連載小説
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96 風撃者と飛行少女の激戦区
デメトリオから、またミカルドである俺の仲間が倒されたって話を聞いたとき、俺は非常に複雑な心境で自分の愛機を調整していたんだが…
あれだな…凄い敗北の連続だな…
まぁ、確かに?彼女達のバトルスペックの高さってのもあるんでしょうけど?
でもさぁ…ちょっと負けすぎだと思うんだよねぇ…
さて、そろそろ俺も戦いに行くとしますか!!

俺はそう言いながら、自分の愛機【ステートメント】に乗り込んだんだ…
ちなみに、このステートメント…通称、個人用空中爆撃支援機(ワイヤー付き)はケイが作ってくれたんだ…
俺のオーダーメイドってやつ?これが、思いのほかかっこよくてさぁ…
緑色の機体に黄色のライン…そして、かっこよくライザーって名前を入れてくれているところに、ケイのこだわりを感じるぜ…
まぁ…この機体単体では攻撃なんて出来ないんだが…この機体は個人用の癖に二人乗りでね?パイロットとそうじゃない奴の二人が乗る機体なんだ…
ちなみに、パイロットはこいつ…ゲイリーだ…
中々、俺の思っているところをフライトしてくれるから、戦いの時には本当に大助かりなんだよなぁ…

「ゲイリー…頼むぜ?いつもどおりのかっこいいフライトをよ!!」
「はっ…あまりはしゃぎすぎて、振り落とされんなよ?行くぜ!!…で、目的地はどこだよ?」
「カキサトレイン発車駅前広場だ…俺達がこのメガロス帝国の運命を握っているって考えて戦うんだ…いいなっ!?」
「りょーかい…んじゃまぁ…最高速で飛ぶとしますか…」

そして、ゲイリーの運転で飛ぶこと3分…俺はカキサトレイン駅前広場上空にいたわけだが…
正直に言うと、半端じゃないほどの魔物娘達が駅前広場で弁当食べてんだよ…
どうして戦闘中に弁当を食べる余裕があるんだよ!?
しかも…捕まっている俺の仲間達まで、彼女達に口移しで食糧を食べさせて貰っている…だとぉっ!?
ふぅっ…まずは、捕虜であるあいつらが酷い目にあわされていないってのが救いだが…待っていろよ?俺が…助けてやるからよ!!

「ゲイリー…速度を3に落としてくれ…早速、攻撃を仕掛けるからよ!!」
「了解…ライザー…前回の飛行テストでワイヤー一本切れてたけど、ちゃんと直しているんだろうな?」
「あぁっ!?すっかり忘れてたぜ…まぁいい…まだメインとサブが1本ずつ残ってるからよ…弾薬補充しに戻った時にでも、増やせばいいだろ…」

俺はそう言いながら、自分の愛用しているガトリングガンを右手に装着し、左手でワイヤー射出装置を装着…ワイヤーがしっかりとステートメントの格納庫に固定されていることを確認すると、ハッチを開いてワイヤーを射出していったんだ…

シュルルルルルルッ…ガシィンッ!!

よし…さて、弾が尽きるまで…撃ちつくす!!
ちなみに、俺の愛用しているガトリングガン…【マハトナーク・P1】は、特別な武器でな?
なんとこのガトリングガン…大きさの割に撃った時のブレが少ないんだよ!
しかも、手にあまり負担がかからない作りになっているうえ、弾は三発同時に撃てる…
まぁ、単純に言えば、連射中もずっと弾は三発ずつ撃てるって事さ…
連射速度は…1秒間にバレル2回転だから…40発か?
無反動だから、俺のバトルスタイルにも優しいんだよ…
さらに、俺のガトリングガンはナッカーサーにプレゼントしたガトリングガンのモチーフにもなっているんだぜ?性能もほとんど一緒なんだ…
そこの部分で、俺のやさしさをナッカーサーが感じてくれればうれしいね
弱点は…とにかく重い!!
手に負担はかからないよ?でも、普通に撃ってたら腰に負担が来るんだ…
だからこそ、俺はステートメントからワイヤーで空中に吊られている状態にわざとなるんだよ…
これなら、何もしなくてもガトリングガンは下の方向を向いているし、俺がワイヤーを揺らせば、真横にも弾が撃てる…
つまり、俺はワイヤーにぶら下がった後は、何も考えずにガトリングガンを連射すればいいってわけ…分かりやすいだろ?
ちなみに、ナッカーサーにプレゼントしたガトリングガンは俺のよりは小振りなんだけどな…

