読切小説
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デイズド・アンド・コンヒューズド
 じゅぷりじゅぷりと暗い部屋の中、淫らな水音が響く。
 壁際に立ち、下半身を露出した男の名はレンドル。彼の足元にはリスミーと言う名の一人のエルフが跪き、腰に両腕を回して股間にすがりつくような体勢で、一心にフェラチオをしている。
 本来排他的で、人間との交流を激しく嫌うはずのエルフだが、リスミーの表情に嫌悪の情は見えない。それどころか、軽く目を閉じて頬を紅潮させ、濁った唾液を唇の端から漏らしながら口淫に耽るその様は、愛情と欲情とに満ち溢れている。
 手を使わずに口だけでするフェラチオは女の顎や首にも相当の負担を強いるはずだが、リスミーは辛そうな様子を見せない。
 じっとり汗ばんだ肌、下着も着けない生乳に薄手の衣服がピッタリ張りついている。濡れて透ける布は乳首の勃起と乳肌の白さを際立たせ、単なる裸よりもなお扇情的。熱い汗の理由は、閉めきった部屋で激しく運動しているせい、だけではない。
 興奮を隠すことも出来ないリスミーは両手でレンドルの腰を抱き寄せるようにしているので、彼女が頭を一回前後させるたびに唇に陰毛が触れ、亀頭が喉奥へ届く。
 熟練の娼婦でもなかなかしてくれないくらい深く激しく男性器をしゃぶられて、レンドルは今にも腰が抜けそうだった。
 彼を気持ちよくしてくれるのは、リスミーの口だけではない。
 彼女の長く、キレイな金髪。木漏れ日のように透明で、かつ純粋な髪の毛が、情熱的なヘッドバンキングに伴い、揺れ、レンドルの陰嚢や太股を優しく撫でるのだ。
 絹よりも繊細な毛髪に、不規則かつ挑発的に刺激されると、ただでさえ弱い部分はもう快楽の虜だ。
 普段は神聖さすら感じさせるリスミーの髪の毛が、今やいかがわしい性具と何ら変わりなくなっているというギャップも、彼を大いに喜ばせる。
 ご奉仕エルフが剛直を舐め上げる合間に、ちろりと覗いた赤い舌が唇に張り付いた短めの陰毛を舐めとり、口内へ運んだ。レンドルのものを咥えたまま、しゃぶりながら毛を飲んでみせる。
 清純さの具現化ともいうべきエルフが魅せた淫猥すぎるパフォーマンスは、レンドルをいよいよ我慢のならない領域まで押し上げた。
 思わず射精しそうになって、何とか堪える。しかし我慢汁が漏れてしまえば、今まさに男性器を口に含んでいるリスミーがそれを悟るのは必然。咥えた男に余裕が無くなってきているのを知った淫乱エルフは、ニンマリ笑って尿道を吸い上げ、精液を啜ろうとし始めた。
 口と竿との間で鳴る唾の音も、じゅぱじゅぱといっそう下品になっていく。リスミーの小さめの口の中で、自分のものがどんなに手酷く可愛がられているのか、彼には想像すらつかない。ただただ、彼女の愛情たっぷりなご奉仕に身を委ねるだけだ。
 口蓋で亀頭を擦られ、頬を凹まされ鈴口を吸われ、遂に忍耐力の尽きたレンドルはリスミーの頭に右手を伸ばした。
 何をされるか既に知っている彼女は、ちゅぅぅぅっと息を吸い、喉を開いて精液を胃で受け止める準備をして、彼の股間へ思い切り顔を寄せてきた。
 ぼうっとして焦点の合わない、普段の凛とした雰囲気を全く感じさせない目つきのリスミーが竿の根本を唇で優しくあむあむする。熱烈なキスに感極まったレンドルは彼女の後頭部を優しく撫でさすり、そのままエルフの喉奥に向けて思い切り射精した。

