読切小説
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骨董品買取中
昨日。店に初めて来たお客から、壺の持ち込みがあり、当人は中世に作られた壺だと言っている。
全てを鵜呑みにするよりも‥真偽を確かめようと考えて、一旦預かり、そして‥知人の専門家の所に連絡を入れて、今日。彼の到着を店で待つことになり……
仮に本物だとした場合。これが盗品であるならば正統な所有者に返すべきで‥
贋作だとしたら、贋作であることを証明した上でも、売りたいと言うなら、傘入れに使おうと考えて、深さを調べようと覗き込み………



気が付くと大の字になって寝ていた。
身体を起こし……店にいた筈なのに違う所。周りを見渡して…大きな岩のような物が、いくつも置いてある場所に‥1つの部屋のような所に居た。
ここはどこなのか?それを考えるよりも、まずは出口を探すことを優先して、取りあえず真っ直ぐ歩き、岩のような物の影に隠れていた、褐色の女の子(多分)と目が合い、話し掛けようとした矢先に、そっと岩影に隠れた後、後から走るような足音。振り返った時にはその子は盛大に転けていた‥。
身体よりも壺が先に地面に着いていたから、怪我は多分ないと思う。
そして‥起き上がろうとするも、壺が地面に着いているので、手足はじたばたと宙に舞うだけで、もがく度に壺はゴロゴロと揺れている。
自分ではどうすることも出来ない、その子に近付いて、身体を抱えて起こし
「ありがとう……」
声から察するに女の子。小さくお礼を言ったその顔には、涙がうっすらと溜まっていたので親指で拭い、頭を軽く撫でた。
「ありがとう……」
小さく頭を下げて再びお札を言い、私に背中を見せて歩き出して、再び岩影に隠れて見ている。視線が合う度にキョロキョロと外したと思えば、岩影に隠れたりもしている。
その庇護欲を駆り立てるその姿に、興味を抱き、岩影に隠れている間に、私は反対側から回り込み、その間に‥その子は再び頭を出した時には私の姿はそこには無いために、探そうと頭をキョロキョロと動かしている姿が愛らしくも見えてきた。
そして‥私に気付いたのか、後ろに振り返り、顔を合わせた途端にホッとした顔に変わり、力なくぺたんと座り込むと、目から涙が滲み出していた。
「話し掛けるのに、後から近付くのが良いのかな?と思ったから、心配させてたらごめん」
その子は首を横に緩やかに振り、私もここで何を思ったか、この子の腋に手をやって、持ち上げると、壺と身体はあっさりと離れたが……そこには下腹部を覆うものが何1つ無く、1本の筋‥私と同じモノはついていなかった。つまり女の子と‥。
褐色の顔は朱に染まりきり、内股になって、筋を手で覆い隠すと、その姿に私の胸にあった庇護欲は、急激に別の感情に塗られていく事を理解していき、そのまま背中に手を回して、抱き寄せてキスをして‥すぐに唇を離した。
「嫌だった?」
私の問いに彼女は顔を更に朱に染めて、小さく首を横に振り、潤んだ瞳には私の顔が映っていた。ここで彼女に拒まれたとしても、恐らく強引にでもした思う。それくらい私の心は‥いや、感情の抑えが全く利いていない。
続きを‥長いキスを交わした後に、彼女を地面に座らせて、彼女の背に私の腹を密着させて座り、右手を股へ左手を胸を覆っている布の中へと潜ませて、愛撫を望んでいるかのように、自己主張をしている箇所に、右と左の指の腹で交互に撫でつつ、耳たぶから上に縁に沿って、けして歯を立てないように注意を払い、それでありながらも、力加減を微妙に変えて甘噛みをしていった。


