連載小説
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新入生のためのサークル紹介!-キャラは増えるよどこまでも-



「ん〜、委員会かぁ・・・」

トイレをさっさと済ませた俺は、外の空気を吸いに中庭に来ていた。

「キツそうなのばっかりだったし・・・俺はやるとしたら、もうちょいゆる〜いのをやりたいな」



「ほほ〜ぅ、なるほどなるほど〜ぅ?」

「うわぁ!?」

急に後ろから声をかけられた。
慌てて振り向くと、そこに立っていたのは先ほどまで壇上にいたハイテンション狸・・・

放送・広報委員会の委員長、オサカベ フミ先輩だった。

「先ほどぶりなんよー!新入生クン!」

「あぁ、えーと、オサカベ先輩・・・? どうもです・・・」

「なんかムズ痒いんよ・・・アッシのことはー、親しみを込めて『フミさん』と呼ぶといいんよー!」

「え、あ、はい、分かりました」

思わず勢いに押されてしまう。
まだこのテンションには慣れないなぁ・・・
ルークとは勝手が違うし・・・

「えぇとフミさん、なんで俺の背後に立ってたんですかね?」

「新入生に説明会の感想調査してたんよ。こーいった意見を聞くのも大事なことなんよー!」

「それで面白そうな話があったら記事にするってことですか?」

「おぅ?なかなか分かってるんよー!キミィ!」

「はは・・・ありがとうございます」

「ん〜、素質がいいんよ!記事まとめるとかのもうまいんじゃないん?」

「別にそんなことは・・・」

「というわけで、新入生クン。アッシの委員会に入るんよ!」
「お断りします」

やっぱメンドくさいわこの人。
感想調査とか言ってメンバー勧誘してるんじゃん。

「即答!?でもワンチャンスくらい」
「ないですから」

こういうのはキッパリ断っとかないと面倒なことに巻き込まれかねない。

「うぅ・・・なかなか厳しいんよ、キミ・・・。
・・・・・・ま!勧誘はまた後でかけるとして、どうでやしたかねぇ?説明会は」

あれだけキッパリ言ってもまだ諦めてないご様子。
もうすでに面倒なのに絡まれてる気分なのは気のせい、じゃないか・・・
でもまぁ質問に答えないのは失礼だよね。

「なんというか、なかなか個性的な人揃いというか・・・一部はできれば関わりたくない人もいましたね・・・」

「あははー!確かにちょっぴりとっつきにくい人が多いんよー!
まあアッシは中でもまともなほうでやすがねー?」

どの口が言うか。

「確かにフミさんは、相談事とかなければまだ絡みやすいですよね」

「むむ?それどういう意味なんよ?」

「だってそんなことを話は日には、記事にされて学園中に知れ渡りそうでしょ」

「むー(・ε・)、そんなことするわけー、あるんよー!」

「あるんじゃないですか!?」

前例アリっぽいな。
気をつけとこ・・・


「そういえば一つ聞きたいことがあったんですけども」

「はいはいー!なんなんよー?何でも聞いてくれなんよー!」

「あのランキングのことなんですが、なんで1位の人の二つ名、空白だったんですかね?」

「あー、いいところに気がついてるんよー!やっぱり委員会に」
「却下で」
「チキショイ!」

さりげなく勧誘挟まないでください。メンドクサイ!

「で、何でなんですか?」

「1位の人なんでやすがね?どーにもしっくりこないんよー」

「しっくりこない?一番強いんだから何でも言いようがあるんじゃないですか?」

「そうはいかんよー。・・・例えば仮に『最強』という二つ名つけるとするんよ?」

「それでいいじゃないですか?」

「でもね?その『最強』という字が霞んで見えるほどなんよー、1位の人は」

「ん?えーと?つまりどういうこと?」

「あまりにも凄すぎて、形容しようがないってことなんよー!」

「うーん?」

分かったような、分からないような・・・
つまり二つ名が決められないってことだよな。

「それを頑張って決めるのが、放送・広報委員の役目じゃないんですかね?」

「むー!なかなか痛いとこをダイレクトにつくんよー・・・」

あ、ちょっと尻尾が垂れてる。
流石にまずいこと言っちゃったかな?

「そんな未だに決まらない二つ名を決めるためにも!キミには二つ名マスターとしてアッシの委員」
「やりませんて」
「まだ言い切ってないんよ!?」

言い過ぎぐらいでちょうど良さそうだ。


・・・・・・


「それじゃ時間なんで、そろそろ戻りますね」

こうしてやり取りしている間に、休憩が終わる時間になっていた。

「んー、では気が変わったらまた声をかけてくれなんよー!」

「それだと二度と声をかけることはないでしょうね」

「寂しいこと言うものじゃないんよー!ではまたなんよー!」シュタタタッ

そう言ってまるで疾風のごとく走り去っていった。

・・・・
と思ってたら戻ってきた。

「新入生クン!名前を聞いてなかったんよ!」

「あ、セイン・アストラダー、です」

「なるほど!それじゃ、なんよ!セインクン!」シュタタタタタタッ

あの身なりであんなに足速いのね・・・
あの足で学園内走り回って情報集めまくってるんだろうなーと感心しつつ、
俺は講堂に戻っていった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「それでは、サークル紹介を開始するぞ!
皆の者!準備はいいな!」

