ようやくとれた休日で実家に帰って来た北島は暑い夏の日、酒を呑みに行く。
「おーい、来たぞ」
「早いな」
一人で行くのもつまらないので友人の大城戸に行く店を任せてみた。家の窓から顔を出して大城戸が見下ろしている。
「暑いからな、ビールで冷えたいわけよ」
「夏冬変わらないだろう」
北島が大酒呑みなのは誰でも知っている。
「まあいいか。居酒屋で良いんだろう?」
「おう」
ラフな格好で近所の居酒屋に行こうと大城戸の家の玄関前で待つ。
「待たせた」
「あーっお兄ちゃんどこ行くの」
甲高い声に北島が大城戸の体から家を覗くと、そこには見た事がある顔が居た。
「おや、光ちゃんか…?」
疑問形になったのは顔ではなく昔見た幼児の頃よりだいぶ成長していた為である。大城戸の妹は年齢差が10歳以上あるのでまだ小さい。身長と変わらないような大きな人形を抱えて、体の一部が異常発達している。そして背中に蝙蝠の羽、腰に尖った尻尾という変化がありすぎた。
「あれ、この格好で会うのは初めてか?」
大城戸は体をずらして妹を見えるようにする。
「ああ、幼稚園の頃にはあったけど、お前両親人間だったよな」
「人間だ。この子も人間で生まれたよ。光、覚えているか知らないが、俺の友
達で北島だ。お菓子は貰った事があるだろう」
「覚えてない。でもお久しぶりです。お兄ちゃんの妹の光です」
「あ、これはご丁寧に」
頭を下げられて下げ返す北島は異常発達した一部が揺れるのを見た。
「そして光が持っている人形が、光をサキュバスにしたろくでなしのリビングドールだ」
「ずいぶんな紹介ね」
「魔物娘だったのか」
抱えられた人形が声を出したので北島は後ずさる。
「ずいぶんな紹介されたけどマリア、よ。よろしくね」
「ああ、よろしく」
人形を改めてみると、顔は人間っぽい感じで、よくある金髪碧眼の人形のようだ。足元まで伸びている髪の毛も人形としてはアリだと思われる。しかし
「何でこの子も巨乳なんだ」
そう、二人の魔物娘は子供サイズとは異なるサイズだった。大人の握り拳よりも大きい。
「魔物というのはそういう物なんじゃないのか?こいつは人形だから詰め物だろうし」
「失礼ね、100%天然よ」
マリアと大城戸が口げんかをするのを光はにこにこと笑ってみている。
「止めなくていいのか?俺はさっさと飲みに行きたいんだが」
「大丈夫ですよ。二人は仲良しだから。でも、今日はデパートに連れて行ってもらおうと思ってたのに」
「それは悪かった。俺からも大城戸に言っとこう」
「ありがとう」
満面の笑みを浮かべる光に北島は照れて頭をかく。
「そうだ、こんな馬鹿な事をやっている場合じゃなかった」
「馬鹿な事とはなによ」
「済まないが、飲みに行くのを優先してくれ」
また始まりそうになったのに割り込んで、北島は大城戸を外へ連れ出した。
「喧嘩は呑みに行った後にしてくれ」
「すまんすまん。しかし、お前本当に呑みに行くことにしか興味がないんだな」
「昔の趣味だったプロレスの試合も観戦できないぐらい忙しくてな、TV見ながら飲むしか出来ない」
「ご愁傷様」
大城戸は急に暗くなった北島に同情した。同時にその背中にどんという音と共にぶつかって来た物に衝撃で転ばされる。
「大丈夫か」
「何だ?キコちゃんか」
「兄貴!あそぼー!」
ぶつかって来たのはオーガの娘で、低い身長ながら鉄砲玉のように突撃してきたのだ。
「この子は?」
「妹のクラスメートで、オーガのキコちゃんだ。俺をぶつかっても大丈夫な的にしてるらしくてよく突っ込んでくる」
「なんだそりゃ」
キコは二人が話しているのを見てぶんぶんと握り拳を振り回している。そしてそれにともなって子供らしからぬ大きさの部分が上下に揺れる。
「話してつまんない。あそぼーよ」
「いや、これから出かける所だから、今度な」
「つまんなーい」
「キコちゃん、駄目よ、邪魔しちゃ」
そこへ別の声が入る。北島が声の方を見れば頭に花を咲かせた少女がいる。トロールの少女だ。
「あ、葵ちゃん、久しぶり」
「お久しぶりです」
男性二人よりは低いが成人女子と言っても大丈夫なほど年齢の平均よりも身体も胸も大きな娘さんだ。
「初めまして、向井 葵と言います」
「あ、これはどうも北島です」
「アタシは島 キコッ」
「ああ、よろしく」
葵ちゃんが挨拶するのに倣ってキコちゃんも手を上げて元気に挨拶してくる。
「済まないが俺達はこれから出かけるから、また今度ね」
「分かりました。あ、今度の海楽しみにしてます」
「アタシも行くんだから準備万端でな!」
「はいはい」
二人の少女と手を振って別れた大城戸に北島が疑問を投げかけた。
「何で
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