放課後の校舎。授業が終わり帰る学生。部活動があり校庭で準備体操をするエルフとケンタウロス。その中で、カバンを持ちトボトボと歩く一組のカップル。
「宿題が出来なかったから、補習なんて・・・」うなだれる茜。
「仕方ないですよ茜さん。オーバーヒートして今朝まで動かなかったんだから・・」甲がハハハ…と乾いた声を出しながら茜に言う。
「だってよ。分からねぇんだもん!何だよいん○分解って、卑猥か!!!」
「因数分解だよ茜さん。でも、この補習で学年に上がれるんだから大丈夫でしょ」
「ん・・・まぁ、これで三年生になれるんなら頑張るけどよ」チラッと甲の方を見た。
「どうかしました。茜さん?」
「いや、甲くんは将来何になるのかなって思ってさ」
「あ〜。そういや、まだ話してませんでしたっけ。僕は先生になりたいんですよ。高校の」
「甲くんが先生・・・・」
===================================
「ただいま〜」
「お帰りなさいあなた」
「珍しいね。学生服なんて着てどうしたの?」
「えへへ・・・実はね甲先生に個別指導してもらいたくてね」
「ふ〜ん。そしたら、今から指導だね」
「待って、先生!!あたし、こんなの初めてだから・・・」
「大丈夫だよ。さぁ、ここにすわって・・・」
「先生・・・だめ、そんな所・・・あ、っあ」
「すごく可愛いよ。茜」
===================================
「ふふふふふ・・・・・」不敵な笑みを浮かべる茜。
「可笑しいですかね。って茜さん鼻血!!」甲が茜の方を向いたら両方の鼻から綺麗に鮮血が出ていた。
「ううん。すごく似合ってるよ」茜は鼻血を止めながら言った。
「本当!?嬉しいけど、茜さん制服の袖で吹いたりしたら血がついてとれないよ」
「大丈夫、大丈夫。家には血抜き専用の洗剤が常備してあるから平気だよ」
「なんか、茜さんの片鱗を見た気がしたよ」そう言いながら二人は補習を行う教室についた。
===================================
「〜であるからして、この様な問題にはこの数式が・・・って彼女は大丈夫なのか?」初老の先生が甲に尋ねた。
「いつものことですから」甲が手慣れた手つきで茜に団扇で仰ぎながら言った。
「あがががががががが・・・・・・」茜は小刻みにふるえながら穴という穴から白い煙が上がっていた。
「そうなのかね。ふむ、今日で補習を終わるけど保健室に連れていかなくて大丈夫?」
「大丈夫です。このまま、彼女の家まで送り届けますので」そう言うと甲は茜をおぶって学校を後にする甲と茜であった。
===================================
〜美島家〜
「あら〜。甲くんごめんね。いつもいつも・・・」ふりふりのエプロンを着て家の扉を開けて出てくる佐奈。
「いえ。それよりも茜さんをよろしくお願いします」
「は〜い。茜ちゃん。たらいきなり真面目に勉強した途端、口から煙出すものだから、 驚いたわ。茜を部屋に持っていくから、甲くんは家に上がって」佐奈はそう言いながら茜を甲の背中から外して部屋へと連れて言った。その後に、甲をリビングへと連れて行った。
「甲くんは、ジュースでいいかしら?」
「はい」佐奈が、狐の絵が描かれたガラスのコップにオレンジジュースを注いで甲の前に置いた。
「ありがとうございます」
「いいのよ。茜ちゃんが頑張って勉強してくれてるんだから」そう言いながら佐奈は甲の前に座った。
「はい。・・・ん、何だろう?」甲がジュースを飲んでいると机の下に何か落ちていたそれは・・・
『つるぺたなあなたもこれがあればボインボインになるエクササイズ』
そこには、リリムが表紙の本があった。所々、付箋が張ってあった。
「それは、茜ちゃんのバストアップ本よ」佐奈が甲の持っている本を持っているのを見ながら言った。
「なんかね、自分の胸を触っては項垂れてたから魔物御用達のバストアップ本をあげたの」
「そうなんですか・・・(最近、隠れて何かをしてたようだけどこれのことなのかな)」甲が少し考え込むようにしていると佐奈が隣に座ってきた。
「茜のことよろしくね」甲の耳元で囁くように言う佐奈。
「え・・・」急に言われて驚く甲。
「あの子はあなたに心底惚れてるわ。前は来る男や不良供を血まみれにしてたから」
「ハハハ」苦笑する甲。
「でも、あなたと出会えて茜も落ち着いたしよかったわ。それに、甲君のおかげで進級もできるみたいだし」
「そんな事はないですよ」
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録