

「嫌なの、優しい乙姫君が、私の好きな人が、もう誰かのモノになるの嫌なのぉ……んぢゅう……」

「ライチさっ、アヴッ」

乙姫君の涎もっと欲しい、私の涎あげるから、涎ちょうだい乙姫君……。
厭らしい女って軽蔑されてもいい、乙姫君を独占したいの。
この時間だけでいいから……私のモノになって、乙姫君。

「ぶはぁっ……すごい美味しいよ、乙姫君の涎。思わず飲んじゃった」

「あふっ、あっ」

「これが大人のキスなの。ふふ、小さい身体なのにやることは大人なんて、皮肉よね」

私は次に彼のタオルをとり、大きくなったペニスを観察する。

「サバトコーヒー飲み過ぎよ、すごく溜まってるじゃない」

「や、やめてライチさん……」

「安心して、私経験者だし。それにもうダメ……我慢なんかできない……」

ペニスを嗅ぐと乙姫君の匂いがすごく濃厚に鼻孔をくすぐった。
そういえば……人間の時は別に何もなかったのに、魔物になってからは男の子の匂いが倍以上に感じられるようになったわね。
後、男の子に染み付いた魔物の匂いも。

「乙姫君のチンコ、まだ誰も舐めてないのね。魔物の匂いがしないわ」

「か、彼女、いないから、す、すみません……」

「いいのよ。でも、今から私の匂い染み着けちゃうから」

バフォメットは基本的に幼女体型だけれど、私はその中でも大きくて小学校中学年程度の大きさはある。
まあ、ちょっと大きい勃起ペニスは、全部は無理だけど先端の亀頭からカリぐらいまでならくわえられた。

「くぁああ……」

「ほあほあ」

歯で甘噛みをしながら、爪で陰嚢を優しく掻くと、ビクンビクンしながらたっぷり射精してくれた。
前はすごい苦くて青臭かったのに、魔物となった今は咳き込むことなく精液を全て飲めてしまった。
顔を真っ赤にして射精してる乙姫君可愛い……もっと出させてあげたくなっちゃった。

「くちゅくちゅ……べはぁ……」

ちょっ
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