握手しよっ!クラーケンちゃん!

どーもー、クラーケンのイッカって言います。

私、見ての通り十本も触手があるイカさんみたいな魔物なんです。



でもイカさんと違うのは私はおっぱいもボイーンで、みんなにかわいーって言ってもらえるんですよ。

昔は「クラーケンが来たぞおおおお!!」「逃げるぞ!!」なーんて、同じ海の魔物なのに嫌われちゃってました。



でも今みはおっぱいボイーンで、お船と握手して、みんなのお婿さん探しを手伝えるから、「可愛いから男がついつい釣られちゃうんだよ!」なーんて言いながらみんな頭をなでなでしてくれて、嬉しそうに男の人と帰っていきます。



私もこの間可愛い男の子を捕まえたんですけど、服を破いたらなんと女の子だったんで、ネレイスさん達にあげたら喜んでましたよー、頭なでなでしてくれて嬉しかったですー。



あ、それと……この前、また船さんと握手しちゃいましたー。

すっごい大きなお船で、なんとびっくり。

鉄で作られてて、バンバンって魔法の攻撃をできるえらいえらいお船なのです!



面白いから十本で握手しちゃったら「どかーん」って爆発」しちゃいました。

乗ってたのはみーんな女の子でした、きっとみんなにお婿さんを攫われちゃった女の子だったんでしょうかねー、薬指にみんな指輪を嵌めていました。



可哀そうだから頭をなでなでしてあげて、窒息しちゃう前に陸に返してあげました。

そしたらみんな私に石を投げてきて、私はびっくりしちゃいました。



もしかしたら石投げをしたいのかなって思って、岩を持ち上げたらみんな帰っちゃいました。

そんなに大きいかなあ、鯨さんくらいなんだけど。



それを話したらお母さんは「えらいわねー、きちんと陸に返してあげて」って言って、ほっぺをむにゅーってやってくれましたー。

気持ちよかったです、えへへー。



その数日後でしょうかー、今度はえらいお船がたくさんやってきましたー。

みんなみんな泡を吹いたり、エッチしすぎちゃったときみたいに気絶しちゃって、お家に返してあげるのがたいへんでしたー。

だらしねえなー。



私は嬉しくなってお友達のダイオウちゃん、スリューメちゃんとお船に握手しにいきましたー。

どんどんお船が海の中に来てくれてー、ダイオウちゃんもスリューメちゃんも男の人をゲッチュしちゃいましたー。

私はまたダメでしたー、何がいけないいんでしょーか。



でもみんな頭をなでなでしてくれてー、お母さんなんて泣きながら抱き付いてきましたー。

すっごい嬉しかったですー♪



あ、そうそう。

あの後シー・ビショップさん達に御呼ばれしてー、感謝状を受け取っちゃいました。



「教団過激派殲滅に敵ながら感謝致す」、「魔王海軍の侵略手伝い感謝致す」なんて書いてありましたー。

えへへー、教団の人にも頭をなでなでしてもらったクラーケンは私が初めてらしいですー。



そのあとに魔王様の海軍元帥って人が来てー、海軍のバッジをもらっちゃいましたー。

これからまチアンイジに協力してって頼まれましたがー、チアンイジって何でしょう?



へえー、とりあえず船と握手すればいいそうです、簡単ですねー。



あああああああああ!!

しまった、お船を見過ごしちゃいました!

急いであいさつしにいかないとー。







***







船の底からは白い触手が貫き、団員達が魔物に海に沈んでいくなか、俺は見た。



「あーくしゅー♪なかよくなりましょー♪」



その触手を操ってると思しき、白い悪魔を。

無邪気な笑顔で船を破壊し、魔物を引き連れる奴はさらに触手を絡め、船を沈ませていく。

ああ、済まないジョーン……兄ちゃん、海賊なんかやらずにまっとうに生きていりゃあこんなおっぱい地獄に行かずに済んだのに……。



「よろしくねー」



白い悪魔の笑顔、そして次にはスキュラの笑顔とおっぱいを最後に俺の意識は途絶えた……。
13/05/21 00:25更新 / 二酸化O2
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