完結編:そして夜が明ける時


「…あのさ。」
「何?」
「どうして、俺を脱がせてるんだ?」

 あの後、ラエールとイオはまたエイムの背中に乗せてもらい、彼の家へと帰り着いた。
ところがその直後、やおら寝室に連れ込まれ、彼女達に服を脱がされ始めたのだ。

「だって…私達だって、魔物なのよ?」
「お互いに好きだって事を信じられて…ワタシ達を、恋人にしてくれて…
 もうワタシ達、貴方としたくてしたくて、我慢できないんです!」

 そういえば、二人とも魔物だったんだっけ。あまりにも消極的だったけど…
などと彼が考えている内に、二人は彼の服を全て脱がし終え、自分達の服に取り掛かった。
被っていたフード、バンダナ、ローブ、ワンピース、ブラ、ショーツ…
それらを一つずつ外していき、次第に露になる彼女達の体を見ている内に、
まったくもって正直な彼の分身は、見事に固く反り返っていた。
そして…

「どう…かな?私達の、体…」

 大人になりたての女性、といった感じの顔を、羞恥で赤く染めたエイム。
フードを被るのに都合がいいように短く切りそろえられた、宵の口の空のような蒼の髪。
獣の耳は、馬の部分と同じく紫の体毛に覆われ、時折、可愛らしくぴくぴくと動く。
顔から下に目をやると、きゅっとくびれたウエストの上に鎮座する、
巨乳というより、爆乳と形容するべきレベルの、とても立派な二つの膨らみがある。
見ていると、今すぐにでも思うがままに揉みしだき、堪能し尽したい衝動に駆られた。

「…こんな異形の体でも…愛してくれる?」

 そして、やはり最も目に付くのは、どうやら彼女のコンプレックスらしい馬の部分。
だが、彼女が欠点だと嫌うそれは、彼女の魅力を損ねるどころか、
むしろ、一つの美術品のような、不思議な美しさを彼女に与え、
『これは欠点なんかじゃない』と彼は心から思えた。

「ワタシの体は…どうですか?」

 とがった耳を包み込む、艶やかな漆黒の長髪を揺らしながら、
イオはその幼くあどけない顔ではにかみながら、上目遣いでそんな事を聞いてくる。
その様は、大人のエイムと比べても、まったく劣らず可愛らしく、魅力的に見えた。

「こんなぺったんこな体は…やっぱり、嫌いですか?」

 しかし、彼女の体は、身長も、起伏にも乏しい、まさに幼い少女と言った感じの体。
手足も細く華奢で、下手に扱ったら簡単に壊れてしまいそうな、儚げな肢体。
…だが、こんな小さく、愛らしく、大人が守ってあげなくてはならないような少女は、
自ら望んで、自分の愛する男性にその体を明け渡そうとしている。
彼が受けるその背徳感たるや半端なものではなかったが、
彼女への愛情と、彼女の健気な様子が、その背徳感を、逆に性的興奮へと変えた。

「凄い…二人とも、凄く、魅力的だよ…。」

 彼のその言葉には、一寸たりとも嘘は無かった。
大人の体と、子供の体。両方の性的魅力を十二分に主張している。
女性の理想形とも言うべき、完璧なプロポーションを持っていた『ノイア』も
素晴らしく魅力的だったが、今、目の前に居る彼女達の裸体も、全く劣らず美しく見えた。

「嬉しい…。」
「良かった、です…。」

 二人は心底嬉しそうに笑いながら、ラエールに近付いてきた。

「あの…キスして…。」
「ワタシも…お願いします。」

 そして二人は顔を突き出し、頬を寄せ合い、目を閉じ、口をすぼめる。
二人の顔に浮かぶのは、無邪気な子供のように、期待に満ちた表情。
彼も、その期待に応えるべく、目を閉じ、唇を重ねる。

 最初は…イオ。

「んっ…ぷ、ちゅっ…」

 次に…エイムに。

「ふ…ちゅぅ…んふ…♪」

 二人の唇の感触と、暖かさを楽しんで、顔を離す。
しかし、こんな軽いキスでは足りないとでも言うように、
二人は目を開かず、しかしさっきよりも更に期待に満ち溢れた顔を近づけてきた。

(…そうだよな。足りないよな。だって、俺もまだし足りないし…そうだ!)

 ラエールは、手で二人の顔を更にくっつけると、
今にも触れ合いそうになった二つの唇の、丁度その境目の部分に口づけた。

「んぅぅ♪ふっ、ふ…♪」
「あう…ん、れろっ…♪」

 そのまま三人一緒に舌を絡め合い、こすり付け、時に引っ張り合う。
エイムとイオと、同時にキスをするという思いつきは、見事成功した。
その後も、片方の舌と唇の隙間に、不意に舌を潜り込ませたり、
頭を軽く掴み、ラエールの方に二人の顔を向けさせつつ、
二本の舌を口に咥え、吸ったり、軽く噛んでみたり、
二人が舌を絡ませあっている所に、わざと割って入ってみたりしてやると、
その度に二人は嬉しそうな鼻声を上げ、彼のアプローチに積極的に答えてくれた。

(ぴちゃ、ぺちゃっ、は、あ…)
(はっ、ぅ、くちゅう…ぢゅっ、ぴ…)

 …何分、そうやってい
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