「ぐ……ぅ、んむ、ぐ、くっ……ぁ、こく、っ……」

 親が子を褒めるときのように頭を撫でながらも、レンドルの手はリスミーに逃げることを許さない。口内を男性器で専有され、その上に大量の粘液を注がれて呼吸すら困難なはずの彼女は陶然としたまま濃い精液を飲み下し続ける。
 ゲル状で喉に絡みつき、味も酷いはずのザーメンをこの上なく美味しそうに飲んでくれるリスミーが愛しすぎて、そう簡単には萎えられない。ご奉仕好きな美少女を離したくなくて、頭を撫でる手にもつい力が入る。
 細い喉をこくこく動かしながら、リスミーは射精後もなお収まらない陵辱を受け入れる。飲みながらしゃぶることは流石にできないらしく、涎を垂れ流しながら精飲に集中している。
 収まらない勃起を、ただ口に包まれているだけではもどかしく思ったレンドルはまだザーメンを飲みきれていないリスミーの口に再び腰を打ち付け始めた。
 手で女の頭を固定し腰を振る、いわゆるイラマチオである。
 喉にさんざん射精しておいて休む間もなく口を犯しにかかる、余りに勝手な所業だったがリスミーは腰に絡めた手を離さない。うめき声にも、甘く媚びるような感じが強く出ていた。

「くふ……んぐ、ふは、ごくっ……う、ぐ、ふ、ふぅ、ふぅ、うぐぅぅっ……!」

 ドロっとした粘度の高い唾液がダラダラと溢れ出る。喉の奥を乱暴に突かれて反射的に分泌されたものではあるが、白濁と混ざり合った涎は男の獣欲を煽るのに十分すぎた。

「はぁ、はぁ、ああ、いいよリスミー……リスミーの口、最高だ……!」
「……こく、っ……ふふ、う、ぐっ、ふふふ……」

 なぜリスミーが、エルフでありながらこんなにも男に、人間に対して従順なのか。
 事の起こりは数週間前にまで遡る。





 その朝もレンドルは、出かけしなにリスミーの顔を見ることが出来た。

「おはようございます」
「お、おはようございますリスミーさん」

 凛とした、精悍とも言えるリスミーの出で立ちは、緩みがちな朝の空気を引き締めてくれる。
 彼女はまだ隣に引っ越してきたばかりだが、既にレンドルは彼女のことが気になり始めていた。朝、彼女の顔を見られなかった日は一日中仕事に身が入らないくらい、彼女に好意を抱いていた。

「き、今日もいい天気です、ね」
「ええ。仕事が捗りそうで、何よりです」

 しかし一方でレンドルは、リスミーとお隣さん同士以上の深い関係になろうともしていなかった。
 別に、彼が主神教信者だというわけではない。実際、彼の住んでいる街は魔物達を差別しておらず、街を歩いているだけでも多くの魔物娘たちと出会える。
 しかしエルフという種族は、魔物娘ともまた少し違ったものだということも、緑豊かな田舎で育ったレンドルは理解していた。
 直接接触することはほとんど無かったものの、レンドルの村の森にもエルフたちが住んでいると言われていた。森の奥、人間の足ではなかなかたどり着けないくらい深くに、森と共に生きる者達がひっそり暮らしており、お互いに干渉すべきではないと親に教えられていた。
 人間のことを格下に見られているらしいことは、子供時代の彼にとっても確かに面白くなかった。しかし成長するにつれて、異文化との接触を可能な限り避けるというエルフたちのスタンスは、争いを避けるための有効な方法なのだと理解できていた。
 考え方が異なればそこには衝突が生まれる。どちらが悪いというわけでもないのに、お互いにお前がおかしいお前が間違っていると、不毛な言い争いを繰り返すことになる。
 であれば、むやみやたらと異種族と関わるよりは、一つの種族内での交流を重視した方が安心だ。特に、人間のように種族内での意思統一すらままならない奴らなら。
 
 リスミーは、森の奥でひっそり生きているはずの本来のエルフとはちょっと違うらしい。町中に、レンドル家の隣に越してきたことや、隣人として彼に挨拶してくれることなどからも、それは十分読み取れる。
 しかしそれでも彼女はエルフ、人間ではない。知人として、隣近所の付き合いは大いに歓迎だが、友人とか恋人とか、そういう深い関係になるのはためらわれる。
 昔住んでいた、あの自然に囲まれた田舎町を思い出させてくれる彼女の匂いや、貴族的な顔立ちにはやや似つかわしくない、どこか蠱惑的な雰囲気を放つ口元のほくろや、全女性の平均値から見れば控えめだがエルフとしては規格外に大きく膨らんだ胸など、レンドルは男としてリスミーに非常に惹かれていたが、それらを自分のものにするのは半ば諦めてしまっていた。
 彼は毎朝、リスミーの綺麗な顔や透き通るような髪を拝むだけでもそれなりに満足していたのだ。
 もちろん彼も健康な若い男であるからして、美少女、それも高貴な雰囲気をまとう神秘的なエルフに対して欲望を感じない訳は無い。ただ、エルフは人間よりもずっと強いと聞いていたし、只の人間である彼が言い寄った所で相手にされないだろうと思っていたのだ。

