ここは、魔王軍の地下室。その中に古めかしい木製の扉の中から何か不思議な匂いが漂ってきた。部屋の中はコポコポと煙を上げるフラスコや旧魔物時代の剥製などが置いてあった。そして、机の上には沢山の薬品が置いてあった。その周りからは摩訶不思議な匂いが立ち込めていた。
「ネリア様。今日はどのような物を作っていらっしゃるのですか?」1人の魔女が白衣を着たバフォメットに質問した。
「メルか・・・今作ってるのは、性欲を最大にに上げる薬なのじゃ。この薬を男に飲ませば無条件に襲ってくる脅威のホレ薬なのじゃ」
「そうなんですか。そしたら、我サバトに沢山の信者(ロリコン)が集まるわけですね」
「うむ、そう言うわけなのじゃ。もう少しで完成なのじゃ!!」ビーカーに青色の液体を黄色の液体が入った試験管に少しづつ混ぜ合わせた。すると、たちまち試験管から青紫の煙が立ち上がりポッと音を立てると試験管の中の液体は綺麗なピンク色の液体が出来上がった。
「ついに出来上がったのじゃ!!」歓喜の声をあげるネリア。目の下には隈ができていた。
「やりましたねネリス様!!」
「ふむ・・・ふふぁ〜〜・・・・3日間徹夜はきつかったのじゃ!!」目を擦りながら大きな欠伸をするネリス。
「お疲れ様です。でわ、寝室にご案内しますね」そう言うとメルはおぼつかない足取りのネリアを自分の肩にネリアの手をやりそのまま寝室に連れて行った。だが、扉を閉めたと同時に試験管が床に落ちそのまま地下水に通じる水道管に液体がこぼれてしまった・・・・
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ここは、魔王軍第1支部の城下町。今日は、3週間に一度の大市場の日で町は今、商人たちのテントでいっぱいになっていた。商人達や町の人々が行き交う人込みを二人の魔物が歩いていた。
「今日は、いつにもまして人がいっぱいですね。サナさん」人々の行動を見ながら言うのはワーウルフのレイナ。警備隊・諜報部隊の隊長。
「あんまりはしゃぐなよ。一応1部隊の隊長なのだからしゃんとしとかないと部下に笑われるよ」はしゃぐレイナを戒めるサナ。
「え〜!!いいじゃん。いいじゃん。だって今日は非番なんだもん。この日の時にいっぱい外の空気と明るい空をい〜〜っぱい浴びときたいもん」ぷッくらと頬を膨らますレイナ。
「まぁ〜。あんたは役職柄そうだけど、あんまりはしゃぎすぎて迷子にならないでよ」
「分かってるよ。っあ!!見てみて!!りんご飴だって!!面白そうだから見に行こうよ!!」そう言うと、りんご飴屋に直行するレイナ。
「ちょっと、待ちなさいよ!!」そう言いながらレイナの後を追いかけるサナ。
「うわ〜〜見たことも無い飴がいっぱいある!!」その屋台には、様々な飴が置いてあった。赤く輝く飴の中に丸まる入ったりんご。三つの丸い団子状に刺さった紫色の飴。この地方では見られない飴があった。
「いらっしゃい〜。どれも、ジパングのお菓子ですよ〜」飄々と喋るりんご飴の主人。その隣にはシースライムがニッコリと笑っていた。
「おぉ〜ジパングのお菓子!?ねぇねぇ、サナこれ買おうよ!!」
「ジパングのお菓子なんて珍しいですね。そしたら、一つ買おうかな。おじさんこのりんごとオレンジ色の飴ください」サナがポケットから財布を取り出し銀貨をりんご飴の主人に渡すサナ。その時何か殺気を感じた気がした。
(なんだろう。この感じ・・・)
「は〜い。りんご飴とオレンジ飴で〜す」銀貨を貰い、シースライムがサナとレイナに飴を渡した。
「ぺろ・・・・おいしい♪♪何この飴!?すごくおいしいよ!!」喜ぶレイナ。
「うん。本当においしいね」オレンジ飴を舐めながら屋台を見ていく。その中で、一つだけ気になるお店があった。
「なんだろこれ?【パフパフ屋。今なら、爆乳に顔を埋めてみませんか?】いかがわしすぎるでしょ・・・これは」そして、そっとテントの中を見たら・・・・
「お客さん!!お障り厳禁っす。だけど、顔に爆乳を埋めてクダサいっす!!」
「パフパフ〜〜〜♪♪」そこにいたのは、ルナとサンであった。
テントの中央に、男性が椅子に座っており目隠しをさえていた。そして・・・
「パフパフ〜〜♪♪」サンの大きな爆乳が男性の顔を挟み込んでいた。
「うわ〜・・・」その光景をじっと見ているサナ。後ろからレイナが不思議そうに見ていた。
「うん。見なかった。私は何も見なかった・・・・」サナは自分にそう言い聞かせた。
「サナさん。何を見てたんですか?」
「レイナちゃん。あなたも、もう少し大人になったら教えてあげる」無言でその場を離れたサナ。
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