どれだけ寝ていたのだろう。
ここは某国にある遺跡の奥深く、そう何千年と誰も入ったことのない密室。その遺跡は、昔は文明が栄え、豊かな土地であったのだが、遺跡の主である彼女が数千年前に眠りに付いた後、時代の流れとともに失われ、今では殺風景な荒野が広がるだけである。
もう目覚める頃合いかしら。
そう彼女は、眠っているくらい棺の中でつぶやいた。そして棺から出るべく、棺の蓋を開けようとしたのだが…
ちょっ、何これ、ちっとも開かないじゃないの!
そう、いくら彼女が蓋を押しても、なぜか棺が開かないのである。
何で、…眠る前に何か変な魔法でもかけたかしら?それともセ○ムでもつけたのかしら?
女王様、魔法はともかくセ○ムは数千年前になかったでしょう。
何(ゲシッ)!、よ(ゴシャッ)!、いい加減(DXY)!、開きなさいよ(ボムギッ)!
遺跡の女王様が出すとは思えないような効果音が密室中に響く。読者諸君ならご想像できると思うが、棺の中から絶世の美女が必死な面して棺を蹴ったり殴ったりしているのだ。もし、その様子をオンエアーで見ることが出来たらさぞかしシュールであっただろう。
ア、アバ○ム!…アバ○ム!、アバ○ムぅ!!…ダメか。
だから女王様、あなたの時代にファ○コンなんてなかったでしょう。それに、ロ○の子孫でもないでしょうし、図鑑の魔力はマジックポイント制ではないでしょう。
棺よ、開け!キエエエエエエエ!!!
やめなされ、某マ○クか、某dj ta○aの様な顔芸をして棺を蹴るのはやめなされ。そのうち、サムネファラオとか言われて茶化されますぞ。
そんなことよりナレーター、変なツッコミしないで開けろぉぉぉぉお!!
…遺跡の女王様であるファラオが完全なギャグキャラ化しているのは気にせず、物語を進めていくことにする。
さて、時は同じくしてここは某国にあるファラオの眠っている遺跡。時間は丁度夕方で、もう発掘作業が終わろうとしていた。ここで、発掘作業に携わっていた、考古学者の日本人、竹内隆平は謎の音を聞いていた。
「おかしい、全員地上から出てきたのに中から音と叫び声がする。」
そう思うと、彼は一人で遺跡の中に入って行った。遺跡の中は、夕日を浴びてか、かなり不気味な雰囲気を醸し出していた。今にでもイムホ○ップが現れて肉体を吸収されそうな感じだった。
「えっと、音がするのは…この壁の向こうか?」
そう思うと、隆平はその壁を調べ始めた。どこからか入れるような場所は無いか。この壁が開くようなスイッチは無いだろうか。
だが、いきなり壁が崩れてしまったことにより、彼の調査は終わった。そして崩れた壁の先に長い階段が続いていた。
「この奥から聞こえる。」
そう思うと隆平は、懐中電灯をつけてその階段を進んでいった。
「さて、鬼が出るか仏が出るか…」
そう一人で呟きながら階段を進んでいった。しばらく進んでいくと、
『オッケェェェェエエイ!、開いたぁ!』
という、何か野太い、しかし女性の声が響いた。何事かと隆平は階段を駆け降りた。…階段の先にあった密室で、隆平が見たのはあまりにもシュールで、コメディー映画のような光景だった。
長い黒髪、神秘的な眼、艶めかしい体、煌びやかなアクセサリーの数々、美しい褐色の美人が棺の中に立っていた。…息を切らせ、汗だらけになって、足をガニ股に開かせて。
「…何なんだこの光景。」
隆平は、困惑した。それは当然のことである。なんせ絶世の美女が、汗だらだらで仁王立ちに近い姿で立っているのだから。まぁ、さすがにスコーピ○ンキングが出てこなかっただけましであるか。
『ハァハァ…汝か、我の目覚めを妨げたのは?…』
息を切らせながら隆平に質問してきた。
「知らん!」
初対面で、いきなり目覚め云々の質問されてもそんなことは知る余地もない。
『何を言う、目覚めて棺を開けようとしてもなかなか出れなかったのだぞ』
そんなこと聞かれても知らんな。
「それはあなたのせいであって、私に責任は無いですよ。」
『う、うるさい!汝以外に考えられないのだ!汝のせいであろう!』
「知らんな。」
『汝のせい…』
「知らんry…」
『汝の…』
「知ry…」
結局、こんなやり取りが30分近く続いた後、隆平は心が折れたのか、私のせいですよと認めてしまった。
「ひどい冤罪だ…」
そう隆平は呆れていると、彼女は、
『では、責任を取らせてもらうぞ…』
と、野獣の眼差しで隆平に向かっていき約48時間ほど、隆平をこってり搾ったのであった。しかし、彼女はこの遺跡の主らしく、遺跡ことについてかなり詳しかった。その為、その後の隆平の調査も難なく進み、結果、その遺跡が古代史の常識を根底的に覆すほどの大発見だったという
[3]
次へ
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想