「君がここに居ると言うことは…」
「勿論『マスター』も居いますよ」
「呼んだかい?」
そう言って扉の影からひょっこり顔を出したのは青年…
いや少年と言っても過言ではない背格好の者だった
「やはり既に脱出済みだったか…『博士』」
「あんな警備、脱け出すの分けないよ」
『博士』事、「イアン・アカツキ」が事もなげに答える。
「それはそうと、メア…少しやり過ぎ。他の奴らが来たらどうするの?」
「生命反応及びエネルギー反応で気付かれる範囲に敵兵が居ない事は確認しましたが」
「音の反響における修正数値が少し甘い。
破壊したドアの耐久値が予想より低かったから良かったけど…
高い場合…警備の機械兵に気付かれていた可能性が高いよ。
まあ『味方にしていた機械兵』に処理させていたから良いけど」
腕時計型の端末から中空に表示されるスクリーンを操作しながら博士は返答する。
…常人には真似することが不可能な速度と精度でだが。
「申し訳ありません。マスター」
「いや…謝る必要はないよ…起動してからまだ日数がたってない上、
修正データを入れ忘れた僕に原因があるからね。
取り敢えず今は、送ったデータを使用。
収集データの追加も忘れずに」
「了解しました」
ガシャ、ガシャ…
何か重たい物を持った様な足音が建物内から響いてくる。
咄嗟に身を隠す潜入班だが…
何故かイアンとメアはその場を動かず平然としている。
(何してる!?早く隠れろ!!)
思わずジョーが声をかけるが…
「来たようだね…」
「目標位置到達。捕獲敵兵運搬完了シマシタ」
と言って出てきたのはなんと機械兵だった。
咄嗟に迎撃体勢をとる潜入班だが、
「心配ないさ。この機械兵は『味方』だよ」
確かに攻撃してくる様子はない。
そしてよく見ると、す巻きにされた兵士を1人づつ肩に担いでいる。
暴れている様子が無い所を見ると全員気絶しているのであろう。
「その場にて一時待機」
「了解」
出てきた3体に待機を命じ博士はアルに
「でどうする?このす巻き達は」
と問う。
「計5人…一度送った方が良いな…君達、悪いが捕獲兵を街のギルドに転送してくれ」
アルは少し考えた後、魔術が得意なクノイチ二人に転送を命じた。
「「了解」」
そして
「残りのメンバーはこの場にて一時待機」
と命じた。
「「「「「了解」」」」」
「指令。この二人と共に作業に当たれ。作業中はこの二人の指示に従え」
「了解。指示ヲ願イマス」
「え!?え〜と…」
突然、指示を求められたクノイチは動揺するが
「大丈夫です。普通に指示すれば大丈夫ですから」
と勝手が分からないクノイチ二人に博士はアドバイスを与えた。
「分かりました…肩に担いだまま私達と共に来てください」
「了解」
クノイチ二人と機械兵3体は茂みの奥に消えていった…
指示と説明を終えたイアンがアルの方に向き直る。
「隊長も老けたね…ジョーもだけど」
「此方でも色々と気苦労が絶えなくてな…それに此方に跳ばされて7年も経っている」
皮肉を込めて返すアルに対し
「それでも俺はまだ27だ!!会う度に老けたとか言うんじゃねーよ!!」
とキレるジョーであった。
…どうやら本人も老け顔なのは気にしている様だ…
更にその老け顔に加え、
顔を斜めに縦断する古傷をや全身に大小の傷跡が幾つも残っている為
「十何年も戦場を駆け抜けた傭兵」とよく勘違いされるのが
本人の悩みの種であるとかないとか…
まあ、どうでもよい話ではあるが…
「他のアイゼン隊は?」
ジョーの怒りを無視しての博士が問う
「ジョーから聞いて無いのか?」
「全然」
あっけらかんと返答する博士。
「そう言えば言って無かったな…
こいつ、俺とコンタクトしていた時はいつも『メア』の改修に没頭してたし…
メアが起動したのなんて昨日だぜ?」
肩をすくめてジョーが言った
「…此方から言った所で聞き流されるのが関の山だから言わなかったという事か…」
「そういう事。完全に『忙しい』モードだったしな」
「ハァ…何処に行っても博士の『悪い癖』は治らんか…
行動を共にしていたメンバーは皆、この世界に居る。
出現地点はバラバラだが、此方に来たのは全員7年前だ」
深いため息をついた後、アルは他の隊員の事を話す。
なお、他の隊員は現在、それぞれの特技を買われて
主にステーションを中心に各分野で活躍中だ。
「ふむ…同時に時空跳躍したのにも関わらず、
出現地点はバラバラ…僕に至っては到着時間点も違うか…
僕らとこの世界を繋げたワームホールが不安定な物で出口を一定座標に止めて
置けなかったと言うことは確かだな…」
腕組みをして何やら呟く博士。
ちなみに片手の指で一定のリズムを刻むのは「彼」が複雑な思考をしている時に
出る癖である。
「ところで博士。彼女
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