 そんなある日。レンドルは夕方の帰宅途中、道端で声を掛けられた。

「そこなお兄さん。ちょっとした掘り出し物があるんですが、買って行きませんかね」

 振り向いた先には、まるで童話に出てくる悪の魔法使いのようにフードを目深に被り大きめの外套に身を包んだ、いかにも怪しげな人物。
 声の感じや、フードの端から出る長く綺麗な金髪から察するに、その怪人物はどうやら若い女らしい。目元は完全に隠れているが、まだ陽の落ちきっていない時刻、唇と、その近くのほくろはよく見える。謎の人物は袖口を探り、訝しむレンドルに小さな品物を見せてきた。

「……これ、なんだか分かりますかね。ただのアクセサリじゃあ、ありませんよ」

 取り出したのは、小さな指輪の如き装身具だった。
 リング状に編まれた、蔦か小枝のような輪に薄黄緑の宝石が取り付けられている。金属製の部分が植物に置き換わっている以外は、普通の指輪と大差ない。
 そんなよく分からない物を見せられても、レンドルには反応のしようもない。

「……なんですか、それ? 押し売りなら、他所へ行って……」
「これはね。ただの指輪じゃないんですよ。これさえあれば、あなたは催眠術が使えるようになる」
「催眠? それはまた……」
「嘘じゃあ、ありませんよ。これを左手の薬指にはめて、右手で触れながら言葉を発せば、言ったとおりのことを思い込ませることが出来るんです。
 『お前は俺のものだ』って言うだけで、どんな美人でもあなたの恋人に出来ますよ」

 最後のフレーズは、種族の壁を理由にリスミーへの好意を諦めようとしているレンドルにとって大変魅力的だった。が、そこでほいほい飛びつくほど彼は無垢ではない。

「それはすごいな。でも、そんな良い品物ならきっと値段も高いんだろう? とてもじゃないが払えんよ」
「いえいえ、お代は要りません。試供品ということで、まずは使ってみて下さい。
 後から使用料を請求するなんて、そんなケチくさい真似はしませんから。あなたのしたい事、まずはやってみてご覧なさい。
 きっと悪いようにはしませんから、ね」

 言い終えたと思うと、その人物は消え去った。立ち去ったのでも逃げたのでもなく、本当に一瞬にしてレンドルの視界から消えたのだ。
 突然のことに驚き、もしや白昼夢でも見たかと考えかけたレンドルは、しかし右手の中に違和感を覚えた。
 果たしてそこには、あの指輪があった。謎の女曰く、他人を催眠で操れるという、恐るべき指輪が。
 
 指輪を使って女を意のままに操れるなどという話を、レンドルは信じなかった。
 確かに彼の住む街には魔物娘が生息しており、彼女らの魔力が籠められた魔道具なども存在している。他人の認識を操ることだって、魔物の力を使えば不可能ではないかもしれない。
 だが、うまい話にはたいてい裏があるもの。「指輪の催眠でどんな美人でも自分のものに出来る」など、今まさに片思い中の彼にとって余りに都合が良すぎた。
 使ってみる気になれず、捨ててしまおうかと考えたが黄緑色の宝石は非常に美しく加工されており、またサイズも大きめで相当な価値がありそうに思える。
 金に困ったらどこかで売ろう。それまで、とりあえず手元に置いておこう。そんな風に判断を先送りしていた彼は、更なる好機を得た。
 ある晩、料理を作りすぎたといって、リスミーがレンドルの家を訪ねてきたのだ。
 玄関の扉を開けて、鍋を持ったリスミーを見て驚いた。今まで彼女の方から、こんなふうに接触してくることなど一度も無かったからだ。
 様々な野菜を煮込んだシチューを謹んで頂戴し、即座に追い返すのも非礼だろうか、何か少し、世間話でもしたいなと思った時。彼はあの指輪のことを思い出した。
 これも何かの巡り合わせかもしれない。せっかく訪れた機会をむざむざ捨てられないくらいには、彼はリスミーのことを美しいと思っていた。
 ちょうどポケットに入れていたそれを、彼女に見とがめられないよう背中に隠し、あの怪人物が言った通り左手の指にはめてみる。レンドルの指のサイズにぴったり合うその指輪を右手でつまみながら、恐る恐る言った。

