現代の自殺の手引き

 この際理由は聞きませんが、あなたがこの本を読んでいるということは、そういうことなのでしょう。興味本位で読むのも構いませんが、先生に心配され、親が学校に呼び出される可能性もあるのであまりお勧めしません。

 ましてや冗談半分で真似して怪我をされても困りま…よくよく考えると、この本が出回る頃には私はいないでしょうから、やはり好きになさって結構です。

 ※因みに、女性はこんな風に死んでもアンデット種になってしまうでしょうから、この本は男性向けです。

 では早速本題に入りましょう。

 …と言いたいところですが、まずは失敗例から見ていきましょう。なぜなら、この世界に魔物娘が台頭して以来、人間(特に男性)は、人間のまま死ぬことそのものが困難な時代となりました。

 そんな中で、無鉄砲に自殺しようとしても、あっさり捕まって彼女達の餌になるのがオチです。なので、他人の失敗例から学び、今後に生かしましょう。慌てて実行して失敗なんてもったいない、一度限りの大切な人生なんですから。


というわけで


『あちゃー生き残っちった!!』 自 殺 失 敗 例
 
 昨今の自殺失敗の原因の殆どは、魔物娘による直接的または間接的な妨害です。

 ご存知の通り彼女達は、人間が死ぬことを激しく嫌っています。ましてや、自分で命を絶つなどいったことは、どんな手段を用いても阻止しようとするでしょう。阻止するだけならまだしも、二度とそのような考えに至らぬよう、死ぬことなど考える暇もないほどの快楽を与え続け、自分無しでは何も出来なくなるまで徹底的に犯して調教します。

 そのため自殺に失敗した男性達が、如何に悲惨な末路を辿ったかも記しておきます。

自宅編 

 以前は家の中でならば比較的簡単に自殺することが出来ましたが、現在では家の中での自殺はほぼ不可能と言っても差し支えありません。

 知らない方もいらっしゃるでしょうが、独身男性にプライバシーがこれっぽっちも存在していないからです。壁の向こうから聞き耳を立てていたり、窓の外から覗いていたり、家の中から見張られていることも珍しくありません。

 試しに、近くの窓のカーテンを閉めて、自然な様子を装い3分ほど待ってみてください。




 ……3分経ちましたか? それでは、カーテンを開けて見てください。

 ……何が見えましたでしょうか? 私は窓越し10センチでサキュバスと目が合いました。髪が白いような気もしますが気のせいでしょう。ま、とにかく、そういうことです。

 何か見えた方の家は、専門家に頼めば盗聴器や監視カメラがいくらでも見つかるでしょう。何度取り外してもいつの間にか設置しなおされているので諦めたほうが良さそうです。

 ※何も見えなかった方はもうこの本を読んでも無駄です。すでに中にいます。

 こんな状態では自殺をしようにもできるはずがありません。家での自殺成功率はほぼ0%といってもよいのです。家で出来る有名なものを取り上げて、どれほど無謀な行為であるか見てみましょう。


首を吊る


 首吊り、もっともポピュラーな自殺方法ですね、苦痛も少なく、用意するものも縄一本で、死後の遺体も数日は綺麗なままです。ある意味完成された自殺方法です。しかし、それだけに万全に対策が練られています。


 Aさん(以下人物全て仮称)もこの方法で自殺を試み、首に縄を掛け椅子を蹴飛ばしました…本来ならばこの瞬間に失神し窒息死するはずですが、失神できません。

 その後も縄が喉に食い込み血管を締め上げ、少しづつ意識が朦朧として来ますが、いつまで経っても気を失うことが出来ないのです。それどころか酸欠になるにつれて表現できない快感が襲ってくるようにさえなったそうです。

 ついには触れてもいないのに射精するまでに至ってしまいました。それでも意識を失うことなく絶頂し続け、5回目の射精の後、隣人のサキュバスがこれを発見。そのままの状態で、『人命救助』の名目でさらに犯されることとなりました。窒息の快感と性交の快感に同時に苛まれることとなった彼は、もはや彼女なしでは生きていけなくなったのでした。


 …なぜ、死ねなかったのか? 答えは使用していた縄にあります。実は市販されているロープには、どれも魔物の魔力が含まれているのです。魔物の魔力は魔物娘の硬い鱗などから、男性が体を傷つけないように保護する効果もあるため、それを帯びている道具もまた同じように男性が傷つき苦痛を感じることや死亡することを防ぎます。

 自分で編んで縄を作るのも得策ではないでしょう。それに使われる材料もよほど気合をいれて探さないと魔力が混入しています。

 首吊りは諦めたほうが良さそうです。


 刃物で動脈を切る


 これも有名ですね。手首などを切って失血死。手首
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