「楽しい食事中にすまないが…戦いの時間だぜ?」

ダダダダダダダダダダダダダッ…

「きゃっ…!?わ、わたしのサンドイッチが…」
「くっ…あれだけ高度を保たれると…攻撃がとどかねぇ…おっとっ!!」
「うぅ〜ん…」
「や、やられましたぁ〜…」

「おい…あれって、ライザーさんじゃないか!?」
「まだ、俺達にも希望が残っていたって奴っすね…テスタロスさんが負けた時のリベンジを果たして欲しいっす!」
「あぁ…ザボルグ隊長の仇も討ってくれるといいんだがな…」
「そういえば、ホノカゲはどうした…?」
「ホノカゲなら、彼女達の真横に立っていたにも関わらず、彼女達にばれなかったから王様に現状を直接報告しにいったぜ?あいつ、狙撃部隊よりも諜報部隊の方が向いているんじゃないか?」
「それ、俺も思うな…」

「はっはぁっ!!どうしたどうした?攻撃が届かなくて悔しいのかい?まだまだ…撃って眠らせてやるぜぇっ!!」

そう言いながら、相手に行動する暇も与えることなく、彼女たちを凄い勢いで眠らせていっているわけだが…
こんなに上手くいっていると、自分で自分が恐ろしいぜ…
すでに40人は眠らせることが出来たかな…?
こう見えて、俺はミカルドのメンバーの中ではナッカーサーとザボルグの次に攻撃力が高いんだぜ?それに加えて、今回は彼女達に対して奇襲を仕掛けることが出来たからな…
面白いように眠ってくれるぜ…
だが、こんなに簡単に戦いの決着がつくのなら…ミカルドの仲間は負けているわけねぇんだよな…
つまり、彼女達の中でも強い連中がいるって事になるよな?
まぁ…今は弾を撃ちつくして補給しに戻るか…

ドドドドドドドドドッ…カシュシュシュシュシュッ…

おや…?そう言っている間に弾が切れたか…
じゃあ…今のところはこれにて…失礼させて貰うぜ?
お食事中に失礼しました〜ってね?
俺は心の中でそうつぶやくと、ワイヤーを巻くボタンを押して、ステートメント内部に戻ったのだった…

「ふぅっ…撃ってきたぜ…」
「お疲れ、じゃあ…戻るか?またすぐにここに戻ってこないといけないんだからよ?」
「あぁ、戻ってくれ…じゃあ、俺はあいつらに連絡をっと…」
「……待てっ!!連絡するのはもう少し後になりそうだぜ…敵さんだ!!まさか…空からも来るなんてな…」
「振り切れるか…?出来るなら、あいてにはしたくないんだけど…」
「あぁ…やってみ…」

だが、ゲイリーは最後まで言うことなく、言葉を失っていたんだよ…
まさか…追いついただと!?このステートメントに追いついたというのか!?
まったく…どんな魔物娘だよ…

「まさか…ここまで好き勝手攻撃しておいて…逃げれるなんて思っていませんよねぇ…?ふふっ…パイロットの人、私の好みの顔つきしてますし…」

「悪いけど…俺は自由がいいんでね…今のままの人生に…不満はないよ!!速度…最大!!」
「ダメそうだぞ…振り切れてない!!」

「……諦めが悪いのはどうかって思います…メリィのためにも、あなたたちにも負けてもらいますよ?」

「それは俺も同じ台詞が言えるぜ?ダークちゃん?おらよっ!!」

俺はそう言いながら、ステートメントに備え付けてあった催眠銃をはずし、彼女に向けて撃ったんだよ…
だが…ガラスをまさか、ハンマーを投げてくだかねぇといけなくなるとは思わなかったけどな?
おかげで、あいつらに文句言われちまうよ…