「どうぞ、上がっていって下さい。遠慮なさらず」
「では、少しだけ……」

 今まで挨拶を軽く交わす程度の間柄だった相手を、こうもあっさりと自宅へ連れ込めた。レンドルの中で指輪の力を信じたい気持ちが、かなり大きくなってきていた。

 リスミーを居間へ案内し、茶を飲ませてしばし歓談する。長い時間会話するのは今回が初めてだったが、そうとは思えないくらい話が弾んだ。

「レンドルさんとちゃんとお話するのは今日が初めてでしたが、なんだかずっと前から知り合っていたような気もしますね」
「そうですね。俺もリスミーさんと、どこかで会っていたのかもしれません」
「人間の知り合いは、ほとんどいないはずなんですけどね。
 ……そういえば前、どこかの僧が生まれ変わりについて説法しているのを聞いたことがあります」
「前世の因縁、ってやつですか。本当にあるんでしょうかね、そう言うの。
 前の人生で、俺とリスミーさんは恋人同士だった、とでもいうんでしょうか」

 『俺とリスミーさんは恋人同士だ』と発言するときだけ、レンドルは指輪に触れた。
 それを聞くや否や、ふっとリスミーの表情が消える。一瞬、焦点の合わない虚ろな目付きをして、夢見るような口ぶりで言った。

「そうだ。私は、レンドルさんの恋人……愛し合ってたはずなのに、なんで、今まで……」
「な、なんでもない、なんでもないんだよ。リスミーは俺の恋人だよ、ずっと昔からそうだろ」
「そうですよね。うん、絶対そうです。この街に来る前から、好きだったんですから。ね?」

 演技している様子も、ふざけてからかっている様子も見えない。真剣そのものの表情でリスミーは言う。指輪の力が本物であることを、もはや信じないわけにはいかなかった。

 さて、催眠の力で種族の壁や習慣の違いを一足飛びに越えてエルフと恋仲になったレンドルだったが、すぐに彼女の身体に手を出すようなことはしなかった。
 それは変な力で女の脳を好きに弄り回していることへの強い罪悪感によるもので、キスしたり手を繋いだりすることはあっても、それ以上の行為にはなかなか及べなかった。リスミーの方から誘いをかけてくることもあったが、適当に理由をつけてはごまかしていた。
 中途半端ではあるが、レンドルも自分のためだけに行動できるような、根っからの悪人ではなかったのだ。
 しかしそんな事情を、催眠で洗脳されたリスミーは知る由も無い。愛し合っているはずの男がずっと女を抱かないでいれば、当然不審に思われる。
 ある日帰宅したレンドルは、いつの間にか家にいた(合鍵を渡していたため、不思議でもなんでもないのだが)リスミーに押し倒された。

「お、おい、なんだいきなり」
「なあ……どうして最近、してくれないんだ? 他の女でも……見つけたのか?」
「そんなわけあるかっ。リスミー以上の女なんて……」
「だったら、いいじゃない」

 言うなり、リスミーは自身の唇を強引に重ねてきた。
 偽りの恋人関係で、キスし合うことは何度かあったがこんなに強引に、しかも彼女の方から挑んでくることは全く無かった。
 口元に、リスミーの熱い粘膜が感じられる。粘度の高い唾とともに舌が口腔内へ入ってくる。意志に反して口を啜られ、舌を絡め合わせることも忘れてしまう。
 一方的にレンドルを吸い上げると、リスミーは満足気にニヤリと笑った。膝立ちになって腰を跨ぎ、ズボンの舌でパンパンに張り詰めた男性器を優しく撫でる。

