全穿壊マインドフレイア

「ん〜・・・まずはどこからフレイアして行こうかしら・・・」

 わざとらしく唇に指を添えて首を傾げているが、楽しそうに細まった目元から察するに、既に大体の絵図は描きあがっているようだ。

「まずはやりたくないんだけど」

「それはダ〜メ
#9829;」

「はうっ!!」

  緩慢な口調と反対に、瞬時に触手が耳の中に侵入し僕の脳みそをかき回した。くちゅくちゅと書き混ざる音が、鼓膜ではなく脳それ自体に響き渡る。マインドフレイアの夫でしか味わうことのできない狂気染みた快楽に腰が抜けて、その場にへたり込んでしまった。

 そんな僕を姉は舌なめずりしながら容易く抱きかかえ、寝室のベッドに寝かせた。
 
「耳はいつもやってるから・・・

 そうね!おめめからフレイアしましょ!!」

「待って、一発目からキチガイすぎて付いてけない」

「大丈夫
#9829; お姉ちゃん、さっきのフレイアで大抵の事は気持ちよくなれるようにしておいたから!」

「目に触手ぶち込むって『大抵の事』じゃねえだろ」

「まあまあ、何事も経験だから・・・
#9829; ね?」

 僕の抗議を一切無視した姉は、細い数本の触手で僕の右まぶたを開いたまま固定し、貫通の準備に取り掛かった。

「いつものだと流石に太すぎるよね…ちょっと小さくしよっか」

 指先ほどの触手が捻じれていき、針金よりも細く鋭くなって行き遂にはまるで注射針のような細さにまで達した。

「じゃ
#9829; セッ君いくよ〜
#9829;」

 鋭利な触手がゆっくりと目に近づいて、黒い極小の点が徐々に大きくなって行く。反射的に目をつぶろうとしたが触手によって強制的に開かされている。

 もがいて逃げ出そうともしたが手足や顔は気が付かぬうちに一切の身動きが出来ぬほどに拘束されていた。

「姉ちゃん!やめて!それだけは本当に許して!!」

「痛くない
#9829; 痛くない
#9829;」

 姉は空いた手で頭を優しく撫でて、怖がっている僕をなだめようとしている。

 当然であるが、アメとムチを両方同時にやってもムチの方が強すぎるためほとんど効果がない。

「あ”ああああああああああああああああ!!!!ムリムリムリムリ!!!!」
 
 そんなことをしている間にも、まるで機械のように正確に同じ速度で目に針が近づいてくる。
 そのあまりの恐怖に脳は思考を放棄してただただ絶叫し、眼球に到達する寸前、僕の頭は完全に擦り切れ意識は暗転した。

「ちょっとやりすぎちゃったかしら・・・?」

―――――――――

「ハッ!?」

「あ、気が付いた?」

 目を覚ますとベッドの上で姉の胸に抱かれていた。胸から顔を離し、姉の表情を窺うとばつが悪そうな笑顔で僕を見ていた。

「ごめんねセッ君・・・セッ君がこんなに怖がるなんて・・・」

 姉であり深海サイコ生物でもある彼女は、常識が通用しない。最近では少しづつ人間の常識を理解してきた気がしていたが、油断するとこの様だ。

「いいよ。お姉ちゃんがまだ人間の事を理解しきれてないって分かってるから。でも今のは二度と止めてください・・・ホントに」

「うん・・・そうよね・・・人間は尖ったものを向けられると怖いのよね・・・
お姉ちゃんそんな大事なこと忘れちゃってた・・・」

「まぁ・・・反省してくれたら別にいいけど・・・」

「セッ君・・・
#9829;」

 ひんやりとした指先が僕の頬を撫でる。そして、僕たちはお互いの吐息がかかるほどの距離を詰めた。見つめ合う姉の潤んだ瞳を見ていると、それだけで思考が蕩けていく。再び手足に絡まってくる触手もそのまま受け入れた。

「今度はお姉ちゃんのお口でやってみるね!」

「は!?」

 その刹那、瞼を触手で押さえつけられると、ねっとりとした液体が瞳孔に垂れてきた。

 それが姉の唾液とわかったときには、姉の咽頭がくっきり見えるほど接近していた。

 そして、何が起こったのか左目で理解し終えたときには、もう僕の右目は姉にしゃぶられていた。

「目が!!目がぁぁぁぁぁぁぁ」

 眼球がぬるぬると舐め回されるが、痛みはない。ただ目を舐められているという強烈な刺激が体を襲ってくる。

「あ〜
#9829; こんはいは、きぜつしなはったでほ?(今回は気絶しなかったでしょ?)」

 姉が喋ると漏れた空気が、過敏になっている眼球に当たりこそばゆい。時折、舌を腔内に戻し溜まった涙を啜り、また眼球を弄る作業に戻る。

「あ・・・あ・・・そ、そういう問題じゃねえ!!やっぱ姉ちゃん反省してないだろ!?」

「らいじょ〜ぶ、ほわくないようにちょっろつつやるからへ(怖くないように、ちょっとずつやるからね)」

 全く話が通じていない。そして気が付けば、瞳孔辺り舐め回してい
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