タタタッ…

「うっ…!?ゆ、油断大敵…ですか…」

「おい!!彼女を掴め!!ゲイリー!」
「まったく…俺のいる場所を少しは配慮しろよなぁ…よっと…」
「お嬢さん?パラシュートをどうぞ…?寝ている間の空中飛行は…危険ですからねぇっと!!」

そして、俺は彼女の背中にパラシュートをつけてあげると、即座にパラシュートをオープンさせたんだよ…
これで、落下した時の衝撃で死ぬって事はないだろ…
それに、追いかけてくるほかの娘達に対する目くらましぐらいにはなっただろうしな?
ちなみに、どうして俺が彼女の名前を分かったかというと…首につけてたスカーフに名前が書いていたから…かな?
とにかく、空中も油断はできねぇって事だ…
まったく、恐ろしい戦いになりそうだぜ…

「補給に戻るから、用意をしておいてくれないか?」
「ライザー、弾の使い方が荒すぎるぞ?」
「大丈夫だって!!無駄にはしてねぇからさ!!じゃあ、ジョージとマックとヨハンに弾とワイヤー…あと、窓ガラスを用意させておいてくれよ?」
「また壊したのか…?まったく、仕方がない奴だ…どのくらいで戻って来れそうだ?ん?」
「えっと、2分だな…じゃあ、頼むぜエンゼル?」
「了解した」

全く、俺のこの戦法は…こうやって拠点と戦場を行き来する必要があるから不便なんだよ…
でもまぁ、拠点には俺のサポートをしてくれる連中がいるからな…
さて、そろそろ到着するから、早めに弾を装填しないとな…

バババババッ…

「よぉっ!!今戻ったぜ?」

「うはぁ〜…また、酷い具合に窓を大破させてくれちゃって…ガラスは貴重なんですよ?分かってるんですか?別にいいですけど…」
「そんなに言うなってジョージ!!さぁ、早く終わらせるぜ?」
「まったく、ライザーさんがステートメントに乗って戦場に行ったら毎回こうだ…嫌になっちゃうよ…」

「さて、ヨハン、弾はどこだ?」
「えっ…?あっ…!?ちょっと待っててください!!多分食堂に…」
「おいおい…貴重な弾を食堂に放置しないでくれよ…別にいいけどさぁ…」

こうして、俺はヨハンが食堂に弾の入ったバレルケースを取りに行っている間、ジョージとマックの二人が窓を取り付けなおしているところを見ていたんだが…
まぁ…確かに大変そうだとは思うぜ?うん…

「ふぅっ…これで終わった…じゃあ、俺たちは今から昼食なんで…」
「あっ…ライザーさんの飯、チキンライスとオムライスのどっちがいい?」

「じゃあ、オムライスで頼む!!」

そうして、ジョージとマックが部屋から立ち去るのと入れ替わりにヨハンが来た訳だが…
ヨハンは結構おっちょこちょいでな?頼まれていたものをいつの間にかどこかに置き忘れるっていう…はた迷惑な特技を持っているんだよ…
ま、いいんだけどさ?
って、なんだ?あの赤色のバレルケースは…?
俺のこのガトリングガンに設置するバレルケースはかっこいいグリーンカラーのはずだが?
イメージチェンジか?俺は前の方がよかったんだけどなぁ…

「そのバレルケース…イメチェンでもしたのか?俺は前の方がよかったんだが?」
「そ、それがですね…慌てて取りにいったらバレルケースの上の所にあった棚に袖を引っ掛けましてですね…トマトソースが上からかかってしまいまして…」
「えぇっ!?なんだよそれ!?なんだか、微妙に嫌なタイプの嫌がらせじゃないか!!変なにおいがしたり…な?物凄いトマト臭がするだろ?」
「す、すみません!!」
「いや、いいよいいよ…替えのバレルケース、残っているんだろ?だったら、次に弾を補充しに戻ってくる時に、そのバレルケースを用意しておいてくれたらいいからさ?そんなに気にするなって!!まぁ、所詮トマトだしな?もっと匂いがきついものじゃなかっただけでもマシだって思うぜ?」

俺はそういうと、即座にバレルケースに付着したトマトソースを近くに吊ってあったタオルで拭き取り、少々染みが残っているバレルケースを装着したのだった…
まぁ、物凄い遠心力で中に入った少量のトマトソースだったらなくなってくれるだろうしな?
ミスなんて誰にでもあるんだから、俺はそんな小さいことで気にしないぜ?
さて…また戦場に戻るとするかぁっ!!