「ふふ。こんなにして……溜まってたんじゃないのか? 遠慮なんてしなくていいのに」
「いや、しかし……!」
「何をためらうの。私たちは恋人同士、でしょ? 愛しあって当然でしょう。ねえ?」

 レンドルの言葉も聞かず、リスミーはズボンと下着を降ろし、彼女自身も下半身の服を脱ぎ捨てた。
 清楚なエルフに似つかわしく、リスミーの女性器はほとんど毛に覆われておらず、割れ目もまるで少女のそれの如くぴっちりと閉じている。そんな処女の膣口から、涎のような愛液がだらだら流れ出ている光景はいっそ非現実的で、見ている男の頭をくらくらさせた。

「ふふ。こんなに、がちがちで……ちょっと漏れかけてるじゃない。キスだけでこんなにして……そんなに私のことが好きなの? 嬉しいなあ」
「ちょ、ちょっと待て、お前なんか、おかしいぞ……?」
「待たないよ。こうして襲って欲しくて、ずっと待ってたんじゃないの? もう何言っても、聞いてあげないんだからね」

 リスミーは完全に発情しきっている。禁欲を旨とするエルフにあるまじき状態だが、こんなことになったのは間違い無く催眠のせいであろう。
 催眠効果の続く時間も解除の条件も分からなかったため、毎日二回、朝と晩に一回づつ恋人催眠を施していたのが悪かったのかと反省したが、もう遅い。右手人差指と中指とで、処女らしい膣を無理やり広げて、リスミーの股が亀頭を飲み込もうとしている。

「じゃあ、いく、よっ……ん、うぅっ……!?」
「う、き、きつい……!」

 狭い膣道が肉棒を必死にくわえ込む。めりめりと音がしそうなくらい強引な挿入で、破瓜の血が一筋流れる。純潔の証がレンドルの股を濡らし、陰嚢を優しく刺激した。
 出血までしているくらいだから、さぞ痛かろう、早く抜いてもらおうとリスミーを見上げたが、そこに苦悶する女はいなかった。処女性器にいきなり挿入されてなお、彼女は嬉しそうに、気持ちよさそうにしていたのだ。

「はぁ、はぁ、いい、これいい……ゴリゴリってして、アタマずんずんくるよ……!」
「無理すんな、リスミー、血が出て……! 痛いだろ!? 抜けよっ」
「痛くなんか、ない……気持ち、いいんだよ……これ、最高……!」

 催眠の恩恵なのだろうか、股から血を流しながらもリスミーはエクスタシーを気持ちよくなれているらしい。
 それでもはじめは、レンドルも彼の良心に従い止めようとしていた。しかし、ちょっとザラザラした感触の、しかし大量の愛液で十分に滑りやすくなったエルフ膣で竿を扱かれていると、そんな自制心はあっさり消え失せてしまう。セックスしている相手が、前から愛しく思っていた極上の美女なら、なおさらである。
 いつのまにかレンドルは抵抗を止め、自分でも腰を使うようになっていた。
 経験不足を情熱で補うような、激しすぎるリスミーの騎乗位搾精。彼女が腰を落としてくるタイミングに合わせてレンドルも男性器を突き込む。
 秘裂の奥の方まで亀頭を押し込んでやると、薄紅色の粘液が溢れ出てエルフの悦びを教えてくれる。血は未だ止まらず、何処か膣壁に裂けた部分があるはずだが、そんなことは全く感じさせない。むしろ彼女の快楽は、その喘ぎ声とともに高まっていくようだ。

「あ、ハ、あうっ、ひ、いいっ! これいい! も、もっとおく、ぐちゃぐちゃにしてぇっ!」
「き、気持ちいい、気持よすぎて、もう……!」

 濡れそぼった処女膣に責め立てられて、たまらずレンドルは限界を訴えた。膣内射精を避けるため退いてくれるかと思ったが、むしろリスミーは上体を倒し、両腕を彼の脇の下について何処へも逃げられないようにした。

「あひ、いい、いいよ、そのまま出して……! 濃いぃの、ひゅっ! 私の中に、全部……!」
「待て、それはさすがにまずい、抜いて、くれ……!」
「いーや。外に出すなんて、あハ、許さないよ……! ナカに、子宮に出しなさい……!」

