飼ってた猫が魔物化して、猫の国に連れ去られた時から彼女に対する見方は大幅に変わった
魔物化するまでは何かとそばに来ては、ニャンニャン鳴いて甘えてくる可愛い雌猫だったが
魔物化してからは彼女への見方はペットではなく、仕える主に変わっていた
「主人よ、私は腹が減ったぞ、ご飯を作らせてやろう」
「はいはい、ただいまお持ちしますよ」
何故か魔物・・・ケット・シーに変わってから彼女はとてつもなく偉そうになった
三食昼寝(主人付き)を要求し、家事も自分にやらせて
ブラッシングや遊びも彼女の気まぐれでやるようになったし
仕事も彼女がやり、自分は彼女の世話だけをするようになったのだ
一応は主人と呼んではくれるが、今はむしろ彼女のほうが主人になっていた
「なんだそのやる気のない返事は、私のご飯を作るのが嫌なのか?」
「そんなわけないです!とっても楽しいです!」
こうでも言わないと彼女の機嫌を損ねる事になる
魔物化する前から我侭な性質ではあったのだが、ケット・シーになってからはさらに我侭で気まぐれになっていた
「ならいい、それが終わったらブラッシングだからな、それと献立は肉がいい」
「了解しました!」
そう言って、彼女は広間の方へ行くと、ムスッとした表情で席についた
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「なんでこうなっちゃったんだろ・・・」
キッチンで肉と魚の仕込みをしながら呟いた
魚の仕込みもしてるのは、唐突に魚が食べたくなったと言って、献立を変更することもあるからだ
それに従えなかった時の罰は・・・思い出したくもなかった
「いつの間にか主従逆転しちゃってるし、どんどん自分のほうが飼われてる感覚になってきた・・・」
料理をしながら自分の境遇を考えてみると、ペットとして飼われていたのは
自分の方だったのではないのだろうかと思い始めてきた
最初から彼女が主人で、自分がペットとして彼女に飼われていたのではないのかと
「いやいや、そんなことはない!」
猫の国に来る前は自分が彼女を飼っていた筈だ、ご飯を作ったり、ブラッシングしたり、遊んであげたり・・・
「あれ?今と変わらなくないか?」
やはり自分の方が彼女に飼われてたのではないのかと思ってしまうくらい、今の生活と変わらなかった
「まぁ、昔と違うのは更に可愛くなったって事だけかな?っと焼けた焼けた」
オーブンで焼いてた肉がいい感じになったので、取り出して少し冷ましてやる
こうしないと彼女は猫舌だから食べられないのだ
「持っていってあげるか、お腹を空かしすぎて不機嫌になったらたまらん」
ささっと盛り付けをして、彼女が好きなイチゴ味のゼリーとマタタビワインも一緒に持っていった
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「遅いぞ、私を飢え死にさせるつもりか」
「今回は手間をかけましたから」
そう言うと彼女の前に料理を並べ、自分も彼女の向かいの席についた
「「いただきます」」
二人ともそう言うと目の前の料理を食べ始めた、彼女は肉料理で自分は魚料理だ
「相変わらず、味も火加減もいい具合で完璧だな」
「それはどうも」
彼女は嬉しそうに目の前の肉料理にかぶりつき、一緒に持ってきたマタタビワインを飲み干した
そういえば、昔も餌を見るやいなや嬉しそうに食べてたっけ
こんな所は昔と全然変わってないんだなぁ・・・
「中々に美味かったぞ、ゼリーも付けてくれるとは気の利いたやつだ、後で褒美をやろう」
「それは、ありがとうございます」
そう言うと彼女は席を立ち、書斎に向かった、きっとまだ溜まってる仕事があるのだろう
自分も料理を食べ終え、食器を彼女の分まで下げて後片付けを始めた
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寝る支度を済ませて寝室に向かうと、彼女が服を脱いで待っていた
「遅いぞ、さぁ早くブラッシングを始めてくれ」
「了解」
こうやって寝る前にブラッシングをするのは今も昔も変わらなかった
ただし、魔物化したせいか身長が伸びてブラッシングする場所が増えたのがこまりものだ
「んっ、はぁ・・・にゃうう・・・」
彼女は体をよじらせ、幸せそうにしていた
自分にとってもこれは至福であり、彼女の無防備な姿を見れるチャンスでもあった
「どこか重点的にやって欲しい
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