キーンコーンカーコーン
4時間目の授業の終わるチャイムがなり茜と一緒に屋上へと行く。甲の手に青色の袋があり茜の手にはピンク色の風呂敷がある。なぜこんな事をしているのかそれは、昨日の会話の中である。
=====================================
〜昨日の昼休み〜
甲と茜の高校はお弁当持参である。もちろん、コンビニや購買で売ってる物でも一向に構わないのだが、ふと甲は思った。
「茜さん。いつも焼きそばパンだけど飽きないの?」僕の目の前で焼きそばパンを食べる茜さん。なぜか、舎弟の人が毎日焼きそばパンと牛乳を持ってくる。
「え!!だってパシッていつも持ってくるからこれ食べてるんだけど・・・」
「茜さん。いくら、パシリが持ってきた焼きそばパンだけじゃ栄養バランスが悪いよ」ため息をつく甲。
「でも、甲くんと一緒なら私、焼きそばパンだけでもいいよ」牛乳を飲みながら頬を赤らめそう言う茜。
「でも・・・そうだ!!明日屋上でお弁当食べない?」
「お弁当?」
「そう、お弁当。それだったらバランスも取れるしそれにさ、茜さんの手料理食べてみたいし」恥ずかしながら言う甲。
「あたしの手作りお弁当で甲くんと二人っきりの食事・・・・屋上・・・そして」
=====================================
〜茜の妄想〜
「茜、頬にご飯つぶがついているよ」
「え・・・やだ恥かしい・・・」
「茜はおっちょこちょいだな・・・ほら、とってやるよ」
「待て!!そんな、二人っきりでそんな恥かしい事・・アアーン」
=====================================
「うへへへ・・・」
「あの・・・茜さん?」茜の顔が涎だらけになってにやけてる姿を見て心配になる甲。
「よっしゃああ。そうと決まれば今から弁当作りじゃ!!」勢いよく椅子から立ち上がるとそのまま教室を出て家に帰る茜。
その様子を、ただただ呆然と見る甲であった。
=====================================
〜美島家・台所〜
「よ〜し。甲くんのために作るぞ」そう言うと、台所に立ち人参を手刀で切っていく。
「さてと、次は牛蒡だな」綺麗に牛蒡を洗いこれまた手刀で切っていく茜。その調子でどんどんおかずを作っていく茜。
「よーし。お!!そうだ隠し味にこれをいれようっと」
=====================================
屋上には、人も魔物居なかった。甲と茜の二人きりの空間だ。
「本当に誰も居ないんだね・・・」甲が思ってた以上に人の居なさに不信感を憶えた。
「本当だね。そしたら、お弁当食べようか♪♪」そう言うとピンクの風呂敷からお弁当箱が出てきた。茜が中を開けるとそこには、カレーのようなドロドロとした物がお弁当いっぱいに詰められていた。
「あの〜茜さん。これは何ですか?」
「きんぴら♪♪」
「きん・・・ぴ・・・ら・・・」
「はい。甲くん。あ〜〜ん」箸できんぴら?みたいな物を甲の口近くまで持ってきた。
(これは、きんぴらなのか・・・いや、きんぴらだったのかもしれん。だが、僕が持って来ようと言ったんだから食べないと悪いし・・・それに茜さんを傷つけてしまう・・・ええいままよ!!)
パクッ
モグモグ・・・バリボリガリ・・・・
ルー状なのになぜか固い物を噛む音がする。噛んでいくうちにどんどん意識が遠くなりそのまま意識がなくなった。
「甲くうううううんんんん!!?」
[5]
戻る [6]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録