「まさか、茜さんのお弁当を食べて倒れるなんて・・・今度茜さんにご飯の作り方を教えよう・・・」お腹を擦りながら街を歩く甲。昨日、茜が作ってきたキンピラ?を食べて意識を失ったのだ。
「ん・・・あの子何してるんだろう?」甲が不思議そうに見たのは、うろうろして今にも泣きそうな黒い服を着た少女が地図を片手にうろうろしていたのだ。
「あの、どうかしたの?」心配になり声をかけた甲。だが、声をかけられた少女はいきなり知らない人に声をかけられたため余計に泣きそうな感じであったが、こちらを向きしどろもどろに言った。
「あの・・・このケーキを買いに来たんですけど・・道に迷って・・・知りませんか?」半分泣きそうなくらい言っている少女はおどおどしながら甲を見つめた。
「ケーキ屋ですか?・・・・あぁ。あのケーキ屋なら反対方向ですよ」そう言うと少女の持っていた地図を貸してもらい道を教える甲。だが、道に迷い挙句の果てには知らない人に声をかけられ最早パニックになっている少女。
「あ〜良かったら、此処のケーキ屋まで道案内しますよ」甲が言うと少女は満面の笑みでコクコクと頷いた。そして、ケーキ屋に向かい少女と甲は歩き始めた。
その後ろから、忍び寄る影。まだ気づかない甲と少女。
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「ありがとうございました」
ケーキ屋の中に入り、チーズケーキとショートケーキを2つずつ買った少女。甲も茜のお土産にとアップルパイとチョコレートケーキのホールを買った。
「本当にありがとうございます。助かりました・・・あの、そう言えばお名前は?」少女がケーキの事で頭がいっぱいで名前を聞くのを忘れていた。
「僕の名前?僕の名前は、矢島 甲。町内高校の2年生です。あの、あなたの名前は?」
「ふぇ・・・あたしの名前?名前は真闇。あの・・・よろしくお願いします」綺麗にお辞儀する真闇。
「こちらこそよろしくおねがします」同じようにお辞儀する甲。
「はい。お陰で、彼が好きなケーキが買えました。本当にありがとうございますわざわざ、こんな所まで道案内をしてもらって」
「いえいえ。僕も、茜さんの好きなアップルパイとチョコケーキが買えたんでちょうどいいですよ」
そう言いながら二人は話し始めた。そして、ちょうど二人が別れる分かれ道まで来た所で後ろから見知らぬ男がいきなり甲と真闇の背中にナイフを突きつけた。驚く二人は後ろを振り向こうとしたが男は低い声で「騒ぐな・・・前にある車に乗れ・・・早くしろ!!」そう言うと、甲は頷き車に乗った。続いて真闇も車に乗る。
「なに・・・なんなの・・・」泣きながら言う真闇。
「君達は何者だ?」静かに言う甲。その問いにガンを飛ばす運転している男。
「ごめんね〜。ちょっくら、餌になってもらうよ!!」そう言うと後ろにいた男が白い布を二人に当てると力無く倒れこむ真闇と甲。
「よし。出せ」助手席に座っていた男が言った。
そして車は走り出した。そして、その一部始終を見た町内高校の藍の舎弟アカオニの由美とアオオニの吉見
「これ、やばくねぇか・・・」そう呟く由美
「不味いわね・・・あたし、あの車を尾行するから由美は藍の姉御に連絡して!!」そう言うとバイクをふかせ車を尾行する吉見。
「分かった!!気をつけるんだよ!!さてと・・・」そう言うとジーンズのポケットから携帯を取り出して電話をかけた。
「(pi・・pi・・pi)藍の姉御すか!!大変っす!!甲の兄貴が・・・」
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「う・・・う〜〜ん」重い目蓋を開けると目の前には木刀と鎖、バットに刀まで持った男達がテーブルの所でトランプをしていた。甲に気づいた男が不敵な笑みを浮かべてこちらに近づいてきた。
「いよ〜起きたかい。ねぼすけちゃん・・・」リーダ各であろう男は笑いながら甲の所へやってきてそう言った。
「僕達をどうするんだ?」ロープでぐるぐる巻きにされている甲。真闇も一緒で恐怖のあまりむせび泣きをしていた。
「決まってるだろ!!餌だ餌!!お前の彼女、美島 茜をおびき寄せるためのな!!」
「茜さんを・・・・」
「そうだ!!てめぇの彼女が俺の弟をボコボコにした恨みだよ!!弟は、町内高校の女子といちゃいちゃしようとしたときにお前の彼女にボコボコにされたんだよ。もう少しで、童貞卒業だったのによ!!」甲はだいたい予想はできた。この弟が、無理やり女子を犯そうとした時に茜さんが助けたんだろうな。
「と言うわけだから、てめ
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