「主力部隊が壊滅しただと?!たった五騎の竜騎士にか!?」
前線の指揮を事実上放棄し、
後方の部隊へと身を寄せた敵司令に最初にもたらされた報告は吉報では無かった…
司令の凍り付くような視線に臆する事なく、前線の監視をしていた魔術師は報告を続ける。
「正確には敵の魔法攻撃によるものです。
これにより残存勢力の約9割が戦闘不能。
残りの兵も再結集する前に竜騎士と虎の魔物によって各個撃破された模様です」
その知らせを受けた敵司令は思わず
「無能共めが…」
と漏らしたが、それに同調するものはいない…
逆に前線の兵士を見捨て自分だけ逃げてきた司令に対する
冷ややかな視線が周囲からそそがれるが本人は気付いていない様子である。
「機械兵の方はどうなっているか!?」
「起動準備は全機体の50%まで完了しております」
「残る機体の準備を急がせろ!!騎士団は…」
各部隊に命令を下していたその時
彼方から一筋の赤い閃光が騎士団に向かって飛来。
大気を切り裂く轟音と衝撃波がやや遅れて騎士団を襲った。
その閃光は一番左端の装甲馬車に命中。
周囲に張り巡らされた表面に強度強化のルーンが刻印された装甲板を貫き、
それは馬車の内部で炸裂した。
中に格納されていた機械兵は着弾した時に生じた凄まじい衝撃と
ゼロ距離で受けた爆風によって容赦なく粉砕されていく…。
それらを載せていた馬車も内部で発生した爆風と衝撃波を内包出来なくなり轟音と共に爆散、
この世から姿を消した…
隣に停められていた馬車は爆散した時に外部へ解放された爆風と衝撃波を
一番に受け止める形となってしまった。
この馬車が盾となりこれ以上の被害は出ることは無かったが、
積まれていた機械兵も衝撃波と爆風によって命であるコアを破壊され、
起動不能になってしまう。
「何が…一体何が起こったのだ…!?」
「何をぼやぼやしている!!障壁を展開させろ!!被害状況の確認はどうした!?」
今だに現状が理解出来ず指示が出せない司令に変わり、
騎士団団長が部隊に激を飛ばす。
その激で我に帰った部下達が被害確認と魔法障壁展開を急いだ。
「報告します!!騎士団の被害は無し。
しかし、機械兵の20体が使用不能にされました。
数名の技師が爆風によって軽傷をおいました。
幸い、死者は居ません」
このたった一度の攻撃によって教会側は持ってきた機械兵の40%を破壊されてしまったのだ。
「敵位置の特定はまだか!?」
「探知魔法を最大範囲に広げていますが…敵の反応及び魔力反応はありません!!」
「魔法で隠れているのか?…」
「あれだけの威力です。
我々の探知範囲内で攻撃すれば本体はむりでも、
残留魔力ぐらいは捉えられるはずですが…」
(やはり、索敵圏外からの遠距離攻撃か…
そうなると敵の射程の方が我々よりも長い…これでは只の的だぞ)
そこから7000m以上後方にそれは居た…
白い鋼鉄の身体を持ち、2連装のレールガンを背負った巨大な狼…
背に載せたレールガンの片方の砲口は未だ帯電していた。
騎士団に飛来した赤い閃光…
それはこの白狼の砲門から磁力によって超高速で撃ち出された炸裂弾だったのだ。
騎士団によって不幸中の幸いだったのは砲弾が
魔界銀製であった為に人的被害が最小限に抑えられた事か…
「着弾、敵輸送車群左端馬車に命中。誤差左3.5」
複座式コックピット前方席のパイロットがディスプレイに表示された内容読み上げ
「着弾した馬車は爆散、右隣の馬車も爆風により大破横転した模様」
敵の損害状況を狙撃用スコープで確認した後方席の射撃手がインカムで追加報告した。
「やっぱり誤差が出ちゃったか…長い間放置されてたからね〜でも命中させるとは流石私!!」
その報告を聴いた白狼の『足元』に身を隠していたワイトが声を上げる。
「オイオイ、修復したのはお前だが…撃ったのは俺らだぞ。
とりあえず、これから乗降用の体制に移るから足元からはなれてくれ」
インカムから指示通り皆が離れた事を確認すると
白狼は射撃体制を解いてパイロット達が乗り降りし易い様に伏せの状態になる。
頭部あるコクピットハッチが開き中から1人の青年とクノイチが降りてきた。
「でも試射無しの一発本番であの誤差で済んだのは流石だな」
「でしょ〜まあ、街に着いたら整備と調整しないとね。
この子達に何が起こったのかも知りたいし」
そう言ってとなりに居たワイバーンとワーウルフ(正確に言えばワイバーンとワーウルフに酷似した外見的特徴を持ったゴーレム達)の肩を叩くワイト。
いつの間にかあの巨大な白狼の姿は消え去っていた…
「そんじゃ街へ帰りますか…砦で腕を砦で修理した腕の調整もしないといけないしな」
そう言って青年は懐から簡易転送魔法が記された札を取り出した。
青年の周りに集
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