第11話 首飾りと白い帽子

 「せんせい、おはよう」いつものように、元気よく挨拶する園児達。

 その中には、父親のレイモンド・アービングさんの手を握っている。スライムのファルちゃん。その後ろからは、歌を歌いながら来るセイレーンのレンちゃんとちょっと目が怖い父親のアカツキ・ジュンヤさん。そして、肩車をされて来たのはシ―ビショップリオちゃん。胸に金の十字架の首飾りをしているのが夜桜かなでさん。リオちゃんのお父さんだ。

 「ねぇ〜パパ、今日もお迎え来てくれる」首を傾げるリオちゃん。

 「そうだね、お仕事が終わってから迎えに来るよ」ニッコリと微笑むかなでさん。

 「うん、待ってるね」優しく微笑むリオちゃん。微笑ましい光景だなぁ〜本当に。

 いつも通り仕事場に向かう、かなでさん。それを見て手を振るリオちゃん。

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 「でね〜パパってすごい水泳の先生なんだよ!!!」お昼ご飯を食べて、部屋の中で友達と話しているリオちゃん。

 「リオちゃんのパパってすごいんだ〜」稲荷の鏡華ちゃん。尻尾を振りながら聞いている。

 「あたしのパパは、お医者さんだよ〜〜」メロウのオリビアちゃん。聴診器を首にかけて飛び跳ねていた。

 「私のパパは、料理が得意だよ」空を飛びながら言うセイレーンのレンちゃん。

 「うん、なんたってパパは世界一の水泳のインストラクターなんだもん」満面の笑みで友達に言うリオちゃん。とても楽しそうに話す様子を見ると、よほど好きなんだろうな。

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 お迎えの時間がやって来た。いつも通り門の前で待つリオちゃん。ちょうどその時だった。向こうの方で手を振っている人影が見えた。

 「パパだ!!パパ〜〜〜」喜んでパパの所に走って行くリオちゃん。

 「いい子にしてたか?リオ」笑いながら声をかけ、リオちゃんを抱きかかえるかなでさん。その髪は少し濡れていた。今まで水泳を教えていたのだろう。

 「リリ先生、バイバ〜イ」手を振りながらリリ先生にさよならをするリオちゃんん。

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              〜海辺の家〜

 疲れたのか、すやすやとベットの上で眠るリオちゃん。その様子をドアの隙間から見ているかなでさん。そして、リビングで本を読んでいる妻のアクアさん。

 「なぁ、アクア。リオの誕生日に買うプレゼントなんだけど・・・帽子なんてどうかな?最近、暑くなってるから」

 「そうね、暑くなってきたし。帽子がいいわね」どうも、明日はリオちゃんの誕生日みたいだ。

 「それに、リオは俺に首飾りを作ってきたしな。とびっきりかわいい帽子を選ばないとな。明日は仕事が休みだし、帽子屋に行くよ」

 「そしたら私は、家でケーキを作るわ」

 夫婦はリオちゃんのために誕生日会をするみたい。リオちゃんには内緒で。当の本人は明日が自分の誕生日だと気づいてないけど・・・・・・・・・・・

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               〜次の日〜

 リオちゃんが、保育園から帰ってきて家の中を見た瞬間リオちゃんは驚いた。

 驚くのも無理がない。なにせ、家の中は多くの装飾品でいっぱいになり、看板には、〔リオちゃんお誕生日おめでとう〕と書かれた看板があった。そして、テーブルにはご馳走とケーキが置いてあった。

 「これって」

 「リオ、お誕生日おめでとう」そう言ってかなでさんに抱きかかえられたリオちゃん。

 「ごめんね、リオ。ずっと隠してて」

 「ううん、いいよママ。だってこんな素敵な誕生日してくれたもん」そう、言うとママとパパの頬にキスをした。

 リオちゃんの楽しい誕生日会が開かれた。友達の稲荷の鏡華ちゃんや、メロウのオリビアちゃん、セイレーンのレンちゃんが来てリオちゃんの誕生日を祝った。そして、プレゼントを渡す時間になった。鏡華ちゃんからはかわいい狐の置物、レンちゃんは、歌を歌い、メロウちゃんは、珊瑚のネックレス。みんなそれぞれ個性のあった。プレゼントを渡した。そして最後はリオちゃんのパパとママからだ。

 「さぁ、リオ。パパからのプレゼントとママからのプレゼントだよ」そう言って大きな箱と小さな箱を渡した。

 「ありがとう」喜んで小さな箱を開けるリオちゃん。中に入っていたのは本だ。

 「この本・・・・・ママがいつも読んでる本だよね?」そう、言ってママに言うリオちゃん

 「ええ、そうよ。その本は、私達シービショップにとって大切な本なの。大事に持っておいてね」

 「うん♪♪」

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