これからは、妻と夫(中編)

じっくりと愛し合う為に俺達は俺の部屋に場所を移した。
俺の部屋を選んだ理由は二つ。

孤児院の運営は決して楽ではなく、倹約が生活の大前提になる。
お金を掛けずにできることはなるべく自分達の手で……が基本だ。
一番分かりやすい例が、テーブルや椅子、ベッドなどの家具類。

木工店から端材や木切れを譲ってもらって俺や弟達とで手作りする。
義母さんが生きていた頃からある家具は修繕して大事に使っている。
新しくお店で買い揃えることは殆どない。

テーブルなどは簡単に出来るが、問題はベッド。
子供…特に男児は身体が大きくなるから、子供用のベッドはすぐに使えなくなる。
大人になっても使えるように大きく、そして大人になるまで持つように頑丈なベッドが必要なのだ。

義母さんが生きていた頃よりも孤児は増え、その都度新しくベッドを自作してきた。
俺が使っているベッドは孤児院で一番大きく、頑丈な作りになっている。
これからその……セックスをするには都合が良いというのが理由の一つ。

もう一つの理由は
「あなたの匂いがするお部屋であなたに抱かれたいです♪」
という、サーシャの希望があったからだ。



俺の部屋のドアを開けて、二人して入る。

部屋の中はチリ一つなく綺麗に整っている。
あまり使うことが無い分、汚れにくいというのもあるが、俺が留守の間にもサーシャや弟妹達が掃除してくれているのだろう。

週に一度程度しか帰って来れない自室には、ベッドと着替え入れ以外は何も無い。
私物の大半は兵舎に置いたままだが……レスカティエがこんなことになってしまったんだ。
これといって大した物も無いし、すっぱり諦めるとしよう。

……おそらくもう、俺には必要の無い物だろうしな。

「〜♪」
ぽふん………っ

ベッドを前にして、俺の後ろにいたサーシャが背に抱きついてきた。
背に頬ずりしながら、脇から通した両手で腹から胸板を愛おしそうにまさぐる。

「サーシャ……」
「ふふっ……ごめんなさい♪
   これからあなたに抱かれるのだと思うと……うふふふっ……
#9829;」

腹をまさぐっていた手が、器用にシャツのボタンを外す。
サーシャの手に急かされるようにして、シャツを脱がされた。
先に脱がされたズボンと下着、ついでに靴は礼拝堂に置いてきた。
どうしても勃起が治まらず、穿きなおすことが出来なかったのだ。

シャツを脱がされれば、もう全裸だ。
纏う物がなくなった俺を、彼女の腕が抱き締める。
背に押し付けられる乳房越しに、サーシャの早鐘のような心臓の鼓動が伝わる。

「やっと、あなたに抱いて貰える……やっと、あなたと愛し合える………っ」

俺を抱き締める腕に力が篭もる。
彼女の細腕には見合わないような、少し痛いくらいの強い力で。
痛みに声を挙げそうになるかならないかで、ふっと拘束が弱まった。

振り返ると、俺を見上げる彼女に唇を奪われた。
驚いたが、彼女を抱き返して、俺からも唇を押し付けた。
半目で開けられた瞳は、期待と興奮で熱く潤んでいる。
俺を見つめるその瞳は、目を閉じずに見つめかえさねばならない気がした。

「んふ……。
 私も、脱ぎますね?

     これからあなただけのものになる、私のカラダを見てください……♪」

キスを切り上げ、サーシャは俺から一歩離れてまず帽子に手を掛ける。
紅い瞳を思わせる意匠の宝石があしらわれた帽子を脱ぎ、次に首の襟元に指を掛ける。
俺を見つめながら、俺に見せ付けるように僧衣を脱いでいく

黒い炎を思わせる意匠のストッキングを残して、一糸纏わぬ姿になったサーシャ。
薄暗い部屋に射し込む、紅い月の光に照らされて艶かしく輝く裸体。
やや朱のさした白い肌は、触れたらきっと柔らかくて心地良いだろう。

細身の身体に不釣合いな美巨乳はバランスが悪そうに見えてその実、重力に逆らい垂れることなく美として鎮座している。
黒く染まった羽根が後ろに生えた細い腰が、余計に美巨乳を大きく、美しく見せていた。
目に眩しい白い太ももを包む闇色のストッキングは、彼女の肌の美しさを更に引き立てている。

閉じられた脚の間……彼女の秘所から透明な蜜がとろとろと溢れている。
サーシャの、愛液。
俺を求めて分泌されている……これからすることを否応無しに思い起こさせるそれに、生唾を飲み込んだ。

俺の反応に満足したのか、蕩けた瞳に期待を浮かべてサーシャは微笑む。
自分の手を濡れた股間に差し込んで、その手を俺に見せるように差し出した。
愛液を掬くった指先が、月の光に照らされててらてらと光る。

「見て、ください……私の身体……
  あなたに抱かれ、愛され、奉仕するためだけにある『あなたの女』の身体です……
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   堕落神に帰依した瞬間から、ずっとあなたを求めて、蜜が溢
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