 女性と言えどもエルフ。人間よりも遥かに強力な生き物であり、腕力で押しのけるのは容易いことではない。ましてこうして騎乗位で愛され、快楽漬けにされながらでは全く不可能なことだ。
 抵抗むなしく、余りにあっさりとレンドルは屈した。
 竿の根本まで女性器に飲み込まれ、全身を長い手足に絡めとられての強制中出し。未だ誰も触れたことのない子宮を白濁で汚され、リスミーは恍惚に耽る。
 射精の解放と虚脱感が、レンドルの中にあった良心を押し流していく。性行為をためらってはいても、こうして迫られて流されて、ヴァージンを奪って種付けまでしてしまった。
 罪を犯してしまったのなら、一回でも二回でもそう変わらない。きっと自分はこれから何度もリスミーを陵辱するのだろうと、膣奥から逆流してきた桃色の濁液を見ながら、思っていた。むしろ、一回してしまったのだから二回も三回も変わらないだろうと、そう言い訳できるのを嬉しく思うくらいだった。


 そうしてレンドルは、思うがままにリスミーを貪るようになった。
 心を愛で埋め尽くされた彼女はどんな要求でも聞いてくれる。どれだけ求めても喜んで応じて、彼以上に乱れてくれる。母性すら感じさせる、寛容すぎる彼女にどんどん溺れていった。
 外出する機会は減り、薄暗い家の中で延々交わり続けた。フェラチオの後、精子を飲みきってもいないリスミーにイラマチオをしたり、萎えるまで舐めてくれと言って数時間しゃぶらせ続けたり、寝ているところを後ろから犯したり、たとえ本当の恋人同士であったとしてもまずやらないような、もしやったらまず間違いなく嫌われてしまうような蛮行を繰り返した。
 それでもリスミーはレンドルを見捨てない。エルフらしい綺麗な身体の中と外を精液漬けにされて、嬉しそうに笑ってくれる。
 催眠で遊ぶことにも、抵抗感が無くなっていった。
 例えば夜、リスミーを外へ連れ出して人気のない路地裏へ導き、「ここは風呂場だ」と暗示をかけてみる。すると彼女は身体を清めるため、服を脱ぎ捨てて全裸になるのだ。
 伸びをして、リラックスした表情で髪を洗うような仕草をしているが、そこは野外。可能性は低いとはいえ、誰かが通りがかってもおかしくない場所である。
 そんな場所で、自分は風呂場に、安全な場所にいると思い込んで裸身をさらけ出してしまっているリスミーを見ると、興奮のあまり更なる催眠をかけずにはいられない。
 ズボンを下ろし男性器を見せて「石鹸を胸で泡立てろ」と命ずると、裸のままひざまずいたリスミーは手のひらサイズのおっぱいを寄せてくる。エルフにしてはかなり大きめな乳房で、竿を思い切り挟みこむ。
 大きめといっても魔物娘の平均には及ばない、人間での標準サイズよりやや小さいぐらいの胸なので、挟むといっても乳の肉を手で掴み、当てて擦りつけるような形になる。
 視覚的な刺激で言えば、それこそホルスタウロスのような種族にしてもらったほうが強烈なのだろうが、リスミーぐらいの大きさでも十分パイズリは気持ちいい。
 小さい分、重力に引かれて垂れることが少なく、ぷりぷりしてハリのある胸肉は押し付けられた亀頭に反発し強い刺激を与える。また、胸が小さい分リスミーの手が肉に触れるのをより良く感じ取ることが出来る。パイズリのみならず、手コキのような気持ちよさもあるというわけだ。
 教えられたわけでもないのに、リスミーは滑りを良くするために唾を口の中に溜め、ムネと男性器との間にだらーっと落とす。ぬっちゃぬちゃと卑しい音を立てながら、白い粘液が出るまで「石鹸を泡立てる」わけだ。
 パイズリするにはやや少なめな乳肉を、頑張って集めて擦りつけて来るリスミーの姿はとても健気で、見ているだけでも我慢汁が漏れてくる。慎ましいおっぱいが透明な粘液でぬらぬら光って、貧乳とも巨乳とも異なる魅力を放つ。
 胸をぎゅうぎゅう押し付けて、溢れてきた先走りを肌に塗り広げる。しっかり掴んだ乳房を左右互い違いに動かして、白濁液を求める。
 深さの足りない谷間からはともすれば竿が飛び出てしまいそうにもなるが、おっぱいでしっかりホールドされていればその心配は無い。ムギュッと乳に挟み込んで、強い圧迫と刺激で絶えることの無い快感を与えてくれる。
 そうして胸で奉仕されているとすぐに射精したくなってくる。リスミーは一人で風呂に入っていると思い込まされているため、レンドルも余計なことは言わない。
 欲望のまま、搾られるままに、谷間へ精液を放った。
 胸元に向けて射精されても、リスミーは手を止めない。「しっかり」泡立てるよう命ぜられているため、完全に精子が出終わるまではパイズリを続けるのだ。
 射精の最中も乳奉仕され続けるせいか、搾り出される精液の量が多い。
 出し終わりかけのところを竿の根本から先の方まで乳でしっかり揉まれ、尿道に残った分も搾り出されてしまう。さしずめお掃除フェラならぬお掃除パイズリといったところで、寄せて上げて作った谷間には今日もたっぷりザーメンが溜まった。
 石鹸の泡だと誤認させられたその白濁を、リスミーは両手に取って胸に塗り広げていく。半固体状の精液がおっぱいを覆い、てかてかと卑猥に光る。
 エルフの白い肌が自分の精子で汚されていく光景はとても扇情的。こんな変態プレイを、よりによって野外でやっているという背徳感も相まって、またすぐに欲情してしまうのだ。

