〜小学生時代〜
『しょう来のゆめ』 2年3組 間田 出一(けんた いでいち)
ぼくのしょう来のゆめは、ショッキンに入ってせかいせいふくをすることです。
スゴレンジャーやかめんグライダーにまけないつよいぐんだんを作って、
1ばんえらくなってせかいせいふくをしたら、わるいことはやめて、
ぼくだけの王こくをつくて、みんなをせんそうしないようにして、
せかい中をせんそうしないようにしたいです。そうすれば、みんながしあわせです。
(以下略)
〜中学生時代〜
「き、貴様ッ…俺を、かの黒竜王の堕天転生体(ルシフェル・リターナー)
と知った上で、牙を向けるのか?」
「うるせーよ。何が黒竜王だよ、気持ち悪い。」
「さっさと出せって。持ってんだろ?かつて世界を影で支配してたんだから(笑)」
「ふん、貴様等のような狂神(マルダ)に魅入られし者などに…ぐッ!?」
「はいはい、そんなのいいから。これ以上パンチ欲しくないなら財布。」
「誰の命令(オーダー)も聞く気はない。禁忌の炎が無くとも貴様等など…あがッ!!」
「財布。次本気でやるよ?」
『おい!お前ら、そこで何してる!!』
「やべ!ゴリT来たぞ!」
「チッ、次ねえからな!」
「はぁ…うぅっ…。いずれ…希望と絶望が交わり、”紡がれざる時”が訪れる。
そうなれば、貴様等のような矮小な魂の持ち主など…」
「おい、大丈夫か?間田。」
「…はい。」
「…またあいつらだな?全く…怪我はないか?」
「大丈夫です。」
「おとといガラス割った容疑もあるからな。明日にでも、直接話聞いておこう。
お前は今日はもう、まっすぐ帰りなさい。」
「はい。」
「あいつらの他にも、最近色々と物騒だからな。
お前も、友達とかと一緒に帰るんだぞ。」
「……はい。」
〜ついこの前〜
「豚串四本とハツ二本。あと焼酎。」
「俺も同じの。鳥飯も頼むわ。」
「あいよー!」
「…なあ。」
「何だ?」
「世の中に疲れたことって、ないか?」
「…いきなりどうしたよ、出一?そんな事言って。」
「…最近さ、俺、将来どうなるんだろうなぁ…って考えちゃってさ。
結婚できるのかとか、老後とか…考えてたけど、ろくな未来が見えないんだよ。」
「そんな事ありませんって、ダンナ。まだまだこれからでしょ?」
「そうは言うけどね大将。
十年近く、馬車馬も真っ青なくらい働いてるってのに、
家どころか新車一つ買えやしないんだよ。ふざけてんのか、クソ…」
「ああ…わかりますよ。うちも20年以上やってるのに、未だにカツカツで…」
「大将もそう思うだろ?やっぱりさ、カネの配分が間違ってると思うんだよ。
俺らが必死に日銭を稼いでる横で、社長や重役はただ怒鳴り散らして。
資産家は金をあっちへやったり、こっちへやったり、ハンコ押したりするだけで
どんどん金が入ってきて…絶対間違ってるよ。はぁ〜あ…
誰か、いい方に変えてくれないかな…日本。」
「…政治家やるだけの金も学も、ごく一握りの人しか持てないもんだしな。
しかもそのごく一握りは最近みんなアレだし。
昔はよく、『俺がこの国を支配してたら、こんな事にはなってないのに〜』
みたいな妄想をしたもんだけど、現実じゃあ、ねえ…」
「現実、か…。」
「嫌な言葉だよなぁ…」
「…いつからだろう。夢とか見る余裕もなくなっちまって…
せめてもう一度くらい、英雄になるとか、国を動かすとか、何十人もハーレム作るとか…
思いっきりデカくて現実離れした夢、追っかけてみてえなぁ…。」
〜そして、今〜
「…どこまで俺を追い詰めりゃ気が済むのかね、現実様は…」
後輩がやらかした大ミスの責任の余波を受け、左遷により地方に引越し。
それから数日が経ち、ようやく主要なものの荷解きが終わった所であった。
「どうしろってんだよ…」
引越しも済んでしまい、半ば諦めかけてはいるが、愚痴らずにはいられない。
友達も、馴染みの焼き鳥屋も無いし、給料もさらに減って、その上…
自分のこれからの境遇を思い浮かべ、気持ちがどんどん暗くなる。
(…俺が、何したってんだ…
実は悪魔だったキリストと仏陀を心臓に封じて云々とか妄想したこともあったけど、
それがいけなかったのですか?神よ。それとも、本で見た聖遺物の…)
…思いがけず黒歴史を次々思い出してしまい、死にたくなってきて頭を抱えた。
「…テレビでも見るか…」
無心にテレビを見ていれば、渦巻く黒歴史も薄れるだろうと思い、電源をつけた。
『(テレテテレッテ〜ン…テレッテン!)モンスターズ・ミラクル・マーケット!』
「なんだ、通販番組か…。俺には興味も金もありません。パス!」
そう言って、リモ
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