たまには昔の話をしよう
シーンプレイヤー:ライナ
エルマ:さて、判定には成功しているから情報収集の結果を出す――でいいか?
GM:はい、では倒れたカティナに目をやっていると後ろから何者かが走ってきます。
ライナ:誰だい?
GM:「カティナ様、大丈夫ですか!?」神殿に居た神父さんだね。荒事を聞きつけて走ってきたようです。ぜいぜいと荒い息を吐いています。
フリック:神父様は大変だな……ええと、カティナの容態は大丈夫そう?
GM:フリックがトドメを刺したので魔物化することもなく、純粋なままです。力を失ってすやすやと寝息を立てていますね。
エルマ:私たちがトドメを刺していたら……。
ライナ:魔物化だろうね……さすが外道GM。
フリック:「――ええと、堕天使にはなりかけましたが、今は安定しているみたいです」カティナを支えて神父様に引き渡す。そしてこの隙に一枚ドロー。
GM:「ええ、ありがとう御座います……ところでそちらのお二人は……?見たところ、魔物のようですが……」
ライナ:う、あはは……。ちょっと色々あってね……。
フリック:「この二人は、カティナ様が堕天使になるのを防ぐために一緒に戦ってくれたんです」そう言って神父様との間に立つ。流石にこれで裏切るなんて出来ない。
GM:「そうですか、ありがとう御座います」神父さんは二人に深く頭を下げるよ。「こちらこそ、以前に話を聞きに来た魔女を攻撃してしまいすみませんでした」
ライナ:は、話のわかる神父だなあ……。しかし、いいのか?一応あんたはこの町の司祭様だろ?
GM:「ええ、ですが……」神父は小さく目を閉じる。「色々、ありましたから――本当に、色々と。一年前の、あの日から」
ライナ:なあ、差し支えなければさ、教えて欲しいんだ。実は魔女の子たちからさ、アザレアって人のこと聞いてるんだけど、その人と関係のある話のような気がしてさ――GM、ここで情報が得られるんだろ?
GM:そうなりますね。
「誰にも話す気はなかったのですが――そうですね。話したほうがいいのかもしれません」
神父は静かな声で言葉を紡ぐ。
「ここだと誰かが聞いているかも知れませんから、少し場所を移しませんか?」
「ああ、分かった」
ライナはその言葉に頷いたのだった。
ライナ:ここから先はあたし一人で行っていいかい?そんなに多くの奴がきいていい話じゃなさそうだ。
エルマ:判定に成功したのは私なのだが……まあ、いいさ。お願いするよ。
アルト:異論は……ないです。そもそも知りようのない話でしたし。
フリック:ああ、頼む。あと俺はカティナの容態を見たほうが良さそうだ。
アルト:そ、それはわたしがやりますっ!
GM:「では、ライナさん……と申しましたか」しばらく無言で神父さんは案内するけど……本当にライナ一人でいい?
フリック:信用しすぎの気がするかもしれないけれど……なんというか、二人に当てられた感じかな。
ライナ:うんうん、頼られるこの感覚はいつだっていいねえ。さ、神父さん。行くか。――あと、名前教えてくれ。神父さんじゃ呼びにくくてかなわない。
GM:ええと……ロンさんとしましょう。さて、神父のロンさんが案内したのは町外れの小さな建物です。さび付いた鍵を開けると、中から埃の匂いが漏れます。
「そう、ですね。やはり久しぶりに来ると汚れてしまいますよね……」
ロン神父は壁にかけられたプレートを指でなぞる。
そこに書かれていたのはシランという文字であった。
「嫌なことがあると、忘れようとしてしまう。本当に、悪い癖です」
ライナ:シラン……あの魔女も、たしかシランって言ってたな。たしか……(メモを見て)孤児だったはずだ。と、いうことはここは孤児たちを集めるところであっているか?
GM:「まあ、似たようなものでした。……あの子は、元気でしたか?」
ライナ:ああ、ちょっと背伸びをしてたけど。元気にしてたぜ。
GM:「そうですか……よかった……きっと、この家の主……アザレアさんも喜ぶと思います」
ライナ:「主……ってことは、まだここに住んで……」言いかけて埃まみれの空間を見て口を閉じる。
GM:「ええ、想像のとおりです」
彼は自虐的な笑みを浮かべると、小さく口を開いた。
「ここ、ルチア教会所属の錬金術師アザレアさんは孤児の子達を引き取ってずっと育てていました。私やほかの教会の人の助けを借りながらも、ほとんどのことは一人でやっていました。ご飯を食べさせて、服を着せて、言葉を教えたり、縫い物や、機織を教えて――最初は反抗されていましたけれど途中からはみんなが慕っていました。シランなんかは随分お転婆な子でしたね――途中からみんなのお姉さん扱いされて固い口調になったのにはみんなが笑
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