とある幸せな家族の終末と始まり。 ダークスライム編


とある町の普通の家族がいた。
優しく母性溢れる母親、厳しくも優しい父親、わんぱく盛りの小学生の息子に、おしゃれに余念がない高校生の娘。
ごく普通の幸せな家族である。

「玲子、すまないな。久しぶりの休日だと思ったら仕事が入ってしまった」
「良いのよ、私はあなたの妻ですもの、またの休日を楽しみに待つわ」

お見合いで結婚したとは思えないほど、二人の仲はまさにおしどり夫婦そのものだ。

「ちぇ!久しぶりに遠くへ出かけられると思ったのにー!」
「仕方ないでしょ?お父さんは忙しいんだから」

不満を隠さない弟に数日前から黒に髪の毛を染めた姉は注意する。
姉弟も時々喧嘩はあるものの、基本的に仲は良かった。

「……ありがとう。今度はみんなが行きたがってた遊園地に行こう」
「遊園地!?よっしゃ!!絶対だよ!」
「ああ、絶対だ!男の約束だ」

そういって息子と父は指切りをする。

「じゃあ行ってくるよ。今日は平日よりは早く帰れるよ。晩御飯を一緒に食べよう」
「「「行ってらっしゃい!!」」」

父を笑顔で見送る家族。

「それじゃ、俺も友達の家に遊びに行ってくるぜ!」
「ちゃんと、6時前には帰ってくるのよ?」
「分かってるて!!じゃあ行ってきまーす!」

そして父を見送った後、息子も家を出る。

(……あの人は、忙しい。そのことは分かってるけど……)

玲子はため息をつく。
この生活に不満はない。幸せすぎる程だ。
だが、やはり女としてあの人に接する時間は中々持てない。
私はこのまま、歳を重ねていくのだろうか……。

「大丈夫?ママ?こないだお隣さんからもらった牛乳でも飲もう?」
「……あ、ごめんなさい。そうね、私も牛乳頂くわ」

そういって玲子と娘は、棚から牛乳瓶を出す。
どこのメーカーのものかはわからない。
もしかして、お隣さんの実家などから送ってきたものだろうか?

「……ああ、甘い。とても甘いわね」
「そうだね。とても甘くて美味しい」

牛乳はとても甘く心を蕩けさせるような程の匂いを放っていた。

「もう一本、頂くかしら。………ああ
#9825;本当に甘くて美味しい
#9825;」

「もう一本
#9825;」

「もう一本
#9825;」

「もういっぽん
#9825;」

「もういっぽん
#9825;
#9825;」

「もっとぉ、もっとぉぉ
#9825;
#9825;」

いつのまにか部屋には心を蕩けさせる甘い香りが漂っていた。
玲子は、我を忘れたように牛乳を飲み干していく。
人間の許容量を超える程に飲み干していく。
玲子の元々巨乳と言われていた胸は、もはや普通の人間が持ち得る事は出来ないほどの大きさへと変わって行く。

「本当にぃぃ、美味しいわぁ
#9825;体が蕩けそう
#9825;
#9825;」
「もっともっと欲しい?ママ?」
「もちろんよぉぉ
#9825;蕩けるくらいにちょうらい
#9825;
#9825;」

娘は邪悪に微笑む。
母が見た事がない邪悪な笑みを。

「じゃあ、溶かしてあげるほどあ・げ・る
#9825;甘い甘いホルスタウロスミルク
#9825;
#9825;」

そう娘が喋るのと同時に、部屋全体にホルスタウロスミルクが満ちる。
空気など一つもないほどに、甘くねっとりと粘度が高く、人の心を蕩けさせるミルクが

「ああ
#9825;
#9825;おいしい
#9825;
#9825;
#9825;甘いのあまいのぉぉぉ
#9825;飲むのをとめられないよぉ
#9825;
#9825;
#9825;
ぜんぶちょうらぁぁいぃぃぃ
#9825;
#9825;
#9825;
#9825;」

だがもうすでに玲子の心はミルクに溶けていた。
もはやミルクに呑まれている現状で、ミルクを飲みほしていく。



数十分経った。
部屋を埋め尽くしたミルクは、全て玲子の体の中に収まった。
玲子の体は、胸はもはや超乳と呼ばれる程に、お腹も子供を妊娠していた頃よりも遥かに大きく破裂しそうなほど膨らんでいた。
そして、その目にはもはや人としての光はない。

「……あは
#9825;
#9825;あはは
#9825;あははははは
#9825;
#9825;
#9825;」
「あっれ?ママ壊れちゃった?
まあ予定通りだけどね!」

娘の体が、黒く、そして溶けていく。

「さあて、ママも変えてあげないと、ね?私と同じダークスライムに
#9825;」

ダークスライムの正体を明かした娘は、変わり果てた玲子の体を、その粘液で包み込む。

「あは
#9825;
#9825;きもちいいぃぃぃ
#9825;ヌルヌルしててきもちいいよおお
#9825;
#9825;」
「まだまだ、これからだよ!それ!!」
「ッヒィン
#9825;
#9825;
#9825;
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