「よし…ゲイリー…また、戦場に行くとしようか?」
「へっ、今度はステートメントをバトルモードセットアップに移行させたからな?俺もサポートしてやるぜ!」
「期待してる!!さぁ…3分後には激戦だぜ?」

そして3分間のフライトを終えた後、俺は彼女達が未だ、俺のことを警戒しているであろう駅前広場に着いたんだよ…
へっ…やっぱり、警戒して空ばかり見てやがるな…
だが、そっちの方が好都合だぜ!!だって、俺の本当の目的は彼女達を眠らせるのはもちろんだが、それ以上にカキサトレインを出発させるのが目的だからな!!
彼女達は気がついていないだろうが…ちょうど、カキサトレインの出発時間が迫ってきているんだ…
中では恐らくグランマーグの奴が必死に出発準備をしているんだろうが、カキサトレインが出発する前にカキサトレインに乗られると、フォードコーポレーションまで一直線だからな…?
あそこには色々と便利なケイの発明品があるから、出来るなら彼女達に向かって欲しくないところでね?
で、空に夢中になっていてくれるほうが、俺としてはありがたいんだよ!!
俺が負けても、フォードコーポレーションと、ケイが無事ならメガロス帝国は残った兵士だけでもあと2年は戦えるほどの篭城力を持っているからな!!
負けるなんてのはあまり考えていたく無いんだが、もうそんな事を言っていられない状況にもなってきてるだろ?
恐らく、メビウスが今の状況に直面していたら、俺と同じように戦いで負けたときにどうすれば長時間、メガロス帝国が残るのかを考えていると思うぜ?

俺はそう思うと、またワイヤー射出装置を使いステートメントにぶら下がると、勢いよく彼女達のところに攻撃を始めたんだ…
さぁ、今度の俺の弾…避けれるか?

「ひゃっほぉーいっ!!ライザー様の攻撃だぜぇっ!!オラオラぁっ!!」

ダダダダダダッ…

そして、彼女達の真上でまたもやガトリングガンの弾の洗礼の嵐をプレゼントする俺…
バレルケースが1回転するたびに少量のトマトソースが辺りに降り注ぐのを大目に見れば、かなりかっこいいと思うぜ?
あっ…でも、ガトリングガンについたトマトソース…血が飛び散ったみたいに見えてかっこいいな…
これはこれで…ありだよな!!
さぁ…これほどの高火力攻撃にどう耐える?それを俺に…見せてみろって!!

「きゃっ…!?ま、また…彼なの…!?」
「うぅっ…眠いよぉ…まだ、昼間なのに…」
「それに…この空から降ってくるのは…血ですか?なんて物騒な…」
「違うよ?これ…多分トマトソース…」
「と、とにかく…彼は卑怯なのです!!正々堂々と地上で戦ってくれれば…」

おや…?まだ動揺してんのか…?これだったら、俺はまだまだいけそうだな?
さぁ…駅前で電車が発車するまで…眠り続けてくれよっ!!
…それにしても、今回は結構長くバレルケースの中に収納されている弾薬が持っているなぁ…
ヨハンの奴…奮発してくれたんだな?あいつのバレルケースは一回ごとに収納されている弾薬の数が増えているんだよな…
多分、研究をかさねたりしてるんだろうよ?中々、出来ることじゃねぇぜ?