 それからも、レンドルは催眠の指輪を使い続けた。
 飲み物の入ったコップ内に射精し、それと気付かせないままリスミーに飲ませたりした。
 顔面に思い切り精子をぶっかけて、顔中ザーメンまみれになっているのを認識させないまま一日中家の中で過ごさせてみたりした。
 男性器を歯磨き粉のチューブと誤認させ、口で搾り出させて歯を磨かせたりした。
 催眠の幻覚ではない、現実の風呂場でも遊んだ。
 シャンプーだということにして、リスミーの手で精子を絞り出してもらい、髪に塗りたくらせたのだ。
 濃厚な精液は透明感ある金髪に絡みつき、女の命を犯し尽くす。男性器に髪を巻き付けられての手コキは、ぞくぞくするほど気持ちよかった。

 リスミーとの性交はいくらやっても飽きが来ず、むしろ次々と新しいシチュエーションやプレイを思いついてしまって実行する時間が足りなくなるくらいだった。
 たまに露出プレイする以外では外出することも無くなり、二人で延々生セックスし続けた結果。

「う、ああ、激、し……! もっと、もっとしてぇ……!」
「胸か? それともおまんこに欲しいのか」
「どっちも、どっちもして、お願いぃ……」

 リスミーの乳房は一層大きくなり、乳首からは母乳が噴き出るようになった。腹は大きく膨らんで、子宮に孕まされた生命の存在を誇示している。
 度重なる膣内射精の末、遂にリスミーはレンドルの子を妊娠したのだ。
 彼女が身重になっても、レンドルは指輪の使用を止められなかった。
 むしろ、身体の他の部分は前と同じく均整がとれた美しい身体のままなのに、腹だけ大きく膨らんでいる妊婦の姿が、彼の欲望をそれまで以上に掻き立て、母体と子供を気遣う余裕すらなかなか持てないでいたのだ。
 今しているセックスも、黒い布でリスミーの視界を奪い、両手首を背中の方で拘束した、かなり変態的なものである。
 盲目の人間が鋭敏な聴覚を得るように、目を塞がれたリスミーは普段以上に激しく喘ぐ。ベッドの上でうつ伏せになり、尻を高く持ち上げて胸をシーツに押し付けて、ミルクをまき散らしながら腹を揺らす。
 そんな、エルフの清さを微塵も感じさせないメスそのものといった女の尻を掴み、レンドルは挿入している。今はもうこれ以上子を孕めないはずの子宮は、それでも貪欲にザーメンを求め、膣道のヒダで竿を擦り鈴口を吸い、一刻も早く精子を飲み干そうとしている。
 子を授かってますます淫乱さを増すリスミーが愛しくて、レンドルは腰を使いながらも上体を前に倒し、右手を伸ばしてだいぶ大きくなったおっぱいを鷲掴みにする。乳腺と乳首を荒々しく刺激されると、大量に射乳した。
 リスミーの母乳は胸のサイズの割に量が多く、ぎゅむぎゅむと手に力を込めるだけでちょっと信じられないくらい乳が噴き出る。ベッドをびしょびしょにして搾乳に感じ入るリスミは、視界を奪われたまま抵抗もできず、ただ悶える。

