「うらぁああああああああ!! 待てぇえええええええええええええ!!」
草一本も生えねえ火山の奥地――そこがこのオレ、マンティコアのバッツの寝床で、住処だ。
でも今はこれ以上にないってまでに、コカトリスでもビックリの速さと時間を走ってる……何故かって?
そりゃあ、お前さ……
「走るたび揺れるおっぱいと尻尾は本当に素晴らしい! ほら、俺を犯してくれよ、エロ同人みたいに!!」
「ふっざけんじゃんぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
……変態としか言いようのない男に追い回されているからだ……!!
「俺はずっと探し求めてた……! 尻尾の素晴らしい女の子っつーか魔物を……」
「けれど俺のメガネに、あ、いや、本物じゃないけど……とにかく! 俺の溢れ出す性欲とマゾヒストの血が反応しなかった!」
「けれど三日前! 火山奥地に新しい魔物が現れたと聞いて、俺は絵と特徴を聞いてティンときた!」
「君こそ……! マンティコアこそ!! 俺の性欲などを全部、ぜぇえええんぶ!! 受け止めて俺をボロ雑巾のように犯してくれるって……!!」
「自分から犯されにくるマゾヒストとか聞いたことねえよ!? う、うわぁあああああ!! 来んな、チンコ丸出しにしながらくんじゃねぇええええ!! お前絶対自称マゾだろ!! 絶対ただの変態なだけだろ!!」
変態は服を脱ぎながらオレにピッタリついてきている。
なんなのこいつ、教団って奴らなの。
「これぞ! 一族に伝わる『搾精準備のキャスト・オフ』、『犯されるためのクロックアップ』だ……さあ、犯すんだ……!!」
「目がMって目じゃねえ!! 猛獣の目だ!!」
変態が全裸でオレの後ろからやって来る。
もううなんかチンコが臨戦態勢なんだけど、なんか先っぽから変な汁出てるんだけど。
怖い怖い、アレナニ、怖いよお母さん……!!
「ぜぇ……ぜぇ……」
「はぁ……はぁ……」
お、お?
オレは少しだけど、変態はどうやらかなりバテてきてるみたいだ。
やりぃ、もう少し逃げて倒れたら近所に住んでるサラマンダーにでもやろう……!!
「く、くそ……尻尾マンコは目と鼻の先なのにッ……!!」
「ざまぁみろ!! お前が倒れるまで――」
けれどその瞬間、オレは喋れなかった。
走っている途中に舌を噛んだとかじゃない、そんな間抜けなことするもんか。
オレが喋れなかったのは……奴が何故か止まったからだ。
「……俺の名は……変の道を行き、総てを司る」
奴は、変態は人差し指を天に掲げる。
もしかして、その名乗りは、昔お父さんが好きだったていう……!!
仮面ライダーカブt
「田中義人、27歳、とある市の役場に勤める男だ」
「誰だぁーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!?」
立ち止まって、大声でツッコんでしまった。
あ、まずい、思わず止まって――
「さて、マンティコアさん」
「あ」
猛スピードで近づいてきた……私の目の前に、そいつはいた。
「今日が初夜だ、そして明日は結婚式だ、だからここで犯す」
「い、いやぁああああああああああああああああああああああああ!!!」
結局こいつはMなんかじゃなかった……オレは翌日まで尻尾に精液を注がれた……。
そのあと?
義人の家に攫われ、義人の妻となりました……。
(一応、完。下から後日談のようなもの)
***
「なあ義人」
「なんだいバッツ」
「オレなんかでよかったのかよ、他にもたんじゃねーの、ピッタリな奴」
「いやいや」
「?」
「バッツと出会えなかったらこうして、幸せには暮らせなかったよ」
「うん、仕事のストレス解消に尻尾使われてるオレは泣きたいけどな」
「なんだ、なら」
「あん?」
「そっちのマンコに精液入れて子供を作るのはどうだ?」
「……まあ、いいけど」
顔を背けたバッツ。
義人は「放置プレイ?」と余計なひと言を言って、尻尾に叩かれた。
喜ぶ様子もなく、ただ痛がる義人を放って隣の部屋に入ってしまった。
その際に一瞬だけ見えたのは、少し嬉しそうな表情で……顔の赤いバッツだった。
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