自警団隊長昇格試験1 〜始まりは突然に〜

 
 ここは、タイラント家の庭。多くの自警団たちが集まっていた。

 「これより、自警団隊長昇格試験を行う!!」団長のアルドラドが団員達に向かって言った。

 「いよいよだな・・・これで俺も、隊長だ!!」張り切るエスポジオネ。持っていた剣を鞘から取り出し意気込む。

 「まだテストしてないよ・・・はぁ〜なんか心配だな・・・・」エンジェルのサイントがため息をつきながら言った。

 「ふうむ・・・まさか自分が隊長候補になるなんて・・・」驚いているベルガン。

 「肩の力を抜くのじゃベルガン。いつも通りやれば大丈夫じゃ」ドラゴンのルシィルがベルガンの肩を叩きながら言った。この人が隊長に推薦したんだけどね・・・・。

 「ふうむ・・・まさか自分が残るとは、人生何が起こるかわからないな。フィオナ」和服を着て、妻に話し掛ける隼空。

 「そうね、あなた・・・ここまで来たら隊長になりましょう!!」ダークブリーストのフィオナ。

 各、テストに望む団員達。その目には、闘志があった。

 「自警団隊長昇格試験は、これで最終試験とする!!だが、この課題で隊長昇進とはいかないが、推薦権を持つ各隊長の心証、及び隊長試験における評価へ与える影響は大きいからそのつもりで」副団長のアランペルセウスが試験を受ける者達への説明をする。

 「そして、最終試験の課題はこの転移装置の行く先にある」そう言うと、団長の後ろに転移装置は3つの転移装置があった。

 「これより、順番を決める。各団員は、この箱から紙を取り書かれた番号の転移装置に入りなさい」ミリュームが白い大きな箱を取り出してきて、エスポジオネ・ベルガン・隼空の順番にくじを引いていった。

 「俺たちは、2番か・・・」

 「私たちは、1番だね」

 「俺は、3番か」

 「皆それぞれ、引いたな・・・そしたら、皆の健闘を祈る!!」転移装置に行き消える団員達。その様子を見る各隊長達。

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            1番・森林エリア

 「さて、ここからどうしたものか?」あたりを見回す隼空。

 「えぇ・・・でも、何か殺気が感じるわ・・・」あたりを見るフィオナ。そして、木に手ついた瞬間だった。

 「あぶない!!フィオナ!!!」

 「え!?キャ!!」フィオナを突き飛ばす隼空

 「危ない所だったな・・・・」

 「どういうこと?」わけがわからないまま隼空を見つめるフィオナ。

 「これを見ろ・・・」そう言うと、フィオナが立っていた位置に小さな針が打ち込んであった。

 「これには、殺傷能力がないが一時的体が麻痺する毒が仕込まれてある」

 「気づかなかったわ・・・・」

 「ここの森には、いくつかの罠が仕込まれているな・・・しかも、ゲリラ戦用の・・・・」ここまでいい終えると、森の中から見に覚えのある女性の声が聞こえてきた。

 「なかなかの洞察能力だな。隼空・・・・」その声は、間違いなくギルタブリルのロゼリア・B・グラナスの声であった。

 「今回の試験は、この森の中にいるあたしを捕まえる事。その代わり、この森にはミギーとあたしが考えた特別の罠がいっぱい仕掛けられているわ。その、罠を潜り抜けて私を捕まえるのよ」そう言うと、声が途切れた。

 「厄介な試験だな・・・・」一通りの試験を聞いて頭を抱え込む隼空。
 
 「でも、この試験をやらないと隊長にはならないわよ・・・」

 「そうだな・・・・じゃあ、先に進むか・・・」そう言うと、森の置く深くまで進んでいった。

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             2番・草原エリア

 「いや〜。風が気持ちいいな」大きく伸びをするエスポジオネ。

 「本当・・・・気持ちいいわね」微笑むサイント。

 エスポジオネ達がいるところは、周りには何もなくあたりを見回しても緑一面の草原であった。

 「そう言えば、課題はなんだろう?」

 「そうだな、この草原には俺たち以外だれm・・・・・?あれは、なんだ?」エスポジオネが遠くのほうで何かを見つけた。それは下半身が馬で、黒いフードをかぶった者だった。

 「もしかして・・・・アニーさん?」サイントが言った瞬間、一人だったアニーが一気に増えたのだ。そして、そのままエスポジオネの周りを取り囲むアニー・・・

 「「「こんにちは、あなた達の課題はこの中から本物のあたしを見つけてね」」」周りにいるアニー達がが一斉に言った。

 「まじかよ・・・・」

 「この中から、本物のアニーさんを・・・・・」空いた口がふさがらないサイントとエスポジオネ。

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