朝、太陽が昇りきっていないのに椅子に腰掛け新聞を見ながらコーヒーをすする一人の男性。この男は、レオン・スカーレット。元流れのガンマンである。テーブルには、愛用の銃を置いていた。さっきまで磨いていたのかその銃はとても光り輝いていた。
「朝のコーヒーはいいな・・・」そう言いながらコーヒーを飲んでいた。ふとテーブルの下に違和感があったので下を向いたら、無表情のスケルトンがこっちをジト目で見ていた。
「ブホッ!!」口に含んだコーヒーを勢いよく出した。
「アマンダ。いいかげんテーブルの下から俺を覗き込むのはやめろ。心臓に悪い」
「だって、パパのちん「コラ!!朝から卑猥な事を言うな!!」危うく男の性を言われそうになった。
ムスッ・・・・。レオンに怒られたのかジト目が余計に険しくなりそのまま三角座りしてしまった。
「パパ〜朝から大きな声出してどうしたの?」にんじんの絵が描かれたパジャマを着て頭に白くて小さな耳がひょっこり出ているワーラビットのリシアちゃんが眠たい目を擦りながらリビングに来た。
「ん・・・起きたのか。リシア」
「うん」
「そしたら、朝飯にするか。リシアすまないがアマンダと一緒に顔洗ってこい。俺は、メリルを起こしてくるから」リシアが拗ねているアマンダを説得して手洗い場に行ったのを確認してレオンはメリルが寝ている寝室に行った。
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〜寝室〜
部屋を開けると、まだ寝ているのであろう静かな寝息がスゥスゥと聞こえてきた。緑色の葉っぱをモチーフにした布団が小さく上下に動いていた。
「お〜い。起きろ・・・メリル・・・・」尖った耳に純白とも言える白い肌、メリルはエルフである。
「う〜ん・・・・パパ・・・・・抱っこ・・・」まだ寝ぼけているのか目をしょぼしょぼしながら抱っこをねだってきた。
「仕方ないな・・・ほら、しっかり肩に掴まっとけよ」メリルが伸ばした手をしっかりともちお姫様抱っこでベットから出して寝室から出た。その後、リシア達に見つかって、同じことを3回もねだられた。
「ふぃ〜疲れた」肩をとんとんと叩きながらソファーに腰を降ろす。お姫様抱っこをリシア・メリル・アマンダに3回もねだられてくたくたになるレオン。その後、ホットケーキを作りテーブルに並べホットケーキを食べて、皿を洗い、そして現在にいたる。
「ったく。人が一生懸命にやっていんのに・・・こいつらは・・・・」朝が早かったのかリシアちゃんたちはすやすやと眠っていた。
「俺も、眠たくなってきたな・・・・ふぁ〜〜」大きな欠伸をしながら自分の膝で寝ているリシアちゃん達を見てそのまま目を瞑って寝てしまった。
「「「「「Zzz・・・・」」」」
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小高い丘の上にある白い石碑がある。その前で、ワーラビットのシリアが泣いていた。
(これは・・・そうか、俺は昔の事を見ているんだな)
「パパぁ・・・ママぁ・・・ヒック・・グス・・・・」リシアちゃんの目からは大粒の涙を出しながらもう会えない父親と母親の事を思い泣いていた。だが、泣いているリシアちゃんの頭の上にぽんっと大きな手が置かれた。
「そんなに、泣いたらパパとママに心配かけちまうぞ」深く帽子を被っている男。
「うぅ・・・」
「今日から、俺がパパだ。あるいはダディでも可」
「ダディ?・・・・ぷ・・・・くふふふ。面白い」
「そうだ。その笑顔だリシア。お前が泣いていたらパパとママに心配かけちまうだろ。それに、その笑顔の方が可愛いんだからな」ニッコリと笑う男。この男こそ若かりしレオンである。
(我ながら、木っ端恥ずかしいこといったな)
そして、また景色が変わる。今度は、ある森の崖の下での所だった。
(ここは、メリルとあった場所だな・・・)
馬車の下敷きになっている男を助けた俺は、男が抱いていた子どもに目が止まった。
「お・・・お願いです・・・娘を・・・メリルを・・・」吐血しながら話す男。
「おい!!しっかりしろ」
「私は・・・もう・・長くありません・・・・どうか・・・・・娘を・・・・お願いし・・・・ま・・・す・・・・・」そう言うと男は娘をレオンに託して逝ってしまった。
「・・・・・・・・」
(あの出来事は、今でも憶えてるな。メリルが目を覚ましたのは父親が死んで2日後だったからな。その後、俺には一切口を聞いてくれなかったもんな)
また、景色が変わる。今度は、川の近くで夕食作りをしている光景だった
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