ヤマタノオロチとの決戦時の傷が皆癒えた頃…
といっても2週間後だが…
(魔物娘達はともかく…
海斗の治癒能力はオロチ並みだろ…
と駄作者も書いていて思います、ハイ)
「はっ!!」
「あぶね!!」
今まで白桜が居たところに木刀が空を切り裂く。
発生した風圧が風の刃となり、背後にあった木の幹に傷をつけた…
ここはいつも海斗が両親に稽古を付けてもらう時に、
使用する村近くの山林が開けた場所。
そこには白桜に稽古をつけてもらっている海斗が居た…
親父は避けるだけで精一杯の様だが…
「今日はここまでとする」
白桜が宣言する。
その宣言を受けて海斗は攻撃を止め木刀を鞘に戻した。
そして姿勢を正し白桜と向き合う。
近寄って来た白桜も姿勢を正し
「礼」
白桜の言葉で二人とも礼をする。
まるで剣道の試合の様だ。
「これで終わりですか?父上。私はまだ大丈夫ですが…」
「お前が大丈夫でも、俺の体力がもたねーよ」
そう言って額の汗を拭う。
「息子にお世辞は無用ですよ、父上」
それに対して汗ひとつかいてない海斗が答える
「お世辞じゃねえ、マジだ…
あれだけの連撃を放って汗1つかかないで平然としているお前と一緒にするな…
しっかし、俺も身体が随分なまっちまったな〜」
己の頭を掻きながら言う白桜。
「何を言うのです。父上先日野党を捕らえたでしょう」
そう、海斗がまだ床に伏せっていた時…
黄龍の噂を聞いて村に攻め込んできた愚かな野党を白桜が逆に1人残らず捕らえたのだ…
たった1人で。
「あんな数で攻めるしか能が無い奴らは俺1人でも楽勝だぜ。
挟撃すれば良いのに、塊で突っ込んで来るような能無しどもはな!!」
先日のオロチ事件で楓が伝説の黄龍である時を多くの村人は知ってしまった。
楓は村長に今まで隠していた事を詫び、
全てを打ち明けた。
そして
「正体が明らかになってしまった以上、
自分達を狙う野党等が村を襲う可能性がある」
との理由から息子の傷が癒え次第村から去るとの事を告げた。
それに対し…
村長や村人は楓が来てから村に不作や飢饉が起こらなくなった事から、
楓の事を
「天気を司る龍では無いか?」
と密かに思っていたようで
「今まで村を影から守護して頂いていた
【楓】様達ご家族を追い出すなんてとんでもない。
今までと同じ様に、
社に住み村を見守っていて下さい」
と逆に引き続き村へ住む事をお願いをされてしまったのである。
そして
「黄龍様は我が村にとっての神様であり、
それに手を出す愚か者は村を上げて撃退する」
と意気込む始末であった。
もっとも農民である村人は妨馬壁などを村の周囲に張り巡らし、
物見櫓を建てて見張る程度が精一杯であり、
実際の警備は村や周辺の山々にすむ魔物達が担う事となったのであるが…
魔物達は既に楓の正体が龍であることは知っており、
社が村人と山の魔物達との交流口になっていた事を日頃から感謝していた事から、
そのお礼として警備を担う事になったのだ。
また村人からは
「米などの食料は楓へのお供え品として村から提供する」
とまで言われてしまった。
流石にその事は丁重に断ったが、それでも村人粘る為
「農作業で人手が足りない時にお願いをする」
と言う事で落ち着いた。
しかし、毎日の様に村人や山の近くに住む猟師などが野菜や肉類、
新鮮な魚を提供してくれるようになったのだが…
毎日の様に提供されているため必然的に食べきれない物が出てくる。
その為、野菜は様々な漬け物。
魚類は開いて燻製とし、
生の肉類は干し肉や干し肉に適さない部位は
燻製にするなどして保存食にしているため、
社は村の食備蓄庫と化しつつあった。
社の倉にも用量的に制限が勿論あるため、
定期的に農村には貴重な肉や魚類の保存食を村長を通じて、
村人へ日頃の感謝の印として提供しているのである。
逆に猟師には家族では食べきれない野菜類をお礼として渡している。
「…30人も居たのにですか?」
「50人来ようが通さない自信はあるぜ。
あんな雑魚ども相手ならばな。
ガハハ!!」
高笑いする親父に対して海斗はため息しか出なかった。
当時迎撃しに出た魔物達も
白桜の無双ぶりに目が点になっていたと聞いた事を思い出す。
…その者を稽古とは言え、
防戦一方にした今の海斗の実力は…
もう言わなくても分かるだろう…
オロチ戦で急成長した(し過ぎた)様だ。
「しっかし、お前…いくら相手が奴だったとはいえ…
実戦を1度経験しただけでここまで成長するとはな…
師匠としては嬉しいかぎりだ!!」
そう言って再び笑う白桜であった。
それはそうであろう…
これまで稽古でも自分から1本も取れなかった弟子が、
今では師匠である自分を一方的に追い込むまでに成長したのだか
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