そして、俺はそう思いながら、ノンストップで撃ち続けたわけだから、前の方にいた彼女達は半分以上、安らかな寝顔で眠りの世界に入った…
へっ…これだったら、俺でもいけそうじゃねぇか…
まぁ、油断はしないよ?しないけどさぁ…

ダダダダダダッ…カシュシュシュシュシュッ…

「ん…?弾切れか…まぁ、こんな所だろ…そろそろ退くぜ?」

俺がそう言いながらワイヤーをしまおうとボタンを押した瞬間だった…
いきなり彼女達の方から、変な動きをするものが飛んでくるのが見えたんだ!
あの放物線…ブーメランか?でも、こんなところにまで届くなんて…どこから投げた?
まぁ、所詮はただのブーメ…

シャキィンッ!!
ガシュッ!!ギガガガガガッ…

「ちょっ…ワイヤーがただのブーメランに…切られただとぉっ!?どんなつくりをしていやがるんだ!?えぇっ!?」

畜生っ!!一体、誰が投げてきたんだ…?
俺がそう思いながら見てみると、空中を浮遊している鳥系魔物娘が二人と地上であのダークって子を背中に背負って、何かを投げてくるコカトリスの女性が見えたんだよ…
しかも、目に涙まで浮かべてやがる…なんだ…?何か、俺が悪いことをした見たいじゃないか…
しかぁしっ!!今現在、悪いことをされているのは俺のほうだ!!
まさか…地上から飛んできているとは思っていなかったが…俺のワイヤーを切るってのは、中々できることじゃない…
褒めてやってもいいぜ?だが…
甘いんだよ!!あいにくだが…俺はワイヤー射出機にスペアワイヤーを仕込んでいるんだ!!
残念ながら、俺のほうが一枚上手だったようですよ?お嬢さん?

カシュッ…ガキィンッ!!

「ふっ…ガトリングガンで応戦できないから、代わりに催眠手投げ弾のプレゼントだ!!俺の贈り物…受け取ってくれるとありがたい!!」

そして、俺は催眠手投げ弾を投げるとすぐにステートメントの中に入ったんだ…
さぁて、追撃も来たことだし、そろそろ去るかぁ?

「おーいっ!!弾切れたから、拠点に戻ろうぜ?」
「弾切れ…そういえば、ジョージとマックがヨハンの自信作だって言って勝手にさっきの修理中においてたバレルケースがあったな…それを使ったらどうだ?」

……えぇっ!?あるの?あるなら最初に言ってくれよなぁ…
まったく、ゲイリーも人が悪い…
じゃあ、戻るってのは無しで…まだ攻撃をするかな?

「で、どこにあるんだ?」
「あぁ…そのロッカーの中に入れて…うおぉっ!?」

ドゴーンッ!!

「どうした?」
「被弾しやがったんだよ…ライザーの思っている以上に、彼女達のバトルスペックは高そうだぜ…?ほら、見てみろ…一撃でメガロス鉱石ランク2のこのステートメントの装甲に73%のダメージだとよ…一体、何を使ったんだ?」
「わからねぇ…けど、強い武器なのはたしかだぜ?今はまだ装甲で止まってくれてるけど…いつまでもつのか…」

ドゴォッ!!バゴォンッ!!

「くそっ!!左エンジンに26%のダメージ…これは、戻れそうに無いぜ…?どうする?」
「……ちっ、さっきまでいい調子だったのに、いきなりこのピンチかよ…やっぱり、戦いってのは最後までわからねぇもんだな…仕方がない!!やれるところまで…やってやるさ!!」
「だったら…俺は出来る限り彼女達の攻撃を回避してみる…といっても、飛行高度が一緒だからきつい部分もあるといえばあるんだが…そこは、お前に期待するよ…頼むぜライザー?この戦いに勝って、お前のことをリーダーと呼ばせてくれ…いいか?負けるなよ?」
「へっ…イケメンがそんなさわやかな顔で俺に話しかけてくるんじゃねぇよ…でもまぁ、やってやるぜ?せいぜい派手に動かしてくれよ?よろしく〜!」

まさか…こんなにすぐに状況が覆されるとは…しかし、俺だってミカルドの一員だ!!ただでは負けてやらねぇ…覚悟しなぁっ!!
俺はそう言って、ワイヤーでまたも、定位置についたのだった…
さぁ…撃ちつくしてやるぜ!!

ドドドドドドドッ…
ヒュンッ…ヒュンッ…

これはなんだ…?見たところ、空中にいるカラステングの彼女が投げているようだが…コレがステートメントに大ダメージを与えている正体か?
大きさは中くらいで、黒色…完璧に鉄製で当たったら死ぬLVの攻撃力…
へっ…へへっ…まさか、父さんと母さんがいる世界に結構早めに行くことになりそうだなこりゃあ…
だが、ただでは負けねぇからそのつもりでよろしく!!

