あれからシルヴィアの家を離れたリアムは近くにあった別の街へと偶然にも辿り着くことができ、その街でリアムはまず生活するためのお金を稼ぐために前の世界にいた時と同じようにして仕事を探すことにしました。
以前仕事を探そうとしてとても苦労し、結局のところ報われなかったリアムはまともな仕事を探すことは諦めて依頼を受けて淡々と雑用などをするギルドへ所属して生活費を得ることにしたのです....
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シルヴィアさんの家を逃げるようにして出てきた僕は時々鈍痛の走る足を気にしながらも時には歩みを止め、鞄の中に残っていた味のしない携行食をかじって空腹を満たして休憩を挟みながら道に立ててある看板を頼りに付近の街へと確実に向かっていたんだ。
それで街に辿り着くとその時は日がほとんど出ていて街の風景がはっきりと確認できるほどでね、僕の住んでいた世界とは違う場所だとは分かっていても建物などは前の世界とほとんど変わらないものだったから違和感は感じなかったんだけど....街の人々は聞いていたから分かってはいたものの人ではない魔物?がほとんどだったのさ。
シルヴィアさんの話を聞いたあとだから覚悟はできていたけども....見慣れない魔物という存在は僕にとって恐ろしい存在には変わりはなかったから内心怯えてはいたけども近くの街はここだけだから勇気を出して街へと入っていたんだ。
....街へと入るとやっぱり感じるのは周囲からの視線だった。
兵隊だからという理由ではなく珍しい格好をしているから見られているんだとは何となく分かってはいるけど替えの服も無いし、武器や装備を捨てるにしてもこんな未知の世界でいつ襲われるか分かったものじゃない。だからそういったことから僕は服はどうにかなるにしても装備を捨てることはできなかったんだ。
そんなこともあって周囲の視線を浴びながら通りを歩いていると突然声をかけられたのさ....
「....おい、あんた。」
「ぼ、僕ですか....?」
「そうだ。というよりもあんたしかいないだろう....」
「....それで僕に何の用ですか。」
「あんまりこの辺じゃ見かけない顔だし、その見たこともない武器。あんた、他所から来た傭兵かなんかだろう。」
「い、いや、僕は傭兵なんかじゃ....」
「どうせ所属していた傭兵団から追い出されでもしたんだろう?なら、おまえさんに丁度いい再就職先があるぜ、ギルドだ。」
「ギルド....?」
「あんた本当に何も知らないんだな....まあ、この先の突き当たりに弓の印がある看板の掛かった建物がある。そこにとりあえず行くんだな。」
「行けって言ったって....」
「頼むから早く行ってくれ....あんたのその格好、目立つからよ....」
そう言われると軽く肩を押され、戻れなくなってしまった僕は仕方がなくそのギルドという場所に行くことにしたんだ....
そうしてなんとかギルドと思わしき建物に辿り着いてスイングドアを開けると目の前に受付があるような形の内装になっている建物には人がほとんどいなくて、いたとしても寝ているようだった。
まあ、見られるのも嫌だったから都合が良かったのかもしれないけどね....
それでとりあえず申請をするために受付へ行くと女性ではあったけど案の定魔物の方が出てきて対応してくれたんだ。
「あ、あの....ここに所属する申請をしたいんですけど...」
「.....ああ、新規の方ですね。今用紙をお持ちしますから....はい、ここに情報の記入をお願いします。」
「分かりました....」
そうして出てきた用紙に目を通してみるとそこには名前と身体的特徴、もしあれば使う武器の名前を書く欄があったのでそれらを差し障りないように記入して提出したんだ。
「ではお預かりいたしますね.....?この銃というのは何でしょうか....」
「ああ、銃というのはこれです。」
そう言って僕は肩にかけていた銃を下ろして受付の前に置いて説明したのさ。
「槍....のように見えるので申請としては槍として処理しておきますね。」
けれど魔物の方は理解してくれなかったようで銃を槍として誤認されてしまったんだ....
「では、これで申請の方は終わりましたからこれを肩につけてください。これがあればここのギルドの所属であると瞬時にわかってくれますから。」
そう言われたので僕は階級章を取り付けるあたりに布のバッチを取り付けた.....
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....こうしてギルドへと所属したリアムは最初こそ簡単な依頼ばかりでしたが次第に難しい依頼も一応はこなせるようになり、そこそ
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