【Middle After】後ろで感じる!?夢の発明

 とある古城。
 薄暗い部屋の中で、幼い少女がひとり、困惑していた。

「ば…バフォメット様。この道具に、本当にそのような価値があると…?
 ただのジョークグッズのつもりで作ったものですよ?」
「確かにわしらのような身体では、ありがたみも薄かろう。
 じゃが…これは間違いなく、多くの魔物娘にとって福音となるぞ。
 次回の黒ミサでの表彰は当然として、そなたとお兄ちゃんの功績は、全てのサバト…いや、この世界の歴史に永遠に刻まれる事となるじゃろう。
 わしは、そなたらのような素晴らしい魔女とお兄ちゃんを誇りに思う」
「そんなに!?」


 世界のどこかのサバトで、そのようなやり取りがあってから、およそ一年後。
 同じく世界のどこかの市場で、この夫婦がその道具を手にしていた。


「ついに!手に入れたぞーッ!!」
「大喜びしてるとこ悪いけど…それ、本当にそんなスゴイもんなのか?
 いまいちよく分からないんだよなぁ…」
「なに言ってるの!これがあれば、私でもアレができるんだよ!?
 この…『どこでも☆アナまんリング』があれば!!」
「…その名前のせいで、スゴさが頭に入ってこないんだよなぁ。
 ていうかルフィア、そんな名前なのによく普通に言えるよな…」

 さすがに今ではこの名前は改名されているが…読者の方々の多くが知っているように、この魔道具は発売されて早々、発祥となった国中の魔物娘カップルの話題をさらい、増産のうえ隣の国へ輸出、さらに隣の国へ…と、またたく間に世界中へ広まった。
 世界はおろか、一国全体に広告を届ける事も困難だった時代に、である。
 幾人かの耳聡い商人は、この魔道具で屋敷が建つほど大儲けし、それらの屋敷はアナまん御殿などと呼ばれたとか…それはさておき。

「さ!さっそく宿屋さん探そっ!」
「あの遺跡はいいのか?」
「だって、どこのお店も売り切れ売り切れで、半年探してようやく買えたんだよ?
 もう我慢できない。一日中堪能するの!」
「わかったわかった。はしゃぎすぎだって…」

 そう言いつつも、ルフィアの喜びぶりを見ていると自分も嬉しくなるグレゴリー。
 ふと目をやると、自分達の後にも、同じくリングを手に入れたカップルが喜びながら、さっそく夜を過ごす場所を求めて市場から去っていっている。
 いい宿を取られてはたまらないとばかりにルフィアに手を引っぱられ、宿屋を求めて町へ向かうのであった。



 そして、宿。
 魔物娘の経営する所で、値段のわりに防音や風呂場なども完備された一室。
 はやる気持ちの中、二人はいつものようにベッドの縁に腰かけ、服を脱いでいく。

「そして…これを、私のお股に貼り付けます♪」

 取り出したるは、先程買ったリング。
 リングといってもいわゆる指輪等ではなく、ひも状で柔らかいものだ。
 ルフィアは手で形を整えながら、自身の性器を囲うように貼り付ける。
 魔道具であるため、糊などではなく、ルフィアの体表の魔力によって吸着する仕組みになっており、ゆえに激しく動いてもはがれ落ちることはない。

「よい…しょっと」

 続いてルフィアはベッドに手と膝をつき、四つん這いの体制になる。

「それじゃあ次は、レッくんがうしろに貼って♪」
「え…オレが?」
「だって自分じゃうまくできないし…あ、上下は間違えないでね?」

 青い鱗で余すところなく覆われたお尻を突き出して、くねくねと艶めかしく揺らす。
 こんな事は滅多にしないルフィアだが、ずっとやりたかった事がついにできるというだけあって、テンションが上がっているのかもしれない。

「えっと、こう…か?」

 鱗に覆われているはずなのに敏感な魚体は、夫であるグレゴリーの指が軽く触れるだけで、刺激に反応してぴくぴくと震える。
 その反応に色々な意味で悩まされながらも、グレゴリーは胸と同様に肉付きのいいお尻の中心に、そっとリングを貼り付けていく。
 しっかりと吸着したことを確認してから手を離すと、リングの内側の空間が一瞬ぐにゃりと歪み…次の瞬間には、ルフィアの膣口と肛門がそこに現れた。
 リングにかかっている魔法で、リングの中の鱗と性器の位置が入れ替わったのだ。
 ヒトが四つん這いになった時と同じく、上が肛門、下が膣である。

「ど、どう…?ちゃんと“そっちに移ってる”?」
「ああ…しっかり見えてる」
「やった♪これで…
 
 レッくんに、うしろからお尻を突いてもらえる!!」

 実際、このルフィアの言葉がすべてなのだが、ここで改めて説明しよう。
 まず、ルフィアのようなマーメイドには本来両脚がなく、腰から下は根元からひとつに繋がっており、そして女性器や肛門は体の前面についている。
 つまり後背位や座位といった、背後から挿入する体位ができないのだ。
 『人化の魔法』
[3]次へ
ページ移動[1 2 3 4]
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33