「おっ?さすがゲイリー…ステートメントを全体的に傾ける…いいひねりだ!わかってるじゃないか…さて、空中にいるからって、俺のガトリングガンの攻撃が食らわないと思うなよ?こうやって遠心力を利用すればな…俺の体は真横に向くから、攻撃が出来るんだよ!!」

ドドドドドドドッ…カカンッ!!
ヒュンッ…ドゴォッ!!

「うおぉっ!?くそ…熱いなぁ…まだ持つよなステートメント…俺の愛機なんだぜ?頑張ってくれよ…そして、そこのカラステング!!俺のガトリングガンを全部その黒い武器ではじくの、やめて貰えないか?きついんで…」

ヒュンッ…

ちぃっ…足のふともも近くをかすりやがった…
俺、あまり怪我とかしたくねぇんだけど…痛えなぁ…
全く、人の話はしっかり聞けよなぁ…?
それと、ダークちゃんに攻撃を仕掛けたから怒って俺に攻撃をしてきているんだろうけど…俺はちゃんとダークちゃんにパラシュートつけてやっただろ?
そんなに怒らないでくれ…まだ、生きているんだし…いいじゃないか?

「ったく、君…少々強すぎねぇ?だが、このガトリングガンの売りは…連射力なんでねぇっ!!いつまで防げるかな?」

「くっ…あうっ…あぁっ!!」

よし…さっそく当たってくれたな…
いつまでも俺の連射力を防げたら、そいつはもう普通じゃないよ?
さて、一発当たれば残りは全て当たるのがガトリングのよさだ…
しっかり味わってくれよっ!!

「おらおらおらぁっ!!眠ってくれっ!!落下した時は…下にいる仲間に助けて貰ってくれよ?」

「うっ…まだ…わたしは刹那…メリィの親友である私が…こんなところで負けていい道理はないはずです!!いける…飛べる!!てやあぁぁぁっ!!」

……な、なんだとぉっ!?俺のガトリングガンを受けながら…直接俺の方に向かってくる…だと…?
普通じゃない…絶対に普通なんかじゃねぇっ!!あの子…とんでもないぜ…
だが、それでも俺は自分のプライドにかけて、あの子をガトリングガンで…撃ち続けてやる!!

「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!まだ…まだ俺は負けてないんだ!!レディーには悪いけど…負けられないんだよぉぉっ!!」

だが…次の瞬間、俺は自分のワイヤーが切断される音を聞くと、真下に落ちていったんだよ…
まさか、下のコカトリスの女性、俺の催眠手投げ弾を回避したってのか…?
こうしてはいられない…早く予備のワイヤーを射出しねぇと…
だが…俺がそう思ったときだった…

「この一撃で…私のクナイで…沈めてみせる!!てやぁぁっ!!」

ザシュゥッ…ジジジジジィッ…

「畜生…こんなところで終わりかよ…ライザー、すまねぇ…ちくしょおぉぉぉぉぉっーーー!!」

ドゴォォォンッ!!

「ゲイリーーーーーッ!!」

そう…俺は下に落ちながら、愛機のステートメントが爆発するのを見たんだ…
まさか…こんなことって…一瞬だぞ…?一瞬で…こんな…
これが…戦争か…?これが…

ドスッ…

「ぐほぉっ…!?ちぃっ…あの高度からコンクリートにたたきつけられてまだ生きてる…自分の生命力の高さにはびっくりだが…ゲイリー…まさか…死んだのか…?あの爆発じゃあ…生きているわけが…」

「みんなっ!!空中で私達を攻撃していた人が落ちてきたよ!!」
「そうですわね…私達の昼食を邪魔した償いは…そのからだでして貰いませんと…ね?」

くっ…俺が地面にたたきつけられると同時に、彼女達が集まってきやがったか…いてっ…
くそぉっ…体がいてぇ…だが、俺は…ただで負けるわけには…

「いかねぇんだよぉーーっ!!」

俺はそう叫ぶと、地面にうつぶせになって倒れたまま、ガトリングガンを乱射したんだ…
俺は…俺は…カキサトレインの発車する時間を稼がないといけねぇんだ…
負けられねぇ…ゲイリーのためにも…負けられねぇっ!!
彼女達は可愛いと思うが…俺の為にここで眠ってくれ!!

