「止めるな！こんな生き恥を晒すくらいなら死んだほうがマシだ！」

「どっちかというと死に恥では？そもそも死んだら死に恥続行するわけで」

「もはや不死になるしか…」

「不死になってしまったせいでこの事態になってるのでは？」

「ぐぬぬ…」

「まあ、恥を晒してしまったといっても、
　今の世の中、魔物は全員恥さらし状態というか、恥部をさらけ出してるというか…」

「そもそも、なぜ我を蘇らせたのだ？返答次第では容赦せんぞ…」

「あなたが集めたお宝で一緒にドミノ倒ししてたら、
　その中に復活の宝玉みたいなアイテムがあったらしくて…」

「何やってるんだお前と我は」

「玉が転がるんじゃなくてドラゴンさんのほうが転生するとは思ってなかったです」

「お前も転生できるようにしてやろうか…？」

「せっかく蘇ったんだしもっと前向きに考えましょうよ。
　こういう日が来るだろうといろいろ映像として残しておいたんです」ﾎﾟﾁｯ



『え、すご…乳首ってこんなに伸びるんだ…』



「なんだ？復活させた我を憤死させる準備してたのか？」

「失礼、見せる順番を間違えました、これが初めです」

『どうもードラゴンゾンビの夫でーす！

　今回はですね。ゴンちゃんの「いったん止めろ」

「はい」

「なんだ、ゴンちゃんって」

「名前がわからなかったので種族名からニックネームを付けました。
　鳴き声の『チン』ちゃんとどっちにしようか迷いましたが、
　雰囲気的にゴンちゃんって感じだったので…」

「大型犬か我は？」

「実際、大型犬飼ってるようなもんでしたね」

「世が世なら灰も残さず燃やし尽くしてるところだからなお前

　もう一点だが、なぜ我の死体が全身縛られているのだ？」

「俺の趣味です。
　でも、拘束具も壊そうと思えば余裕で壊せるのに、我慢して大人しくしてるんですよ。
　待て　ができるお利口なゴンちゃんです」

「大型犬か我は？」

「じゃ、続き行きます」


『今回はですね、ゴンちゃんの乳首がどれくらい伸びるのか実験してみたいと思います！

ﾑﾆｭｩｩｩ

　え、すご…乳首ってこんなに伸びるんだ…』

「順番ほとんど変わってないのだが？
　心の準備もなくさっきの場面に到達してるのだが？」

「これだけは何が何でも一番最初に伝えたかったことです」

「自分の死体の乳首が異様に伸びるのを
　一番最初に伝えられる人のことを考えなかったのか？」

「大丈夫、伸びても元に戻りますから」

「我の傷だらけの心はもう戻らない」

『ま、こんなに伸びるようになった原因は俺が毎日吸ってるからなんですけどね、

　アハハ！』

「なんだこの人の心のないバケモノは」

「やだな、惚気話をそんな風に捉えてもらっちゃ」

『ん〜！』

『あ、乳首をいじりすぎてスイッチ入っちゃったみたいなので、
　ここでいったん切りまーす』ﾌﾟﾂﾝ

「我もキレそう」

「次はこれです」

『どうもー今回はドンちゃんの「止めろ」

「はい」

「せめて名前くらい統一しろ」

「いちおう犬っぽい感じの名前には統一してるのですが…」

「そこの統一感は出すな」

「種族名の時点でドラゴンゾンビ　で　ド　ゴ　ゾ　ビ　の濁音4つに
「ン」が2つあるから
　どうあがいても名前ごっつくなるのは仕方ないですね！」

「まあ…確かに…」

「生き返ったらぜひ名前をお聞きしたかったところで」

「そんなものない」

「あ、やっぱり？
　こんなわっけのわかんねえ深い山の中の、
　そのまたクソ長い洞窟の奥に住んでる時点で、
　社会常識欠落ドラゴンなのは察してました」

「ブルーアイズホワイトドラゴンみたいに言うな、
　こういう秘境にこそ我ら竜が住まうに相応しいのだ」

「でも、せめて地盤の補強くらいしててほしかったですね。
　おかげで落盤で生き埋めですよ俺たち


　その時の映像がこちら」


『やべえ！空気薄くなってきた気がする！』

『ちんちん！』

『こうなりゃゴンちゃんに人工呼吸してもらうしかねえ！
　俺の口の中に思いっきり吐いちゃって！』

『はーい?」ﾑﾁｭｰ

『ぶぼえっ！』

「こうして、紙一重で危機を乗り切ることができました」

「お前の体中から緑色の煙噴き出てたけど、なんであれで生きてるんだ？」

「たぶんあの腐食ブレスのせいで俺の根性が腐りきってしまったんでしょうね」

「そうなのか？
　だとしたら済まないことをした…」

「ガチ目に謝られると俺も死にたくなるからやめてもらっていいですかね」

「それよりも、さっきから見てると、死んだ我はまともに会話できないのか？」
「はい」

「即答するな」

「いや、マジで『うん』とか『はい』とか以外はすべて『ちんちん』ですからね
　あん

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