読切小説
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魔物娘 にとり 囲まれた男
とある村に男が居た。
悪人でもなく、
善人でもない

ただ、モテない普通の男だった。

ある日、道端で倒れている「行商人」が居たので
きまぐれに助けた。

道に迷い、空腹で動けないらしい。

男は食事をご馳走した。
「行商人」は男がモテない事を悩んでいると知り、
お礼として縁結びのおまもりをくれた。


それからしばらくして、
近くまで魔物たちの群れが来ていると連絡があり、
教会の人間に兵士として無理矢理駆り出されて
魔物と戦闘するはめになっていた…

戦いが始まって数分、
神に選ばれた
と言われていた
勇者様はあっさり敗北し
角が映えた緑色肌の魔物に何処かへ拐われ
教会の幹部はいつの間にか逃亡。

同じ村のモテない同志の「この戦いが終わったら村長の娘さんに告白するんだ…」と発言していた眼鏡くんは先程、飛来するドラゴンみたいな魔物に拉致されて居なくなった…

男は一人大群に取り囲まれた。

既に逃げ回って満身創痍状態で、支給された槍は尖端がなくなりただの棒になっている…。

援軍など来ない。


「(オイラの運も尽きたか……これまでかな?……)」


その時、何処からともなく声が響き渡った。


……お前の運はまだ尽きていない……

「だ、誰だべ!?」


……そんな事はどうでもいい、まずその槍を地面に突き刺すのだ……

「はぁ?」

……早くしろ…そして、次に全裸になり…ゴニョゴニョ…と叫ぶのだ…さぁ、奴らに目にもの見せてやれ………


男はわけがわからなかったが
どうせ死ぬのなら!と
満身創痍の体を奮い立たせ、
槍を地面に突き刺すと全裸になり。
疲労困憊で勃起した股間のイチモツをブルン!と揺らしながら
槍の先に脱いだ衣類をかけると叫んだ。

「オイラの名前は!!○○○○!○○歳!童貞!恋人なんか居たことねぇ!絶賛恋人募集中だ!我こそはという者はこの服を一番にとってけれ!!そいつの婿さなってやる!」

直後、周囲の魔物たちの雰囲気がかわり獲物を狙う獣の眼に……


魔物たちは我先にと言わんばかりに服に群がり
大乱闘になった。

このまま逃げれる!
と駆け出した。

があっさり木の根に足をとられて盛大に転んだ。
するとだれかが優しく手を差し伸べてくれた。

顔をあげるとそこには

にこやかに自分が脱いだ衣類を持つ魔物たちが…
それぞれ、上着、ズボン、下着を持っている…

男はどうなるかと息を殺していると、

またもどこからか声が響いた。


……OK♪これでお前の運は尽きた……


……結婚おめでとう♪……



男は美人の嫁をもらい幸せに暮らしましたとさ♪
めでたしめでたし



16/01/18 22:38更新 / コピペリカン

■作者メッセージ
お久しぶりです。
コピペリカンです。
短くオチをつけるって
難しいけど
短いのを長くするのも
難しいですね…(T-T)

読み終わり クスッとしていただけたなら幸いです。

元ネタは 世界のジョークの小噺

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