「きゅ、おっぱ、おちち、きもちい、いくぅっ! むねしぼられて、わらひ、いっひゃ……!」

 右乳首からぴゅぴゅっとミルクが噴出して膣が一際強く締まり、ちょっと涙ぐむ。背中に回した両腕が張り詰め、拘束を逃れようと無意味に動く。絶頂に達したらしい彼女をもっと気持ちよくしてあげたい一心で、今度は左乳を搾乳することにした。
 持ち上げるように、背中側の膣道を擦るように腰でピストン運動しながら、左手でおっぱいを揉みしだく。
 イッた後に余裕を与えず犯し続けると、リスミーは本当に良い声を聞かせてくれるのだ。

「ああああ、ま、またっ、またムネ、いい、きもひいい! みゆくでいっひゃ、いっひゃう……!」
「本当に可愛いなリスミー。愛してるよ」
「わ、わらひもしゅき! し、しし、しあわへぇ! れんどるも、しあわへ、らよねぇ?」
「ああ……もう何も要らないよ。ずっと一緒にいような」

 耳元でいつも通り愛を囁くと、リスミーはニッカリと口角を吊り上げ、どこまでも純粋な笑みを見せてくれた。
 愛する女にこうも純粋な笑みを魅せられては、レンドルの忍耐も保たない。牛を搾乳するように日本の指で乳首を挟んでコリコリいじめながら、言った。

「そろそろ出るぞ……今回も、一緒がいいか?」
「うん、いっしょ、わらひいっしょにいきたひぃ……」
「よしよし」

 左胸を弄っていた手で首の付け根あたりに触れ、上半身をベッドに押し付けて身体の自由を奪う。
 シーツと胸板の間に挟まれた乳房が母乳を溢れさせる。散々搾ったお乳はベッドにたっぷりと染みこんでおり、胸に圧されて滲み出てくる。もうこれ以上液体を含めない布の上に、更にミルクが降り注いで小さな池を作る。
 乳腺で作られる端から母乳を搾り出され、エルフの乳房はフル稼働させられ続ける。何も見えない、動くことも出来ないリスミーが声にならない声で悦びを伝えてくる。
 ずっと軽い絶頂状態だったらしく、きゅうきゅうに締まっていた彼女のおまんこはここへ来て更に激しくうねる。妊娠大好き、孕みたがりの子宮はもっと多くの精子を求めて子宮口を震えさせる。
 膣の一番奥で射精した時、二度と離れられないんじゃないかと思えるほど膣粘膜が密着していた。

「! ……あ、ああいく、またいっちゃう! ナカに出されて、おっぱい噴いていっちゃうぅ……」

 栓の壊れた蛇口のように、感じさせられすぎたおっぱいは力を加えられていない瞬間でもポタポタと母乳を垂れ流している。先客のいる子宮にまたザーメンを注ぎ込まれて、女性器が痙攣している。一滴でも多くの子種を貰おうと、まるで意志ある生き物のように膣ヒダが亀頭を愛撫して精液の雫を啜る。
 射精直後にこんな熱烈愛撫を受けてしまっては止まり様も無い。今度は両手で左右のおっぱいを同時に搾乳しながら、中出し直後で収まり切らない愛液や精液をぼとぼと垂らしている淫乱まんこを犯し続ける。
 こんなふうに、彼はもう何十回も膣内射精しているのだ。
 母となってなお淫らになり続けるリスミーから、レンドルは一生離れられないだろう。
 あの指輪も、いつの間にか落としてしまったらしいが、そんなことも彼にとってはどうでもよかった。
 ただリスミーとともにいることが、今の彼の幸せであった。
13/11/16 23:59更新 / ナシ・アジフ

■作者メッセージ
エルフじゃなくても良かった気がしないでもない。

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