魔物高校生と同伴男子、他二話

【魔物高校生と同伴男子】




「おはよう」

「あ、真奈美、悠は?」

「ん? いや、今日は道中で会わなかったが」

「芳子、アンタは?」

「ううん、見てない」



と、真奈美が徐に窓を覗くと何かを見つけ、しばらく凝視していたが、何かに気づくとその場で尻餅をついた。



「どうしたの真奈美!?」

「ゆ、ゆ、ゆ、悠が!」

「悠がどうしたの?」

「お、男と歩いてるワン!」

『なにぃ!?』



クラス全員の魔物女子が一斉に窓を覗く。



「本当だ! けっこうイケメン!」

「あいつ、どこであんなイケメンと!」

「まぁ、待てや……きちんと観察しな」

「な、お前は!」



そこに現れたのは、目付きは悪いがそこさえ目を瞑ればスタイル抜群で、八本の尾を生やした妖狐。



「スケバンの巴(ともえ)!」

「休学から帰って来たのか!?」

「それは今どうでもいい、兎に角アレをよく見ろ……。どうやら奴さんら、付き合って日が浅いようだ」

「離れて歩いてるしな」

「つまり最悪の場合、まぐわいもしてないかもしれん……」

「つまり?」

「今なら悠の字の交際を止め、あっしらのステージに引き落とせるかもしれん」

「成程! 流石スケバン、とんでもない観察力だ!」

「各自処女力を最大まで高めろ……行くぞ!!」ヒュバッ!!



<二分後>



「おい、悠の字」

「お、巴じゃねーか、ちぃーっす」

「そうだな……。それが最後のあいさつでいいか?」

「お前何言ってんだ」

「言い訳は聞かねえ、悠の字、聞くが! その男は誰だ!?」



と、巴が叫ぶと、男子生徒が悠に頭を下げる。



「ありがとうございます、道案内してくれて」

「いいっていいって、じゃあな〜」



男子生徒は再び頭を下げ、その場から離れて行った。



「……ふむ」





『ただ道案内してただけじゃねーか!!』





そして全員が巴を見ると、巴はシガレットチョコを噛みだす。



「いや、あっしも処女だからわからんし」



この時、こいつは何を言っているんだ、と、全員が思ったのだった。







【魔物高校生とテイ○ズ】



帰路の道中、空き地。



「テ○ルズごっこしよう」

「なんだ突然、お前なんだ一体」

「いや、ド○クエごっこは魔物としてどうかと思うし」

「○ァイナルファン○ジーもアタシら確かにわかんないけどさ」

「だから三人がわかるモノをしようと思ってな」



そして真奈美が農作業に使う緑色をした金属棒を持つ。



「私は魔術師だろう?」

「あ、それはわかる」

「じゃあオレは?」

「アンタ戦士、アタシ……」

「遊び人」

「それド○クエでしょーが! 格闘家でいいわよ!」



そして真奈美が魔術師、悠が剣士、曜が格闘家となって空き地で暴れ出す。



「性なる活力! ファーストエ○ド!!」

「魔○剣ンンンンン!!」

「真奈美、なんか漢字違くない!? 三○華!!」

「いつも心は薄桃色、喰らえ恋心! 吹っ飛んでしまえ! アリー○ェデルチ!!」

「爆○刃ンンンンン!!」

「お、アレンジ!?」



と、テ○ルズごっこをしていた三人であったが。



「おいテメェら!」

「ん?」

「ここで今から集会やんだよ! どけ!」

「集会だぁ?」

「俺たち道三高校のだよ! ……いや、タッパよさそうだし、先輩たちの土産にするぜ、テメエら!」



三人は互いに顔を見合わせ、不良らしき金髪の男子生徒に、



「「「秘奥義!! トライアングルアタック!!」」」



と、各自武器を投げて、男子生徒が気絶したのを確認すると、逃走を始めた。



<二十分後>



「まさかとっ捕まるとは……」

「まあ当然よね」

「おい二人とも! トイレにリンゴ味っぽいグミ落ちてたから食っていいか!?」

『やめろ!』



傷害罪で三日間、三人は仲良く牢屋にぶち込まれた。











【魔物高校生と五限目】



(ッアー……やばい、クソ眠い……)



昼休み後の五限目、欠伸をした曜は目を擦って黒板を見据える。



(でも世界史、一度忘れるとキツイし、起きてないと……。真奈美とか大丈夫かしら?)



そしてふと斜め後ろに座る真奈美の方を見ると、



「だから私はアヌビスだが犬は嫌いなんだ、奴らは私が犬科だからだと勘違いして発情して襲いかかって来る。しかも餌は他人任せ、散歩も面倒くさいし、何より尻尾を振って甘えた声で鳴けばいいと思っているあの態度も嫌いだ。私はそうだ、馬が好きだ」

(猫じゃなくて!? っていうか寝てる! アレ寝言なの!?)

「馬はいいぞ、速いし可愛いし、何より道路で走れる。さらにはケンタ
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