デニスの行動は早かった。マンディを泣き止ます為に彼女に近寄り、そっと胸に彼女を抱きしめた。怒っていない事のアピールが狙いだが、内心早く彼女と触れ合いたいという割とゲスな考えがあった。だが彼らはお互い様な2人だろう、誰も非難はするまい。
「ふぇっ…デニス? お、怒ってない…の?」恐る恐る顔を上げたマンディの頬にはくっきりと涙の流れた跡があり、それがデニスをドキリとさせた。あるいはこのデビルフィッシュ、いやエンジェルフィッシュは本気でデニスを殺しにかかっているのかも知れない、何この可愛い生き物的な意味合いにおいて。何にせよ、先程までのクールで素っ気ない態度から一変した今のマンディは、デニスの心に大打撃を与えたと見ていいだろう。デニスは「あ、ああ。俺は怒ってなんかないぜ、アマンダ」と答えるのがやっとで、自分が今どれぐらい動揺した表情をしているかまでは把握出来ていない様だった。
それを素っ気ないと勘違いしたマンディは再びオロオロし始めた。
「マンディ、って呼んで…?」
縋る様な、切なそうな。見上げるマンディの表情はデニスの心を更に蝕んだ。
「よ、喜んで、マンディ」デニスは女性経験が豊富な方ではあったが、どちらかと言えば大人の女タイプの女性としかいい感じになった事はなかった。もちろん彼の様な男の周囲にはそういう女性しか来ないだろうが。こういう映画か小説の中だけに出てきそうな乙女とこうして抱き合うのは彼にとっても初めての経験であり、故にドキドキとせざるを得なかった様だ。遠く離れた日本の地ではそれを萌えと形容するのだが、今イギリスで最もホットな男の1人はそれを知らなかった。
「デニス…私、さっきあなたを初めて見た時から、あなたの事が…
#9829;」と、そこまで言ってからマンディは恥ずかしそうに俯いた。精神を蝕んでくるその光景に耐えながら何とかデニスは返答する。
「俺もな、実は君の噂を聞いてたんだよ。そこの机に雑誌の切り抜きがまだ入ってるはずだ…君が写った写真がな」そしてこう続けた。「君がやった事はその…まあとにかく君は可愛いから問題ねぇけど、俺はただの追っかけファンかストーカーだよ。示しの付かない事にな」
自嘲気味に笑いながらデニスはマンディのフォローに努めた。火に油を注ぐ、だとか助長だとか、そういう類の言葉があるが、今回はどちらかと言えばいい方向に事が作用した。
デニスは気付いていなかったが、一目惚れした相手に自慰を見られて大恥をかいたマンディに彼は優しく手を差し伸べた。嫌うどころか、むしろ好意を抱いている風な言葉も付け加えて。しかも自慰の件は茶化して水に流してくれた。惚れた相手にここまでされて、魔物娘の本能が疼かぬはずがなかったのだ。
「デニスぅ…
#9829;」またもマンディの無意識涙目上目使い攻撃が始まり、デニスはグッと耐えながら次の言葉を待った。待ってみたはいいが、更に凄い展開がやってきた。
「デニス、シよ? お願い、もうガマンできないの…」
デニスとしては立て続けに浴びせられた異様に可愛いマンディの様子に「グッ!」っと呻くしかなかったが、内心は念願が叶った事を喜んでいた。このありえんぐらい可愛い子とイチャイチャラブラブ出来るのだ、と考えてデニスは自分がかつてのどん底から這い上がれた事を神に、先祖に、そして父に感謝した。
自分のそれが、マンディの無毛なそれへと飲み込まれていく様をデニスは少々申し訳なさそうに、そして遠慮がちに見ていた。
「痛っ…!」とマンディが呻き、デニスはすぐさま「大丈夫か!?」と声をかけた。彼の心の冷静な部分では、昔こっそり読んだ親父の小説にもこういうシーンがあったな、と場違いな事を思い返していた。
優しいデニスの気遣いに、マンディは心が温かくなるのを感じた。
「だいじょう、ぶ…だから、いっぱい愛して
#9829;」
デニスに初めて見せたマンディの笑顔は、涙に濡れながらもとても嬉しそうで、デニスを滾らせるには充分なものである。デニスは左手で可愛すぎる生き物の腰を優しく掴み、右手は彼女の左手と指を絡ませて、ゆっくりと動き始めた。10秒程そうしていると、マンディはデニスの腰の動きに合わせて「あっあっあっあっあっ
#9829;」と、とてもエロティックな声で喘いだ。
彼はもし万が一、と考えチラリとマンディの顔を伺ったが、彼女は半開きの口から涎を垂らし、目からは相変わらず涙を流しながら、しかし幸せそうな微笑みを浮かべていた。この可愛い生き物の名前を考えれば、俺は後世に名を残せるだろうな、とアホ臭い事をデニスは考えた。ちなみにそうでもしないとあまりにも可愛過ぎて理性の喪失を招きそうだったのである。
「デニスっしゅき
#9829; だいしゅきっ!」
「うっ
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