「何だお前、勝手にあたしの巣に入って来やがって」
「あ、いや、玄関先の岩ノックしたんですけど、ペチペチと」
「聞こえるわけないだろ!
・・・それはこの際いいとしてだ、あたしに何の用なんだ?」
「そりゃもちろん・・・「どうせ、あたしを倒しに来た勇者だろ?」
「ぶっぶー、不正解ぶっぶー」
「その顔やめろよ」
「正解はもちろん求婚しに来たんですよ!求婚。
初対面だけど愛してる!結婚しよ!」
「は?・・・はぁ!?」
「いやね、前々からゲイザーちゃん可愛いなと思ってまして、
機会があればお嫁に来てほしいと考えていたんですね。
そんなところに!近くの洞くつにゲイザーさんが住み着いていると
町の人から話を聞きまして、ここに伺った次第でありますです」
「だ、だからっていきなりぷ、ぷ、プロポーズするバカどこにいるんだよ!」
「大抵の魔物ってこんな感じじゃないですか?」
「そ、そりゃそうかもしれないけど!
いきなりそんなけ、結婚だなんて・・・あわわわ・・・・」
「なんでゲイザーさんが暗示掛かったみたいに目をグルグルさせてるんです?」
「う、うっさいなバカ!えーっとえーっと・・・お前バーカ!バーカバーカ!」
「それより、返事を聞かせてもらってもいいですか?
指輪と婚姻届けも持ってきてるんですけど」
「はひっ!?気が早いんだよ、そんな急に返事なんて・・・あぅぅぅ・・・ん?
・・・あ、わかったぞ。そうやってあたしが油断したところを殺す気だったんだな」
「後ろ向きすぎません?」
「いーや、間違いないね」
「その自信の根拠は何なの?」
「うるさいな!とにかく、あたしの巣に入って来た上にあたしをおちょくったんだ。
無事に出られると思うなよ・・・」
「ちょっと待ってください」
「なんだ、今更命乞いかよ?」
「いや、着替えもってきてなかったんで先に服脱いでもいいですか?」ヌギヌギ
「・・・・は?な、何してんだお前!!」
「で、寝室は・・・こっちですね。うわ、ちょっと片づけて換気した方が良いですよ」
「勝手に部屋に入るんじゃねえ!」
「ああ、じゃあ片づけている間にシャワー浴びてきますね」
「そういう意味じゃない!
一旦止まれお前!」ミョミョミョミョ
「うお、動けぬ・・・あれか拘束プレイか、やっぱりゲイザーちゃんも魔物娘ですしね。
こういう感じの方がお好きですよね・・・さぁ、どうぞ!」
「どうぞ!じゃねえよ!!お前、何考えてんだ!?」
「いや、ゲイザーちゃんとスケベなことするんだなぁ・・・って考えてましたけど、違いました?」
「違う!・・・いや、違くない・・・?違くないけどちがう?」
「何かある度に自分が混乱するの直したほうがいいですよ、仮にもゲイザーなんだし」
「余計なお世話だバカ!」
「じゃあこのままだと風邪引きそうなんでお布団入りましょうか、一緒に」
「入らねえよ!もうわかったから服着ろよ!!」
「いやぁ、ここまで焦らされて服着ろって・・・
もう俺は明日のお昼ごろまで服着ない予定だったんですけど?」
「お前の予定などどうでもいいわ!いいから服着ろよ!」ミョミョミョミョ
―――
「服を脱がせる暗示を掛けるゲイザーちゃんは数あれど、
服を着せる暗示を掛けたゲイザーちゃんは貴方だけじゃないですか?」
「お前のせいだけどな」
「で、どうするんですか?何からします?キス?」
「しねえよバカ!・・・まだお前の事信用してないんだからな」
「ですね、人間に関してはそうやすやすと信用すると痛い目見ますから」
「他人事みたいに言ってるけどお前の事だからな・・・」
「じゃあ、なんでゲイザーちゃんは求婚されるのがそんなにおかしいと思っているのか話し合います?」
「いや、あたしは帰って欲しいんだけど・・・」
「それなら明日また来ますね」
「いや、二度と来て欲しくないんだけど・・・」
「またまた御冗談を、
例えそういう暗示を掛けられても15分で解除して戻ってきますからそのつもりで!」
「お前は質の悪い悪霊か何か?」
「貴方の未来の旦那様
#9829;」
「・・・一回試してみるか」ミョミョミョミョ
―――
「ただいま!」
「3分しか経ってねえぞ!?」
「何も暗示がゲイザーちゃんの専売特許というわけではありますまい」
「そうなんだろうけど納得いかねえ・・・」
「なら納得行くまでやります?
ただし、1000倍返しですが」
「・・・・・・」
「催眠中は意識ある方がいいです?
それとも、意識なくて気が付いた瞬間に恥ずかしがるのがお好き?」
「・・・・・・」ウルウル
「やだな、冗談ですよ」
「どこまでが冗談だったんだよ・・・」びくびく
「そんな
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