洞の穴にはミノタウロスが

現在地-草原-街道

「左♪左♪左には〜♪牛の怪物ミノタウロス♪面白そうだから行ってみよ〜♪」

うん、こんな始まり方で悪い。

歌ってみたがこれは無いな。

「さぁて、この分かれ道だな」

この分かれ道を左に曲がるとミノタウロスのいる草原か…いやー、楽しみだな〜。

俺は迷わずその分かれ道を左に曲がった。

それにしてもこの世界は飽きないな…いろんな魔物の女がいるみたいだし倉庫にあったみたいに自分で図鑑を作るのもいいかもな。

今まで出会った魔物は、ドラゴンにワーウルフ…あのフェルナードって町では結構色んな魔物がいたな。

ワーキャットにハーピー…リザードマンもいたし。

あれ?でも女なんだからリザードウーマンなんじゃないのか?

「まあどっちでもいいか」

親魔物領と反魔物領があるみてーだけど俺は断然親魔物派だな。

「左♪左♪左には〜♪」

さっき自分で考えた歌をもう一度口ずさんでみる。

空は青くいい天気だ。

この草原を抜ければこの国の首都への近道らしいし、このままなら一気に行けそうだな。

そういやあのドラゴン、今頃何処で何してっかな?ワーウルフはまだ眠ってるだろうけど。

以外と俺を追っかけてきてたりしてな。

なーんちゃって。

…ってアレ?

何時の間にか街道から外れて周りが荒野と草原の混じったっぽい場所なんですけど…。

どうなってんだコリャ?

もしかして…地図が間違っているのか!?

そう思って慌てて地図を確認する。

全く、確かにこの草原の少し向こうは荒野だけどもう少し正確に地図を作ることは出来なかったのかね。

仕方が無い…えっと、首都は西にあって荒野は少し南側だから…北西に向かえばいいのか。

北西は地図だと左上…つまり左前方に進めばいいのか!(バカ)

ほいじゃ行くか。




現在地-草原と荒野の間-洞穴

sideミノタウロス

「ふぁ…」

あ〜!よく寝た!

「よっしゃ!目が覚めたぜ!」

新しく見つけたアタシの住処は草原と荒野の間にあるい岩場の洞穴だ。

近くに立てかけておいた鉄造りの戦斧を肩に担いで立ち上がると、手首に付いている枷についている鎖がジャラリと音を立てる。

最近この近くの草原に行って通りかかる男共に勝負を挑んでるけど大したことの無い奴等ばかりだ。

犯してやろうとしたけど必死こいて逃げるから犯せれなかった…チッ。

今日は強そうな奴見つかるかねぇ?

とにかく草原に行かない事には始まらないし行ってみるとするかね。

そしてアタシが洞穴から出ようとすると…

「ん?」

「おろ?」

一人の男とかち合ってしまった。

男の姿は短い黒髪に黒目、ジパング風の黒服を身に纏っていた。

「えっと…」

男はアタシの姿をジッと見ている。

うん決めた。

「今日の獲物はアンタに決まり!」

そう言ってアタシは手に持っている戦斧を振り下ろす。

「はっ!?ちょ、いきなり!?」

しかし戦斧はガキッという音と共に動かなくなる…?

?マークを頭の上に浮かべてゆっくり上を見上げるとそこには…

あまり大きくない洞穴だったので、洞穴の天井に突き刺さっていた。

「おっと、失敗失敗…」

柄を強く握って引っこ抜こうとするけど中々抜けない…!

「う〜!ぬ、抜けない〜!」

ガリガリ音はするけれど…頑張っても頑張っても抜けない…!

「………お邪魔しました」

って一人で色々やってたら男が出て行っちまった!?

「ちょっ!ま、待っておくれよ!」

今度は捻ったり一回押してみたりしてみるがまだ抜けない…!

「ふぬ〜!でりゃ〜!ぬあ〜!」

だ、駄目だ…抜けない…。

くっそ〜!このままじゃ終われない!

「絶対に追いついてやる〜!!!」



現在地-草原と荒野の間-洞穴近く

sideセン

俺はちょっと休憩しようと思って見つけた洞穴に入ろうとしたら…

ま、まあ頭に角みたいな物を付けてて、下半身が獣のように茶色の毛が生え、蹄もあり、手首には鎖付きの枷を付けた女がいた…。

いきなりの事に戸惑っていると急に斧を振りかぶったので回避しようとしたら…まあその…斧が洞穴の天井に引っ掛かり、突き立った。

しかもそれが抜けないときた…。

多分アレがミノタウロスなんだろうけど興ざめだから逃げてきちまった…。

ま、いいや、次行ってみよう次。

「ちょ、ちょっと待ったー!」

俺が暫く足を進めていると後ろから声をかけられる…声からしてあのミノタウロスだな。

「どーした?斧は抜けたのか?」

振り返ると、そこには肩で息をしながら斧を杖代わりにして立っているさっきのミノタウロスがいた。

「何の用だよ?」

「ハァ…あ、アタシ…ハァハァ…あた…ハァ…アタシと…た、戦え!ゲホッゲホッ!」

…。

「さい
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