「ここが依頼人の店か?」
「場所は合っている様ですが…」
地図で示された場所に行くと周囲と変わらない建物が有った。
小さく古ぼけた看板が唯一、
この建物が鍛冶屋であることを示している…
ドアノブには営業中と書かれた札がかかっていた。
「とりあえず中に入ろうぜ」
「そうだな。話を聞かなければ始まらないし」
といってカイトがドアノブに手をかけたその時…
「うちの店になんのようだ?小僧」
その声に振り向く3人。
そこには身長2mはあるであろう男性が立っていた。
両腕はまるで大木の様に太い。
「もしかして、このお店の店主の方ですか?」
「今のガキは礼儀も知らないのか?」
先に名乗らなかったのが不服だったのだろう。
古傷がある顔をしかめる大男。
その顔にはかなりの気迫があった。
…もし客だったらどうする気だったのだろうか?
「大人しく聞いてれば…言いたい事言いやがって」
食って掛かろうとする紅をカイトは静止する。
「失礼しました。
私はステーションギルド所属のカイト・H・アスハです。
依頼を受けて此方に来ました」
自己紹介とここに来た事情を説明する。
「お前が?ギルドの一員だってのか?」
信じられないかの様な顔でカイトを睨む大男。
「こっちは名乗ったのにそっちは無視かい?
今の大人は礼儀を知らないね!!」
ここぞとばかりに先程の鬱憤を皮肉で晴らす紅。
「ガハハ!!こりゃ一本取られたな。
俺は【カヌチ】。確かに店主だ」
笑いしながら自己紹介をする。
強面に反して気さくな男性のようだ。
「俺の睨みを受けて微動だにしない小僧は初めてだぜ!!
兎に角中に入るとするか…」
そう言って店内に案内する男。
中にはいるとカヌイは3人分の椅子を用意し、
己はカウンターの定位置に座る。
「まあ、適当に座ってくれや」
そう言って3人を己と対面する形で用意した椅子に座らせた。
「まず、お前さんの得物を見せて貰おうか?」
「はぁ?なんでそんな事をする必要があるんだ。」
「さき程、ギルドの許可印が押された依頼書を見て頂いたはずですが?」
疑問を口にする精霊の2人。
「自分の目で実力を確かめないと、
俺は納得出来ない男なんだよ」
「これです」
カイトは指示通り、
腰に差した2振りの刀を目の前のカウンターに置く。
「ほう、カタナか…お前さんジパング出身か?」
「そうですが…?」
その返事を聞いて納得したのか、刀に手を出し
「お前さんが鞘から抜いてくれるか?
お前さん以外満足に扱える者は居ないようだ」
かけた手を引っ込めてカイトに指示する。
「ほう、良く分かったな?」
紅が驚きの声を上げた。
「当たり前だ。
鍛冶屋をやってれば色んな物を扱うことになる。
呪いのかけられた物なんかを持ったら最後だ」
「この刀には呪いなんか施されて無いぞ?!」
おもわず怒鳴る紅。
葵も不服そうな顔をしている。
「この武器達は俺みたいに持ち手を選ぶようだからな。」
「「!?」」
やり取りを聞き流しながら
「では抜きますね」
「おう」
カイトはいとも簡単に愛刀を抜刀する。
「このまま、カウンターに置けば良いですか?」
新たな指示をカヌイに請う。
「いや…そうだな…あれを切ってくれ」
そう言って甲冑を指さす。
…無理です。切れませんよ…普通は…
「あれ売り物ですよね?」
…それ以前に普通は斬れません…。
「なに、展示用品だ。
着るとまともに動けないし、
鉄の叩き方も甘い。
只の屑鉄さ」
カヌイはそう吐き捨てる。
自分が認めた商品しか売らない主義らしい。
「では…遠慮なく」
そう言うとカイトは愛刀を軽く振る
ヒュン
空気を切り裂く音が店内に響く。
カイトが愛刀を鞘に戻すと同時に…
甲冑に無数の線が走る…
そして
ガシャン!!
ガラガラガラ…
甲冑は一瞬で細切れになり、
残骸が虚しく床に散らばる。
そして、
甲冑を着せていた人形には傷ひとつ付いていないではないか。
「ご指示通り【甲冑】だけを斬りました」
何事も無かったような顔でカイトは言った。
…ル○ン三世の五○門か?!お前は!!
「すげえな小僧…
いやカイトだったか…
まさか甲冑だけを斬るとはな」
思わずカヌイは驚嘆の声をあげた。
「誉めても何も出ませんよ」
「俺はお世辞は言わない主義だ。
お前の実力確かに見せて貰った!!
お前らしか頼める奴は居ないだろうな…
嫌な予感がしてならないんだ…
頼む…家内を探し出してくれ!!」
そう言ってカヌイは初めてカイトに頭を下げる。
「頭を上げて下さい。
初めからそのつもりでここに来ましたから」
そう言ってカヌイの妻【リア】が行った場所を聞きく3人。
「成る程…近くの廃坑ですか…」
「ああ、うちで必要とする鉱石はまだまだ十分取れるからな」
話によるとリアが向かった場所とは
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