次元の穴に落ちてしまったリアムは自分が雪の上にいるのだと理解した後、少し気が緩んでしまったのか安心感から彼は気絶してしまいました。
....そして、次に気がついたときには見えなくなった瞳にぼんやりと光が差し込んできたので、今は日が昇っているのだとリアムは気がつきました。
とりあえず手探りでもここから動かなければと思ったリアムでしたがそのとき足に異変を感じ痛みから立ち上がることができず困惑していたリアムでしたが、落ち着いてよくよく考えてみれば彼自身には自覚はないものの次元の穴を通ったとはいえかなりの高さから落ちてしまったことからリアムは足を折ってしまったのだという結論に行き着きました。
そうして完全に自分では何もできなくなってしまったリアムでしたが、あるとき見知らぬ女性....いや、魔物娘が彼の近くを偶然にも通りかかったのでした....
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....この場所に落ちてからのこと、少しの間僕は混乱していたんだ。
さっきまで塹壕に居たはずなのに爆発で抉れた穴を通り抜けたらそこは雪が降っていたんだからね、驚きもするよ....
それでなんとか少しだけ残っていた視力で日が昇っていることに気がついたから立ち上がって周囲を歩こうとしたんだけど足が折れているようでうまく立ち上がれなくて....そうしていると突然どこからか声をかけられたんだ。
「だ、大丈夫ですか?」
でもその人は声を聞く限り女性であるということが分かって僕は少したじろいでしまって、あのときのことを思い出してしまってさ....
「あっ....ごめんなさい、いきなりではびっくりしてしまいますよね....」
でもどうやら僕がたじろいだのは声をいきなりかけてしまったからだと思ったのか彼女はそう勘違いしてしまっていたんだ。だから目が見えないことを伝えて....
「い、いや...僕、目が見えなくなってしまって、それで突然何かが近づいてきたものですから....」
「えっ!それは大変ですよ....はやく手当をしないと、治らないものでもありませんから。とりあえず私の家で休んで行ってください、ここではいずれ凍えてしまって傷の具合が悪くなっちゃいますから...」
そう言うと僕に手を差し出してきてくれたんだけど....
「あっ....ごめんなさい、足も折ってしまっていて立てないんです....」
「重傷じゃないですか!....何があったのかは今は聞きませんけど無理はしちゃ駄目ですからね....とりあえず抱き抱えますよ。」
「だ、大丈夫ですからそんなことをなさらなくても....」
「怪我人を放ってなんかいれられません!」
僕は迷惑になってしまうし、それに女性が怖いっていうこともあって断ろうとしたんだけど押し切られてしまって....結局お姫様抱っこの形で彼女の家まで連れていかれたんだ。
....それにしても男を抱えあげられるほどとはかなり力のある女性なんだな。
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今日は朝からすごいことがありました....普段通りにお仕事先へ向かおうと教会の前を通ったら路地裏に酷い怪我をした男性が雪に埋れかけているだなんて....
最初のうちは怪我をしている彼を放っておけなくて、それで一時的にでも私の家に来てもらって応急処置だけでもしようとしただけだったんですけど....
....あの彼の濁りきってなにも映さなくなってしまった瞳をふと見たときに私の中の母性がなんだか刺激されてしまって、疲れ切った彼を救ってあげたい、守ってあげたい....幸せにしてあげたいと思ったんです。
なのでとりあえず家についてから知り合いのダークプリーストさんに来てもらって目の治療をしてもらい、その後からでも落ち着いてから彼に何があったのか直接聞いてみようと思いました....
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あの後彼女に運ばれた僕は家らしきところに彼女が辿り着くと、ベッドのような質感の台の上に上着を脱がしてくれてからそこに横にしてくれた。
それで友人を呼んできますから、と言って一旦彼女が家から出て、しばらくするともう1人の女性の声と共に彼女が戻ってきて....
「今から治療致しますから顔に少しだけ手をかざさせていただきますね....」
さっきの彼女ではないもう1人の女性がそう言うと確かに光が目に差し込まなくなり、彼女が僕の目の上に手をかざしていることがわかったんだ。
そうして少し目に気持ち良さを感じながら自然に瞼を閉じて待っているとじわじわと暖かくなりはじめ、気がつくと治療は終わったのか暖かさを段々と感じなくなった。
そうして目をもう一度開けてみるとぼやけていた
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