不屈の大勇者

不屈の大勇者と呼ばれる者がいた。



彼は親魔国家や魔物達を積極的に受け入れている中立国家に対し、幾度となく破壊工作や妨害工作をしていた。
そのほとんどが失敗に終わっているが、彼が行った回数はすでに百を越えており、教団の神官達は人々に彼のように不屈の精神を持つようにと教えるほどである。


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とある親魔国家
この親魔国家では子供達の学力向上と魔物娘の子供達に一般常識を教えるための施設、保育園を設立しており、子供を送り迎えをするための送迎馬車が毎朝園児達を迎えに行っていた。
そして今園児達を全員乗せ、保育園へと馬車が向かっているのだが………。

ゴトゴトゴトゴト
ホルスタウロス「みなさ〜ん。もうすぐ保育園に着きますよ〜。」
園児達「はーい。」ヽ( ・∀・)ノ
ホルスタウロス「では、荷物を持って降りる準備を…」
ゴトゴトゴ…ト……ゴ………ト
ホルスタウロス「あら?あなた〜、どうしたの〜?」
ホルスタウロスの夫「いや、それが…人が倒れているんだ。」
ホルスタウロス「ええ!!大変!みんなはここにいて。先生はちょっと様子見てきます。」
ホルスタウロスの先生は不安がる園児達をなだめると、
夫と一緒に倒れている人間の所へと駆け寄る。
ホルスタウロス「大丈夫ですか!?」
ホルスタウロスの夫「脈はあるし呼吸も安定してる。血が出てない所をみると、怪我はしてなさそうだ。」
ホルスタウロス「取り敢えず私は近くのお医者さんの所に…あら?」
ホルスタウロスが医者を呼ぼうと駆け出し始めた時、倒れている人間の手から何かが転がる。
ホルスタウロス「何かしらこれ?」
ホルスタウロスの夫「……玉?」
二人が玉に気をとられていると…

ボフン!

ホルスタウロス「きゃ!」
ホルスタウロスの夫「わぁ!」
突然玉が破裂し煙が二人を包み込む。煙を吸い込んでしまった二人は倒れるようにして眠ってしまい、逆に倒れていた人物はゆっくりと立ち上がった。
勇者「ふふふ、少しの間眠って貰おう。」
彼は眠った二人を道路脇の木に横たえると園児達のいる馬車へと向かった。


それから少したって。


親魔国家、兵舎
ここでは国の治安維持と侵略してくる教団兵から国を守るために兵士達(主に魔物娘)が訓練をしていた。そしてこれから城下町の巡回をしようと隊長のデュラハンが準備をしていると。
タッタッタッタッタッタッ
サラマンダー「大変だ隊長!保育園の園児達が誘拐された!」
デュラハン「何だと!」
リザードマン「送迎していたホルスタウロスの夫婦が何者かに眠らされて、その隙に誘拐されたそうです。」
デュラハン「他に情報は!」
サラマンダー「ホルスタウロスの夫婦が、起きたらこんな紙がにぎらされていたって。」
デュラハン「犯人からか、読んでくれ。」
リザードマン「えっと、『園児達は預かった。返してほしいならここにこい。都合が悪ければ連絡しろ。因みに雨天中止だ。不屈の大勇者より』だそうです」
デュラハン「それだけか?他に要求や命令は?」
リザードマン「え〜っと、あっ有りました『親御さんには夕方5時には帰らせますと伝えておけ』、と。」
デュラハン「くっ、不屈の大勇者か。」
サラマンダー「どうします隊長?」
デュラハン「決まっている。すぐに向かうぞ!」
サラマンダー
amp;リザードマン「はい!」


とある草原


勇者「フッフッフッフッフッ良く着たなお前達」
デュラハン「ああ、来てやったぞ。要求はなんだ?」
勇者「要求?そんなものはない。お前達を呼んだのは他でもない、これを見ろ!」
勇者が後方を指差すとそこには…
デュラハン「なっ、何だこれは!」



園児達「わーい」「おいしー」「すごーい御菓子の家だ〜」
園児達が沢山の御菓子に囲まれてはしゃいでいた
サラマンダー
amp;リザードマン「………。」
勇者「フフ、言葉も出ないか。」
デュラハン「くっ、何が目的だ!」
勇者「彼らはまだ子供、自制することを知らない。故に御菓子の食べ過ぎで虫歯になることを、ましてや今日のお弁当が食べれなくなることなど微塵も考えていないだろう。そしてこのまま、御菓子ばかりを食べ続け、虫歯になり、やがては死に至るだろう。」
サラマンダー「わー、なんておそろしいけいかくだー」棒読み
リザードマン「おまえには、ちもなみだもないのかー」棒読み
勇者「ふははは、何とでも言うがいい。私は勝つためならば手段は選ばん!」
デュラハン「くそう、どうすればいいんだ!」
勇者「アーハッッハッハッ「お兄ちゃん。」ん?何だ?」
魔女「プリンのおかわりちょうだい」⊂(゚∀゚ )
勇者「御菓子の家の冷蔵庫の上から2番目の所にあるぞ。」
魔女「わーい」(*´∇`*)
勇者「さてと…、では貴様らにはここでご退場願お「お兄ち
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