ドドドドドドドドドッ…

「ぐぅっ…!?右肩が…折れそうに痛いな…まだだ…まだやれるはずだぁっ!」

「きゃっ…!?」
「ま、まだ抵抗をするの…!?一体、普通の人間である彼のどこにそんな力が…惚れましたわ…彼の底力に…」
「惚れてないで、彼の攻撃を止める方法を考えてよぉっ!!あうっ!?」

ちっ…無反動のはずなのに…なんか響くな…
まだ…俺はまだ…撃てるはず…だぁっ…
頑張れよライザー…ミカルドのメンバーの一人なんだろ?だったら…
俺がそう思いながら撃ち続けていると、いきなりカキサトレインの発車汽笛音が聞こえてきたんだ…
来たか…遂に…俺の目的が…達成されたんだな…

「ははっ…はははははっ!!勝った…俺は戦いには負けてるが…それでも勝ったぞっ!!俺は……俺は…がふぅっ!?」

俺は自分の目的が果たせたことに満足し、自分のガトリングガンの弾が尽きるという…まさに満身創痍の状態で後頭部を殴られ…そして、意識をうしなったのだった…

「…大丈夫、気絶させただけだから…それと、彼も一緒にジュンコさんに診てもらえないかしら…?」
「彼は…?」
「私が空中で破壊した機械の運転席に乗っていたのよ…私、絶対に人を見殺しにはしないから…クナイで攻撃中に当身を入れてかついできた…」
「凄いですね…あ、でもジュンコさんだったら、数人でこの駅にとめてあった電車に乗っているはずですけど…電車…出発してしまいましたし…」
「だったら、回復をさせてあげて…結構、傷は見た目以上に酷いわよ…?」
「はっ!!了解です!!」
「ふぅっ…さて、私はそろそろメリィに報告でもしにいこうかな?」

〜〜〜デメトリオの視点に移ります!!〜〜〜

「ら、ライザーーーーっ!!まさか…ミカルドがこんなに…」
「ちょっと…これは予想外ですね…それに、カキサトレインにも数人が乗り込んでいるようですし…」

俺とケイはライザーが倒されたとき、異常なほどのパニックに陥っていたんだ…
いや、正確にはケイはどうかわからないんだけど…俺はパニックだね…
もう…本当に勝てないんじゃないのか…?なんて、そんな事を考えてしまうし…っていうか、カキサトレインに数人が乗り込んだのなら、それは非常にマズイ状況じゃないか!!
ここだろ…?逃げるタイミングはここなんだろ!?そうだって言ってくれよケイ!!頼むよ!!

そう、俺はそう思いながらチラッとケイを見てみるんだけど…ケイは相変わらず、何かを考えている表情を浮かべるだけ…
頼む…頼むから…ここで逃亡許可をいただきたい!!
だって、カキサトレインがここに到着したら…逃げられないじゃないか!!
その場合、真っ先に弱い俺が捕まって…メリィに酷い目にあわされるんだ!
きっとそうなるに違いない…いや、そうに決まっている!

「…け、ケイ?そろそろ逃げたほうが…」
「いや、僕はまだ、カキサトレインにいるグランマーグを信じている…だから、デメトリオは僕を信じてくれ…」
「…うっ…で、でもさ…ここまできたら…」
「いいからっ!!黙ってグランマーグを応援するんだ!!」
「…わかったよ…まだ逃げない!」

俺はケイにそういうと、画面をまた見直したのだった…
12/10/20 20:33更新 / デメトリオン
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■作者メッセージ
どうも!!

いやぁ…ライザーもかっこよく消えましたね…
それに比べて…デメトリオの情けないこと…
しかし…それがデメトリオのよさでもあります!!

主人公はデメトリオ…それを忘れないで下さい!!
そして…普通の兵士たちが彼女達の夫になったという事実も…ね?

物語はハッピーエンドに向かって物凄いスピードで進んでおります…
なので、次回ものんびりと読んでくださるとうれしいです!!
ありがとうございましたーー!!

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