「…やっと来たか黄龍」
オロチが呟くのと楓がオロチの前に姿を現したのはほぼ同時だった。
「最終決着をつけようぞ…オロチ!!」
既に楓は全魔力を解放、戦闘体制に入っていた。
「久しぶりだな…黄龍。何百年振りの再会だ。少し話でもしようではないか?
いま戦っても一瞬で決着がつきそうだからな…」
それに対して余裕の笑みを浮かべるオロチ。
龍の顔なので表情は解りづらいが…
「随分余裕だな?オロチ…完全体にもなっていないのに」
挑発を挑発で返す楓。
「それはお前も同じであろう?そんなか弱き姿になりおって…
魔物の食料でしかない人間等と共存しようなどと…
現魔王は愚かな事をするだ。
まあ、そのせいで天界と人間は内乱状態…
その点は感謝しなければな…」
「随分饒舌だな?封印されていた間に読書でもしてたのか?」
笑みを浮かべ、皮肉を口にする
「ふん…結界の中からでも外界を見ること等、我にとっては容易い…
今の魔物は堕落仕切っている。人間と一緒に焼き払ってやるわ」
同じ魔物を殺すと宣言するオロチ。
考えは昔と全く変わっていないようだ…
「良いのか?仮にも貴様と同じ魔物。
魔物に手を出すと魔王も黙ってはいないぞ?」
「我と貴様の様な奴らを一緒にするな!!
…どうせ、人間に手を出した時点で愚かにも我に戦いを挑むであろう…
ついでに魔王を倒し、我が魔王の座に君臨する!!
そして魔物本来の姿を取り戻し、天界をも焦土と化してくれるわ!!」
楓の言葉に思わず激昂する。
オロチが魔王になってしまったら…
楓にはなんとしてもオロチを止めて貰わなければ…
「随分と頭の中身が増えているな?」
「考える時間だけは充分過ぎるほどあったのだ…狭苦しいあの中はな!!」
ゴォー!!
そう言って3つの口から黒き火炎を放つ。
楓は転送魔法で難なくかわした。
楓のいた場所は大地おも溶かさせて灼熱の沼と化していた…
「不意討ちとは卑怯だな。前は猪突猛進を信条としていたはずだが?」
「頭を使う様になったと言ってくれ!!」
ブン!!
背後に回った楓に、
追撃とばかりに風をも切り裂く速さで尾の一撃をお見舞いするオロチ。
しかしその攻撃が当たる直前で転送魔法が発動、
オロチの側面に回る。
直後に鋼鉄をも切り裂く爪が降り下ろされるが、
それもかわす。
空をきった爪は大地を切り裂くだけにとどまった。
そして楓は転送魔法をフルに駆使して
ほぼ同時に全方位から種類が違う魔法を連射する。
その猛攻に対しオロチは、
ある物はそのまま受け自慢の鱗で無力化、
麻痺等の追加効果のあるものは黒き火炎で迎撃し、
本命である威力の高い魔法は爪や強靭な尾で叩き落としていく。
その結果…オロチには掠り傷程のダメージを与える事は出来なかった。
「どうした?これで終わりか?」
悠然といい放つオロチ
「くっ…!?」
流石に全ての攻撃を無力化するとは想定外だったのだろう。
無理もない…以前のオロチは戦闘本能のみで動き、
後先事など全く考えない戦い方をしていた。
多少のダメージなどは再生能力に任せて完全に無視していた程だ…
しかし、現在は的確に判断を下し、効果的に迎撃を繰り出してくる…
(あの魔術師が何か施したのか?)
破壊衝動のみで動いていた筈のオロチ…
しかし復活したオロチは人間並の知能を持っていた。
「教えてやろう…
愚かにも我を復活させた人間の思考を複写させてもらった!!
人間は小癪だが頭だけは良いからな…
お陰でお前の攻撃等、手に取るように解るわ!!」
そう言って巨大な爪を降り下ろす。
「!!」
楓は再び転送魔法で回避するが
「甘いわ!!」
転送先には既に尾の一撃が迫っていた!!
「!?」
再び転送魔法を使用する時間も無い!!
そう、オロチはよんでいたのだ。此処に楓が転送する事を…
とっさに魔法障壁を何重にも展開させ尾の一撃を防御しようと試みる。
しかし、その障壁おも破壊し尾は無情にも直撃したかに見えた。
後方に吹き飛ぶ楓。
「ぐ…!!」
実は再び展開させた障壁と尾が直撃する寸前に後方に跳ぶことで、
何とか致命傷は回避していた。
それでも強靭な尾の一撃の衝撃は凄まじいもので
全てを受け流す事は不可能であった…
「どうした?貴様の実力はその程度か、黄龍よ?」
「く…まだまだ!!」
そう言って数十体の式神を召喚する。
「ほう…今度は数で勝負か」
「奴を冥界に落とすのだ!!」
その言葉で一斉に攻撃を開始する式神達。
姿は四聖獣を模した物であった。
「ふん…少し遊んでやるか!!」
式神達に標的を変えたオロチは黒き火炎を3つの口から放つ。
散開して攻撃を回避し攻撃を続行する式神達。
流石のオロチも数十体を同時に相手にすることは出来ず、
多少の苦戦は余儀なくされる。
しか
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5 6..
9]
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録