「う〜〜ん。いい服が無いな・・・」クローゼットから取り出す服を吟味しながら言う茜。
「困ったな・・・特攻服とジャージしかないよ。そうだ!!」バタバタと1階に行き洗濯物を干している母親こと美島 佐奈(みじま さな)の元に行く茜。
「母さん!!なんか、服持ってないか?明日でかけるだけどさ」恥かしそうに言う茜
「あら、茜ちゃん。明日どこか行くの?そしたら待っててね」そう言うと箪笥から取り出したのは・・・。
「これは、あたしが良く着ていた『朱雀の刺繍が入った特攻服』よ。後は、メリケンサックに釘バット・・・あら、このバットはダメだわ。血で腐食してるわ」箪笥から色々出してはいけないような物が出てきた。
「いや、母さん・・・。喧嘩しに行くんじゃないから。その、なんだ・・・甲くんと一緒にデートなんだよ」
「甲くんとデートなの!!いやだぁ〜。お母さんたらてっきりどこかに殴りこみに行くのかと思ったわ」急いで、バットと特攻服を箪笥に入れる。
「でも、困ったわ。あたしそこまで服を持ち合わせちゃいないから・・・そうだわ、お小遣いを多めに渡すから服でも買ってきたらいいじゃないの」喜びながら言う母親。
「でも、あたしファッションセンスなんてないし。何を買ったらいいのか分からないし」
「そう言うときは、この雑誌よ」母親がそう言うと茜に渡したのは・・・
「これは!!」
『少女雑誌〜ロリータファッションへの道〜』
「この雑誌を読んで、服を選ぶのよ!!」
「こ・・・この本・・・」一枚ページをめくるとふりふりの服装に可愛らしいロリータ魔女がウインクしながら決めポーズをしていた。
「これで、あなたも立派なロリータよ!!」親指を立てて言う母親。
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〜学校の屋上〜
「むむむ・・・わからねぇ。なんだこの子悪魔ファッションて!!」頭をくしゃくしゃにしながら言う茜。
「姉御!!何してるんスッか?」屋上で唸りながら悩んでる茜を見て声をかける藍。
「藍か・・・なんだ。今度、甲くんと一緒にデートするんだけどよ可愛い服があんまり無いから買おうかなって思ってな」
「なら、いつも姉御がきている特攻hブベッ」物凄い勢いで殴られる藍。
「俺の周りの奴らは何でこんな奴らばっかりなんだ・・・」頭を抱え込んで悩む茜。
「何、悩んでるんですか?茜さん」後ろから不意に声をかけてきたのは甲であった。
「甲くん!?いや・・ほら、今度甲くんと一緒にデートするだろ。そのときに、選ぶ服がなかなか見つからなくてな」
「茜さんは、何着ても似合うよ」
「//・・・そんな、甲くんったら」
「だから、そこまで悩まなくてもいいよ」微笑む甲。
「わかった。甲くんが言うならあたし服なんてこだわらない」
「うん」
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〜次の日〜
待ち合わせ場所で、立って待っている甲。腕には時計をして待っていた。そして、時計を見ていた。
「甲く〜〜ん。待った?」遠くの方で茜の声が聞こえ前を向くと・・・
朱雀の刺繍が入った特攻服とメリケンサック。胸にはさらしを巻いていた。
「茜さん。今日は、服でも買いに行こうか?」初めて甲が自分の意見を否定した日になった。
その後、警察に尋問されたのは言うまでも無い。
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