宴の地

「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
男は追われていた。
腕力にも逃げ足にも多少の自信はあったのだが。
どこかの山の、どこかの洞穴。
そこでは毎日、酒池肉林の宴が催されているという。
そんな噂に踊らされて、こんなところまで来たというのに。
どどどどど。
地響きが聞こえる。
いや。
これは足音だ。
徒党を組んで現れた魔物、オークの足音。
数は3匹。
脚の早さでは圧倒していたものの、ここは彼女らの住処、岩肌のむき出しになった山岳。
逃げると言っても、かろうじてそれと判るような道以外は断崖と言っても過言ではなく。
「へへへ・・・みーつけた」
先回りされていたのだろう。前に。
「んふふ・・・おーいついた」
後ろに。
取るべき進路を完全に塞がれた。
ぎり、と、男の歯ぎしりが聞こえる。
覚悟を決めるしかないようだ。
「ぐっ・・・殺さば殺せ!」
にやり、と、目の前のオークが笑った。
それは勝利を確信した、
それは獲物を獲得した、
それは美食を前にした、
淫靡で、下卑た笑みだった。

「ぶっひっひ」
「なかなかイケメンだね」
「とっても『イキ』が良さそう
#9829;
#65038;」
抵抗もできず、彼女らの住処の洞穴に連れ込まれた。
今からでも逃げる算段を、と思わなくもなかったが、入り口は一つ、出口はなし。
目の前に立たれただけで、袋のネズミと化してしまっていた。
「ちっ・・・嬲り殺しってワケかよ・・・悪趣味な・・・」
その男の言葉を聞いてか。
「ん?」
オークたちが、怪訝な表情を見せる。
そして。
『ぶっひゃっひゃっひゃ!』
笑い出す。
「アタシらはね、別に殺そうって思っちゃいないよ」
「命は助けてやるさ・・・ま、身ぐるみ剥ぐのは確定だけど」
「『嫐る』ってのは合ってるけどね・・・ぶっひゃっひゃ」
『さて』
オークたちが一斉に男にかかる。
「抵抗するんじゃないよ」
一匹は、後ろから羽交い締めにし。
「食っちまうぞ!なんてな」
一匹はベルトを外し。
「いや、『喰う』のは合ってるだろ?」
一匹はズボンを下げた。
「・・・は?」
ようやく事態の異常さに、我に返る男。
「え、なに、ちょ」
「何って・・・」
「今から頂くのよ」
「『ナニ』を」
言うが早いか、3匹がかりで持ち上げられ。
なぜか奥にあった大きなベッドに放り投げられる。
「ぶっひっひ、一番もーらい」
一匹が、まだ萎びている男のモノをつまみ上げる。
「あ、ずるい!」
脚に伸し掛かられて動けない上に、腹の上にまで乗られ、両腕を押さえられた状態。
柔らかく温かい肉に埋もれ、身動きが取れない。
「しょうがないね、じゃ、アタシは『こっち』貰うよ」
何のことかと思う間もなく、己の下腹部を覆っていたものを取り去るオーク。
そして男の顔面を跨ぐ。
「ちゃんとシないと、ホントに食っちまうよ。ぶっひっひ」
松明の明かりをてらてらと反射する『ソコ』は、いつ準備したのかと思うほどにしとどに濡れ、既に脚伝いに、そして男の顔面に、さもマーキングでもするかのように垂れてきていた。
淫らで悪戯な笑みを浮かべるオークは、そこを見せつけるように広げる。
はっきりと言ってしまえば、見とれていた。
垂れず締まらずの程よい肉に埋もれたそれは、生娘を思わせる奇麗な桃色をしていて。
呼吸と鼓動と期待を伝えるように、ゆるやかに蠢いていた。
視界がそれに釘付けになっていると。
やがてそれは近づき。
男の口を、覆ってしまった。
「むぎ、むぐぐぐ!」
声が出せない。
頬に、顎に、淫汁が伝うのが判る。
かろうじて空気を確保している鼻は、甘酸っぱい雌のかほりで満たされる。
「んふっ、はぁん
#9829;
#65038;鼻息でお尻の穴がくすぐったい
#9829;
#65038;」
「ちょ、ちょっと!なんで先に愉しんじゃってるの!」
「こっちだって始めちゃうんだから!」
オークの尻で見えなくなっている先、男の陰部に、生暖かく湿った感触が伝わる。
陰嚢から、裏筋沿いに、カリへ。
「ん!んぐぐ!」
刺激に思わず声が漏れるも、すべてオークの肉壷に吸い込まれる。
「んっ、あっ
#9829;
#65038;その刺激いい
#9829;
#65038;」
「ぴちゃっ、ぶふぅ、いい匂い・・・んっ、くちゃっ・・・」
二カ所からの音が、刺激が、否応にも劣情を煽る。
何故か負けまいとしている理性が、かろうじて下半身の反応を拒む。
「もー!ずーるーいー!アタシも!アタシも!」
腹に乗っていたオークが苦言を吐き、押さえていた男の手を持ち上げる。
淫靡な刺激を押さえるのに精一杯で、もはや、身体での抵抗をする余裕はなかった。
むにり。
右手に、一段と柔らかく、温かい刺激。
手のひらにしこりのあるこれは。
「ね、揉んで!揉んでよ!つまんない!」
左手が向かわされた先は。
口元のそれと同じく
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