八月某日、クーラーのきいているような効いていない様な微妙な部屋で五人の人間が角つき合わせていた。
「飲み物あるー?」「一応麦茶。今日は収録系だから酒はNGね」「いや、普段から酒はねえだろ!?」「(ぽりぽり)あ、チッ○スター尽きた」「早っ!?まあ、収録だと音が入っちゃうからいいか」「さっさとデータをよこせ!そして改造させるのだ!ハリーハリーハリー!」「ちょっと待て!?まだ暫定型だから急いで動かすと書類が崩れる!?」
GM:あ、シート類、あとトランプ出揃いましたね。今日のセッション、はじめたいと思います。
一同:はーい。
GM:では、一応おさらいを。今回遊ぶのはクロビネガ原作、魔物娘TRPG(仮)です。ちなみにシステムはGM自作だ!
PCC:……クロビネガTRPGは既にやってる人が居るような気がするのですが気のせいでしょうか。
GM:居る(きっぱり)だが、その存在に気づく前にシステムが出来ていた。何を言っているのか分からないと思うがそういうものだ。
PCA:まあ、GM特有のシステム病という奴だ。許してやるがいいさ(遠い目をしながら)……どうせワンオフだし。
GM:悲しいこと言うなあ……。
PCB:同感だ……折角抜け穴を見つけようとしてるのに(一同苦笑)サンプルデータと改造用の予備データはこれで全部?
GM:あ、試作したものはそれで全部です。じゃあ、埒も明かないので今回の話の予告からしていきますね。
PC@:(黙々とシート類に目を通している)
今回予告
それは、簡単な任務のはずだった。
それこそ駆け出しの勇者が解決できるような内容だ。
ゴブリン盗賊団の鎮圧。魔物が魔物娘となり、人を殺したり傷つけたりすることのなくなったこの世界において、それは危険のない、ちょっとした冒険だ。
しかし、それは間違いになった。
危険な戦いに、勇者は一歩を踏み出す。
魔物娘TRPG(仮)―『危険な初任務』
――さあ、舞台の幕を上げましょう。
PCB:なんというか凄く……。
PCA:FEARゲー、だね。
GM:言ってくれるな……便利なんだもん。
ここで言うFEARと日本のTRPGを作る会社の一つであるファーイーストアミューズメントリサーチ社のことである。他にTRPGを作る会社はグループSNE、ズザク・ゲームズなどが存在する。このグループでやりこんでいるゲームはFEARのものが多いので必然的に似たシステムになりがちだ。――まあFEARゲーはよほどの悪意を持ってGMに接したりしなければセッションが惨事になりにくい(勿論例外あり)ので、良いのだが。
閑話休題。
GM:じゃあ、落ち着いたところでハンドアウト配りますね。これはどんなキャラクターをやって欲しいと言うGMからの要望書みたいなもんです。
PCA:ああ、これをもらうとFEARゲーって感じで安心するわ。
GM:いい加減その話から離れてくれ……(泣)
貰ったハンドアウトを見ながらデータの吟味を始めるPCたち。
GMが渡したデータにフレーバーをつけるべく動くもの。一からデータを組みなおすもの、イラストを描く者と中々に騒がしい。
こういうキャラメイクの楽しさはTRPGならではだ。
GMが待つこと約1時間。図鑑世界に新たな勇者たちが誕生していた。
PC@用ハンドアウト
推奨種族:人間 推奨クラス:勇者
――君はレスカティエ教国に居る一山いくらの勇者の一人だ。
PC@:……一山いくらか(苦笑)まあ否定はしない、しないけど……。
PCC:図鑑世界における勇者は基本的にやられ役ですからね……。
教国から大して期待もされていない君に任されたのはゴブリン盗賊団の退治。
鍛え抜かれた傭兵でも出来る任務だがそれでも任務は任務。こういう基本的な任務をこなすことで経験がつまれるのだ。
……それが、危険な任務だと知ったのは、その数時間後の話だった。
PC@:最後煽るねえ……。じゃあ、キャラ紹介しますね。名前はフリック、性はなし。16歳童貞男子の勇者です。クラスは人間/勇者でGMの作ったデータをそのまま流用したよ。基本能力は魔物娘達より低めだけど男性キャラ専用サポートがあるからそれなりに戦える。【かばう】と【ディフェンス】、【主神の加護】があるから防御メインで立ち回ろうかな。と。
フリック
Age16
男性
人間
生まれ:天涯孤独
経験:幼馴染
目的:平穏
能力値
【肉体】7
【精神】5
【魔術】4
【社会】2
スキル
種族特性
【魔力の源泉】
クラススキル
【主神の加護】【聖剣の煌き】【捨て身の一撃】
一般スキル
【かばう】【ディフェンス】
PCB:攻撃も防御も両方それなりにこなすのは勇者って感じだな。
GM:そうですね。では次〜。
PCA用ハンドアウト
推奨種族:人間
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