外の音が遮断された部屋の中、聞こえるのは指の動きに合わせて、彼女からの短くも甘く響く甲高い嬌声と息づかい。そして‥淫靡な水音。
覗き込むように見ようとは思わないが、今の彼女はこの水音と同じくらい、いや‥より蕩けて淫靡な顔をしているのだろう。見ないからこそ、彼女の顔を想像して、より責めていき………
あのオドオドした態度からは想像も出来ないような、よく響き大きくも甲高い声を上げて、私の身体に全体重を掛けて、肩口に後頭部を乗せた。
目は焦点が合わずに宙をさまよい、胸は新鮮な空気を得ようと忙しなく動いている。左手で彼女の頭を愛でるように撫でた後、地面に寝かせて股を開いていき、彼女も私も準備が出来ている。なら、彼女が目を覚ますまでに自分の衣服を脱ぎ、そして‥彼女の胸を覆っている布を下にずらし、膨らみかけの胸の上で自己主張をしている尖端の片方を指で、もう片方を舌で転がし、時に周囲を舌の先端で愛でて……彼女の声が響き始めると舌と指の動きを止めて、彼女の顔を見た。
「挿れていい?」
「うん……」
か細くも小さな声。声に合わせて頷くと、私は腰に手を当ててゆっくりと挿れていき……半分位が入っている頃には、彼女は耐えるように荒い呼吸をしていた。
呼吸に合わせて、上下する胸や腹。私は挿れるのを止めて、下半身をけして動かさないように、胸や股の愛撫をしようとした、その時
「さ、さいご……まで‥い、いれ……て。だ……だいじょ‥う‥ぶ……だから……」
掠れる声。そして‥必死に耐えている精一杯の顔。
「いいの?」
「うん……。それに‥いま……しあわせ‥だから……」
彼女の声や顔。言葉から私も心を決めて、再び彼女の中に挿れていき、そして…全てが入りきると、直ぐには動かずに胸や股に愛撫を始めた。

愛撫をしているうちに、彼女は甲高い声で返し、積極的に腰を動かしていたので、痛みが引いたと判断して、腰を打ち付けていった。

不意に訪れる限界点。もっと彼女を感じていたい。その願いも虚しく、彼女の中で果てた直後、背中に手を回して、強く抱き寄せていた。
出した直後の余韻と共に、彼女の息づかいや鼓動を感じ……


気が付くと私は壺の近くで目を覚まし、周りを見渡して、今居るところが店だと分かり……なら、今のは夢?と心の中で結論付けて、その後到着した知人に冗談半分でその話をした。
「恋人がいないから、そういう夢を見る」との答えが返ってくると思いっていた。が……
知人はつぼまじんの話をして‥私が半信半疑で聞いている事を確信すると、財布を取り出して、中に入っている硬貨を徐に取り出すと、壺の中に投げ入れて‥中から聞き覚えのある声の悲鳴が響き、そして‥慌てて、勢いよく飛び出してきた彼女の姿があった。
「まぁ‥こういう事だから。そうそう、式を挙げるなら必ず呼んでくれよ」
彼は私の反応を見ることなく、店から出ていった。
「式か‥」
呟き、同じ言葉を反芻した。
彼女に心惹かれた。だからこそ……。彼女を幸せにする事が男としての責任なんだと思う。だから……
店の中で、彼女が隠れられる所を重点的し探して……
隅でオドオドした様子で私を見ている彼女を見つけ、
「これからもよろしく」
手を差し出すと彼女は私の手を取った。
12/09/19 22:03更新 / ジョワイユーズ

■作者メッセージ
臆病なつぼまじんさんだから、壺の中は隠れる事のできる岩が無数にあると思うのですよ。
‥と思いつつも、ボツにしたもう1つの隠れ方の話。
話は壺に吸い込まれた直後で……

さっきまで、店に居た事は確かに覚え、思い出す事も出来る。なら‥ここは?
私が立っている所。そこは‥それほど広くもない円形の1つの部屋のような場所。
おかしな点を挙げるなら、出入口らしいドアが見当たらない事と、部屋の真ん中に不自然なまでに置いてある壺。
取りあえず壺を調べようと近づき、手で触れた途端に壺の中から短い悲鳴。そして‥壺から手と足が伸び、更には頭と身体まで出して、私から少し遠ざかり、地面を手で掘り、適度に壺が隠れる深さになると身体を引っ込めて、最初の壺だけが出ている状態になった。

穴があったら隠れたいを体現した隠れ方です。

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