破天荒のあだ名を持つ大勇者がいた
彼は剣や槍といった武器の類いはもちろんの事、防具の一つも持たず、己の肉体のみで魔物娘達と戦い続けている前代未聞の勇者として名を挙げており、すでに何十人もの魔物娘が彼の手にかかっているという。
そして今、彼を倒すべく、三人の魔物娘が彼の前に立ちはだかっていた………
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
とある草原
リリム「あなたが破天荒と言われている大勇者ね。」
勇者「ほぅ、リリムか、初めて見るな。私を倒しに来たのか…」
デュラハン「私達も居るのだがな。」
バフォメット「無視しないでもらいたいのぅ。」
勇者「すまないな、デュラハンとバフォメットは一度戦った事があるのでな。」
デュラハン(はったりでは無いな)
バフォメット(ワシらを前にして冷や汗一つ掻かんとはな)
リリム「その口ぶりからして。本人のようね。」
勇者「いかにも、私がその大勇者本人だ。それで?誰からかかってくるのだ?」
バフォメット「まずはワシから相手しようかの。」
そう言ってバフォメットは前に出つつ、手に愛用の鎌を召喚する。
勇者は背負っていた袋を草原から離れた木の近くに放り投げる。
バフォメット「ではゆくぞ」
勇者「こい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
戦い始めて数分後………
バフォメット(全く、どう鍛えたらああなるんじゃ?)
戦いは一方的であった。それも当然である、彼女は勇者の手が届く範囲の外を浮いており、
そこから様々な魔法を撃ち込んで居るのだ。必然的に勇者は打つ手が無くなる。しかし、
バフォメット(炎魔法を撃てばドラゴンのブレスよりも生ぬるいと言い、氷魔法を撃てば氷の女王の吹雪よりも暖かいと言いおる。他の魔法を撃っても同じような反応しよるし、全くどうしろというんじゃ。)
打つ手が無いのはバフォメットも同じであった、魔法が効かないのではどうしようもない。自慢の鎌も効くかどうか怪しいほどであるし、何より、わざわざ相手の距離で戦ってはこちらが痛い目を見るだけである。
バフォメット(鋼の筋肉とは言うがあれでは鎧といった方が正しいのう………ん?、鎧………)
そこまで考えてバフォメットは思い付く。
バフォメット(そうじゃ!外が駄目なら中からと言うではないか!)
バフォメットは一旦魔法を止める。
勇者「どうした。もう魔力切れか?」
そう言いながら見上げる勇者だが、身に纏っていた服はあちこちが破け、ぼろ雑巾のようになっていた。
しかし、その肉体には多少の汚れが着いているだけで、かすり傷一つ、ついて居なかった。
バフォメット「ぬふふ、お主、テンタクルと戦った事はあるかの?」
勇者「いや、残念ながらまだ無いな。」
バフォメット「では、その予行練習といこうかのう。」
そう言ってバフォメットが手をかざすと……
勇者「!?」
勇者の周りを無数の触手たちが取り囲んでいた。
バフォメット「いやぁ、ちょうどワシのサバトの近くに触手の森があってのぅ、そこから何百本か持ってきてやったぞ。」
バフォメットがそう喋っている内に勇者の姿は触手の渦の中に消えていた。
バフォメット「そこで穴という穴を開発してもらうとよいぞ、三日三晩かかると思うがな。ぬわっはっはっはっー。」
バフォメットは勝利を確信し高らかに笑う
バフォメット「はーっはっはっはっ」
勇者「テンタクルと戦った事は無いが、」
バフォメット「はっーはっはっはっ、ハッ!」
バフォメットは驚愕する。聞こえるはずのない声が聞こえ、あまつさえ、
勇者「触手の森で七日間過ごした事はあるぞ。」
自分と同じ目線に立って居るのだ。
バフォメット「バカな、どうやって……、なっ!」
いや、勇者は立っていなかった、勇者は自分のアナルを開発しようと突っ込んできた太い触手を尻に挟むことにより宙に浮かび上がったのである。
勇者「フン!」
彼は尚もアナルに入ろうと突っ込んでくる触手を足で切り離し、もう片方の足で触手を足場にバフォメットに飛び掛かる。
バフォメット「くっ!」
あまりに予想外な展開に反応が遅れ、防御魔法を使えずに鎌で防ぐはめになるバフォメット。
だが防御に使った鎌は彼の繰り出す手刀により柄がひしゃげ、衝撃によりバフォメットは地面に墜ちる。
バフォメット(不味い、下には触手が!)
自分の出した触手にヤられる訳にはいかないと、バフォメットは姿勢を整えつつ、触手達を元の森へと送り返す。
バフォメット(これで一先ずはあんs)
勇者「安心するにはまだ早いぞ。」
バフォメット(しまっ)
勇者「あーたたたたたたたたたー!」
バフォメットが姿勢を整えたため空から落ちてくる勇者に追い付かれてしまい、勇者からの攻撃をモロにくらい飛ばされるバフォメット。
リリム「バフォメット!!」
デュラハン「くっ!」
デュラハン
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