「久しぶりだな!」
『よう、久しぶり。大学生以来か?どうよ最近。彼女できたか?』
「へへ、鋭いな。彼女ってほど大したもんじゃないけど…女はできたぜ。」
『そいつは何よりだ。女って呼んでるんだから彼女なんだろ?童貞抜けして嬉しいのは分かるけどよ、そんな言い方したら失礼ってもんだ。』
「いやいや。本当に彼女として扱ってはいねえよ。」
『なんだそりゃ?どういうことなんだよ。』
「押しかけ女房って言うのかなぁ?同棲中なんだけど…できた女でな。」
『結構なことだな。』
「家事は全部完ぺきにやるから不快に思ったことがない。朝は5時には起きて弁当と朝飯を作って、おはようのセック…キスで起こしてくれる。」
『あ、ああ。』
「飯がまたうまい。ありふれたものでも、俺が食べたことがないような料理を作る。おまけに生活費も受け取らない。」
『そりゃいいじゃないか。』
「そうなんだよ。昼の間に掃除洗濯。雨の日含めても布団を洗わない日はない。いつでも洗い立てのお日様の香りがする布団で眠れる。」
『うーん、出来すぎてるくらいだ。布団クリーニングでも1日の間にそんな仕事はできないよな。』
「どうやってるのかは…聞いたことないけどな。おまけに気が効く。帰れば入れたての風呂、できたての飯…俺の気分に合わせてどちらかが用意されてる。」
『どちらか?』
「どっちもいっぺんに用意したら、風呂入ってる間に飯はちょっと冷めるし、飯食ってたら風呂が少しぬるくなるだろ?」
『出る前に聞かれたり、帰る前に連絡したりってことか。』
「いや?俺が何も言わなくても合わせるんだ。本当の気が効く人間ってのはそういうことができるやつなんだよ。」
『…外れたことないのか?』
「ない。ドンピシャだ。相性があるんだろうな、うん。とにかく一方を楽しんでいたら、もう一方が立て続けに楽しめるようになってるんだよ。」
『すごいな、そりゃ。あっちから何か文句言われたりしないか?家事手伝えだのってさ。』
「ないない。へへ、そんなこと言ってくるやつなら別れてるかもしれないな。あいつはいつでもニコニコ笑って、抱いてやると心底嬉しそうにはしゃぐんだ。抱くだけで、日々生活してるだけで喜ぶ女だぜ?最高だろ?」
『うーん、今のところ嫌なポイントが1つもないな。というかそれって、結局のところは彼女なんじゃねえか。俺は惚気聞かされてるだけかよ。』
「いやいや、俺は本気じゃない。愛してるのはあっちだけで俺はその好意に甘えさせてもらってるだけだ。もっといい女がいたら紹介してくれよな。」
『それはさすがに酷いだろう。そんなに尽くしてくれるなら彼女はお前に本気なんだろ?惚れた女にそんな扱いはないぜ。』
「これだから童貞は…。」
『お前よりかは経験人数あると思うけどな。どうせまだその彼女(?)としかヤってないんだろ?』
「まあ並の女とたくさんことに及ぶくらいなら、今のうちにあの女で練習するってことさね。俺の生まれつきのテクニックであいつは毎晩派手に盛ってるよ。強いて言うなら性欲の強さがマイナスか?俺にとっちゃプラスだけどな。」
『やれやれ、あんまり慢心して捨てられるなよ。』
「俺が捨てることこそあれ、あいつに捨てられるなんてあり得ないな。」
『そんな都合のいい女とどこで会ったんだよ?コンパかなんかなら俺にもちょっくら紹介してくれよ。』
「なんだよ、羨ましくなったか?仕方ねぇなぁ、散々童貞扱いした男に女の紹介を頼むなんてなぁ。」
『昔の話は水に流して、な?謝るから、この通り!教えてくれよ。』
「調子のいいやつ。まあいいだろう、あいつとは………。? あれ? あいつとは……。…?」
『飲みすぎて忘れたのか?そんなにいじめないでくれよ。というか家ってすぐそこだろ?思い出せないなら彼女本人に聞いてもいいんだぜ。』
「ま、待てよ、本当に思い出せないんだ。電話して聞いてみる。」
『はぁ。おい、お前汗すごいぞ。大丈夫か?』
「どこ…どこ?あいつ、と…どこで…?」
『ま、まぁ嘘じゃないみたいだし今じゃなくても…。ていうかお前、ははっ。電話帳には会社関係と[嫁]しか無いじゃねぇか。なんだかんだ言って嫁扱いしてるのかよ、ふ、ははっ。』
「う、うるせぇな。俺が登録したんじゃねぇよ…!」
『はぁ?お前以外に誰が登録すんだよ。』
「あ、あいつが毎晩携帯チェックするから、その時に追加したんだろ。」
『え?携帯チェックって…その彼女結構やばくないか?俺はそんなことされたら嫌なんだが…。』
「そりゃお前、俺の携帯に女の電話番号が入ってたらダメだろうが。」
『…本当に大丈夫か?酔いすぎだぞ。さっきと言ってることがめちゃくちゃだ。』
「う、うるせえ、人の女に口出すなよ。今電話かける
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