「すぴー……すぴー……んがっ!」
朝日…いや、既にだいぶ空の頂点に登った、太陽の眩しい光で目を覚ます。
「昨日……あ、お酒飲んでオナニーして……ええと……」
昨日の記憶がない。
だいぶ洗濯していないベッドの上にローターが転がっている。
とりあえず頭が痛いから迎え酒といこう。
「あーもう…邪魔邪魔」
書類が雑多に山積みされている中を蹴りながら進む。
60年寝かせたという酒(味の違いは不明)を、ひょうたんからコップに注いであおる。
「うひぃ……頭痛い」
二度寝しようとベッドへ向かう。
今日こそは研究室の掃除や、ポストに溜まった連絡書類を片付けなくてはならない、そう思いつつもついつい流れてしまう。
「あー…素っ裸だと寒いや……オナニーしよかな…」
携帯を触ってオカズを探していると、見知らぬメールが3件。
「………?」
『from:Mitsuharu6741
to:Ren Syun0721
はじめまして。
光晴です。
霧の大陸の空港に着きました。
霧の大竹林のふもとですよね?
先生からお話をお送りしていると思いますが、今日からよろしくお願いします。
では後ほど』
『from:Mitsuharu
to:Ren Syun0721
すみません…道に迷いました。
赤い看板に「魔物娘性行結婚紹介所!男性募集!必結婚!」と書いてあるところです…すみませんが迎えに来ていただけませんか?
お返事お待ちしております。』
『from:川島梨花
to:Ren Syun0721
漣ちゃんまた寝てる?
光晴君から連絡があったのでメールしました
目が覚めたら迎えにいってあげてください』
記憶が蘇る。
「あ……やべ……今日男の子が来るんだった……」
とりあえずブラジャーでもつけよう。
そう思って、くっしゃくしゃの服の入ったタンスを探していると。
「漣さん?いらっしゃいませ…ん……か…」
最悪のタイミングだ。
「し、失礼しましたっ!」
「私が春 漣です、よろしく」
こうして彼と私は出会ったのだ。
「……すごい!表彰状が……こんなに…!うわ、最高褒章まで!」
「そんなものはいいの、君に見て欲しいのはこれ」
私の実験室に彼を案内すると、ホコリをかぶった賞状やら何やらを見て飛び跳ねている。
あんなものの何が面白いのか。
「ここには多分何でもあるから…顕微鏡、シャーレ、あらゆる薬品の素、本、サンプル、寒天、笹、竹、マウスetc……好きに使っていいよ」
「あの、春さんは使っていないんですか?」
「このまえ2億円手に入ったからしばらく遊んで暮らすよ……なにか欲しいものがあったら買い出しの時に一緒に買ってくるから」
「は、はぁ……」
「じゃ、おやすみ…ふわぁぁぁぁ…」
彼を案内した後にもう一度ベッドに戻る。
灰皿の横に積んである笹を噛みながら、私は甘い眠りについた。
「起きてください、春さん、もう夜ですよ…!」
「むにゃ」
目を覚ますと、もうとっぷりと日が暮れていた。
「ええと、晩御飯ととりあえずリビングの掃除、上着の洗濯はしておきましたから…明日また来ます!」
彼はいそいそと帰り支度をしているようであった。
「え?泊まりじゃないの?」
「さ、さすがに女性の家に泊まるわけにはいきませんよ……」
顔を赤らめてうつむいている。
かわいい。
「今晩は遅いし、今晩だけ泊まっていきなよ、ね?」
「い、いやでも……」
立ち上がって彼の肩に手をかける、すると部屋の中が見違えるほど綺麗になっているのが見えた。
家の床を見るなんて何年ぶりだろう。
その仕事ぶりは流石の私(家事しない歴5年)も驚きであった。
「……絶対に帰さないから」
「え!?」
「食費も生活費もいらないから、君はお掃除とご飯、研究に専念してね、分かった?」
「は、はぁ……」
とっても都合の良い家政婦(?)を手に入れてしまった。
顔とウブな性格と料理の味が結構好みなのは秘密。
深夜2時
「あ、あの……」
「zzz……」
「む、胸…当たってますけど…」
「zzzz………」
「ね、寝てる…抱き枕か何かと勘違いしてるのかな……?」
「zzz…」
「うぐ……全く動かない……!?すごい力…!」
「zzz」
「……寝よう、般若心経でも唱えよう…」
かわいい。
この反応で5回オナニーした。
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