連載小説
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稲荷編 神様だって…!!
 「…あ、おはようございます。今日も参拝しに来てくださったのですね?」
 ここは、とある町のとある神社。ここに住んでいるのは、神様兼巫女である稲荷神である神楽 満月(かぐら みつき)である。もっとも神様になったのはここ最近の事ではあるが。
「本当に、貴方には感心しますね。こうやって毎日この神社に来てくださるのですから。…はい?これって、お裾分けですか?うわぁ、ありがとうございます!!えっとそれで中身は…と、また油揚げですか?もう、いくら私が狐の神様といえど、こうも毎日油揚げばかりだといい加減飽きますよ!?しかも、全ての狐が油揚げが大好きとは限らないですからね!!大体ですね………って聞いてますか!?もう、本当に怒りますよ!!私が怒ったら、貴方に災いが降り掛かってくるのですからね!!……ウフフ、そんな訳無いじゃないですか。冗談ですよ、だって毎日参拝しに、来てくださっている人にそんな事出来るわけが無いですからね♥」
 そう言った満月の9本もある尻尾は、嬉しよさげに揺れていた。そのあと、満月は顔を少し赤らめながら、
「そうだ、今日の夜ちょうど満月でしたよね?…じゃ、じゃあ、今夜私の家に夜ご飯を食べに来てくれませんか?勿論、ご都合が宜しければなのですけど…。え、大丈夫ですか?わぁ、ありがとう御座います!!じゃあ、今日の夕刻、また此処に来てくれますよね?…やった、遂にやりました!!え、あ、いいえ、何でもないです。はい、本当に只の独り言ですから!!」
 少し慌てた様子で、答えながらもにっこりと笑って見送るのだった。

「…早く来ませんかね。」
 ようやく、時間は夕刻に差し掛かったところである。この神様、実は恋をしていたりしていなかったりする訳だが、その相手は……。
「今日の夜ご飯は、私の大好物のいなり寿司って決めているのですけど…。よし、あの人が来る前にいなり寿司を作ってしまいましょう!!」
 満月がちょうど夕飯を作り終えた頃、
「…あの人が来ました!!は〜い、今すぐ行きますよ……。ようこそいらっしゃいました。今日は私の我が儘に付き合って貰ってありがとう御座います♥…え、そんな事は無いって?しかも、私の作った夜ご飯がどうしても食べたかったから来たと。…いえいえ何でも無いですよ!?ささ、早く上がってください。ちょうど、夜ご飯が出来ていた所ですから。早く縁側でお月様でも見ながら食べましょう!!」
 そう言って、縁側で夕飯を楽しみながら食べ終えた後、満月は覚悟を決めたかの様に、
「あ、あの、今日はもう遅いですし、私の家に泊まって行きませんか?いや、あの、疚しい意味では無くて、只単にもう夜も更けてきたから…ですね……。…え?本当に此処に泊まって行っても良いのか、ですか?そんなの良いに、決まっているじゃないですか!!ええ、じゃあ、そうと決まれば、早速お風呂に浸かられてはどうですか?とっても気持ちいいと思いますよ。その間に、私は食器でも片づけて置きますから♥」

 食器を片付け終えた後、満月は風呂に浸かってこんな事を一人呟いていた。
「やった、やりました…!!…でも、本番はこれからです。なんたって今日はあの人と一緒の………。って、キャーー♥♥私ってば何てはしたない事を…。でも、頑張らないとあの人に振り向いてもらえないですから……………。」
 この後、数十分に渡って独り言を言っていた満月。だが、覚悟を決めたのか、いつも以上に髪と体を丹念に洗って風呂場から出たが、ちょっとのぼせてしまったのは言うまでも無いことだった。

 その夜、おおよそ10時を回った所だろうか。襖の向こうに、満月の影が見えた。
「あの、少しお時間を頂いても宜しいでしょうか?…それじゃあ、失礼します……。あの、その、何と言うか、今日は何故か眠れなくて…。だから、その、私と一緒に寝てはくれませんか?…添い寝をして頂くと言うことなのですけど…。え、良いんですか?はい、それじゃあ、失礼します…。わぁ…添い寝をするのは実は、初めてなのですけど…。貴方って、意外と暖かいのですね…。でも、まだ眠れないので貴方の事を質問しても宜しいですか…?はい、質問と言っても、貴方は私の事をどう思っていらっしゃるのかな?と、思って…。あぁ、やっぱり今の質問は無しにして貰っても良いですか?って何で、私と反対の方向を向くのですか?ちゃんと私の方に向いてくれないと、抱きしめちゃいますよ♥…もぅ、何時までもそうするのならば、本当に抱きしめちゃいます。…えい!!」
 そう言って、満月は抱きしめてきた。満月の肌の暖かさや、鼻孔を擽る香り、息遣いが耳元まで聞こえてきたが、何と言っても極めつけは、その豊か過ぎる胸が自分の背中に当たっていると言うことだ。
「…あれ、なんだかドキドキしていませんか?…え、していないって?ウフフ、隠しても無駄ですよ。だって、貴方が凄くドキドキしているのは、背中からでも分かりますから♥♥でも、私だってドキドキしているのですよ?まぁ、答えは貴方のドキドキに聞くとして、私から言いますね♥♥」
 お互い向き合う形になったとき、満月は数回深呼吸してから、こう言った。
「…私は、貴方の事が好きです。初めて出会った時から、ずっと好きでした♥だからどうか、神様である私と付き合ってくれませんか?…って、うわぁ!!何でいきなり抱きついて来たんですか!?…え、俺もだよ。ですって?わぁ、嬉しいです♥♥……ふわぁ〜あ、何だか貴方に告白したら、眠くなって来てしまいました♥♥もう、今夜は遅いので私は寝ちゃいますね♥♥それでは、お休みなさい♥♥」

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12/07/12 18:56更新 / @kiya
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■作者メッセージ
 ども、@kiyaです!!
どうでしたか、皆さん。正直言ってしまうと『コレはちょっとキツイかな?』なんて思っている人や『小説じゃないよね』とか言う厳しい意見を言う人もいるかもしれません。
 でも、そんな皆さんの評価があってこそ、この作品が出来上がって行くのです!!
 そんな訳で、皆さんの評価コメや希望コメ受け付けているんでどんどん送ってくださいねーーーー!!

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