1年前、ある冬の日
マスターシーン
雪の中、彼女は走る。
空腹のあまりめまいがするが、その程度は苦にならない。教団の修行で1ヶ月薄い粥のみだったこともある。4ヶ月程度どうってことはない。
「――みんな、何処に行ったの……」
白く染まる視界の中、何度も視線を動かしては周囲を探る。
『私達は、旅に出ます。だから私達の分はお姉ちゃんが食べる分にしてください』
そう書置きを残して消えた子供達。
やさしさが心に染みたが、それ以上に彼女の心を満たすのは喪失感。
彼女が欲しかったのは異なるもの。ずっと一緒に過ごしてきた、子供達。
――だが、目的の相手が見つかることはない。
同時刻、彼女の探している子供達がバフォメットによって助けられ魔界で療養している事実を彼女は知る由もないのだ。
「……シラン、ベゴニア、ヴァイオレット、マリーゴールド……」
一人ひとりの名前をうわごとのように呼びながらさまようその姿はまるで幽鬼のようだった。
「帰ってきて……」
そして、とさり、と肉体が雪に倒れこむ。
意識が残っていても、すでに体が限界を迎えていたのだ。
アルト:……バフォメットは良い仕事したのですね。
エルマ:ああ、私の上司だからな。……しかし、このサブの話……悪人がいないな……。
彼女にとって幸運、もしくは不運だったことは、ゴブリン盗賊団が偶々居合わせたことだった。
「うわぁ!?死んでる!」
「……いや、まだ大丈夫だと、思う……」
「この人、つらそうな顔をしてる。なにか、大切なものを失ったみたい」
盗賊団とはいえ彼女達は魔物娘、傷ついた相手がいれば思わず助けてしまうのが人情である。冷たくなった体を軽々と持ち上げ、アジトへと運び込む。
凍えた体を癒すために、魔物の魔力を注いで、体を温める。
彼女が意識を取り戻したとき、その肉体は既に魔物のそれとなっていた。
エルマ:そこからの顛末は、簡単な話だ。――魔物となったアザレアは確かに絶望しただろう。もう教会にもどることは出来ないと。しかし、命の恩人であるゴブリンたちに恩は返そうとしただろう。
ライナ:ああ、娘達を失った以上、自分が死んだらどんな影響がでるか分からないからな。
GM:そこから先はそのとおりの展開です。アザレアはゴブリン盗賊団の一員として捕まらない程度の略奪を指揮していました。――とはいえ、この内容がPCとして分かるのはライナだけなのですが……。
フリック:まあ、大体察した。――というよりもこいつら(エルマとライナを指して)を見てるとなんとなく分かる。こいつらは悪い奴じゃない。勿論悪い奴も居るし良い奴も居る。そこらへんは人間と変わらないってさ。……勿論、童貞の危機なのは間違いないけど……。
アルト:フリック君……。
エルマ:さて、ひとがんばりしようか。――何、全て済めばサバトで預かれる筈だ。と、いうよりも押し付ける。
GM:ではシーンを切り替えます。次がクライマックスフェイズです。
フリック:……【魔力の源泉】で1ドローしておこう。
クライマックスフェイズ
勇者の初任務
GM:「――ふふ、あはははははは!」震えが止まるとアザレアは狂ったように笑い始めます。「本当に今の魔物って可笑しな奴ばかりねえ……サキュバスは男を狂わせて吸い尽くす魔物だというのに……」その瞳に宿るのは、魔性の輝きでした。
ライナ:旧時代のサキュバス……!
GM:「お、お姉ちゃん……?」その姿を見つめるホフゴブリンたちの顔が徐々に変化していく。【魔性の誘惑】を使います。多少拡大解釈ですが長い時間魔力に侵蝕されていたのでゴブリンたち全員に効果を示します。――ゴブリン二人とホフゴブリンを忠実な手下に。彼女達は空ろな瞳で君達に向かって武器を構える。さあ、戦闘開始です。
フリック:こんな奴に、負けてたまるか!【魔力の源泉】で1ドロー!
GM:では行動値の決定をしますね。アザレアは【拡大する悪夢】持ちなのでカードを3枚ドロー。棍棒を持ったゴブリン、弓を持ったゴブリン、棍棒を持ったホフゴブリンは全て【エニーセブン】です。棍棒ゴブリンとホフゴブリンが前列に立ちアザレアと弓ゴブリンは後列です。
ライナ:このタイミングであたしも動く。旧時代には旧時代の力をぶつけてやるよ!魔力を一枚切って【竜種解放】!このターンだけ旧時代のワイバーンに変身!これでドローできる枚数が+1されてさらに色々ボーナスが入る。
イニシアチブ
45ライナ(10 10 3 5)
36アザレア(9 10 4)
35エルマ(10 7)
31アルト(6 7)
29弓ゴブリン(7 7)
27棍棒ゴブリン(7 7)
19ホフゴブリン(7 7)
14フリック(2 1)
フリック:オーラスかあ・・・・・・。
エルマ:まあ仕方
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