『お、おおーーーーーーーー!』

相変わらずの不思議なノリがブレないエルドラ会長の掛け声で、説明会が再会された。

会長、みんな戸惑ってますよ・・・


「ではまず『菜園部』からだ!」


そしていつもの如く唐突に始めるんですね・・・


・・・・・


「え、えと!みみ皆さん!ご入学っ、おめでとうござみますっ!」


緊張のせいか、噛みっ噛みな第一声を放ったのは、頭の上に花をつけた魔物娘、マンドラゴラだ。
かなり身長は小さめだが・・・たぶん普通のマンドラゴラよりは発育がいい。
何でかって?それは・・・

ポヨンッ♪

・・・栄養全部そこにいってるからじゃないかなー・・・?
ほらそこ、自分の胸触らない。
リティさんも!気にするほど小さくないんだからやめなさい!

「あの、えと!わ、私は『マルタ・ウィムジー』っていいます!部長です!
こんなにちっちゃいけど3年生です!よよよろしくお願いしますっ!」

守ってあげたくなるオーラ放ちまくってます。
非常に危険です。
ここにいる紳士たちに襲われないかどうか非常に心配です。

「さ、菜園部は、植物を育てるサークルです!お野菜とか、果物とか!
採れる時期には収穫して食べたりしてます!自分で作った野菜はとってもおいしいですよっ!」

俺はそのたわわに稔ったものをいただきたいぜっ!
と、妄想している方が、ここには何人いますでしょうか。
・・・俺はそんな気はないよ?あくまで代弁しただけだからね?

「植物を育てるのに興味がある方は!是非私たちのサークルに入ってください!」パァァ!

笑顔が向日葵のように輝いてます・・・!
そして言い終わると、ちょこちょこと壇上から去っていく。

「よかったよぉぉ・・・!ちゃんと、言えたよっ!」

聞こえてる聞こえてる。まだ講堂内に声届いてるよ。
なんだか最後まで和む紹介でした。



「マルタ3年生、ありがとう。
ではどんどん行くぞ!『料理部』!」


・・・・・


「みなさ〜ん、こ〜んにちわ〜♪私は〜、料理部で〜、部長をやってま〜す。
『ルーミル・ホーデルス』です〜。よろしくね〜♪」

ドタプ〜ン♪♪

え?なんの擬音かって?
この人の種族が『ホルスタウロス』って言えば分かるんじゃないかなぁ?
てかこの順番は少し悪意が感じられるんだが・・・

「料理部は〜、みんなで材料を持ってきて〜、お料理するサークルで〜す♪
お菓子とか〜、一品料理とか〜、自由にお料理してます〜」

食膳委員のセリ先輩も言ってたけど、確かに気軽に料理をしたいなら料理部で決まりだなこりゃ。

「料理したものは〜、みんなでちゃぁ〜んと食べて〜、感想を言ったりもするから〜、料理も上手になりますよ〜♪」

楽しそうな雰囲気が伝わってくるなぁ〜。
でも俺料理はそんなにできないんだよな〜。

「一度でいいから〜、来て〜、料理を味わってくれると〜、とっても嬉しいで〜す!
でわ〜、みなさ〜ん?料理部をよろしくお願いしま〜す♪」

随分スローペースな話し方に思わずぼーっとしてしまう・・・
それにしてもあの双峰には何が詰まってるのやら・・・
・・・・・・・・ミルクに決まってるか。



「ルーミル3年生、ありがとう。
私も今度お菓子貰いに行くぞ。次は・・・む、『剣撃部』か」


・・・・・


「新入生の諸君!入学おめでとう!俺は部長を務めている4年生の『クアトロ・エレイン』だ!
よろしくな!」

剣撃部という聞きなれないようなサークルの部長は、なかなかにがっしりした体つき、無駄のなさそうな体型をした男性だった。細マッチョってやつか?
髪は短髪。顔つきは、イケメン・・・というよりは男前と言った方がしっくりくる。

て、クアトロ・エレイン?
確か・・・学園2位か!?

「ん?何人か驚いた顔をしているな?
ふむ、さてはさっきのランキングで2位が男であることに驚いてるな?
わっはっは!それはそうか!流石に疑うよなぁ!一本取られた!」

一人で納得して一人で笑ってるよ・・・
この人、本当に強いのかなぁ?
周りのみんなも少しざわついている。


「はっはっは!剣撃部は主に刀剣、刃物がつく武器を扱った、実戦形式の鍛錬ができるサークルだ!剣を扱う戦闘学科の奴のほとんどがこのサークルに入ってるぞ!
皆かなり気合を入れて、強くなることを頑張っている。剣で頂点を目指したいと思う奴は入部するといい!
俺たちはそういう奴は大歓迎だ!」

強くなるか・・・
確かに力をつけるにはこのサークルが一番だろうな。
だが、周りのざわつきはまだ収まっていない。

「ふむ?何やらざわついてるな。何故だ?」

「それは貴様の実力を疑っているからじゃないか?クアトロ4年生」

エルドラ会長がクアトロ先輩の疑問に答える。
エルドラ会長、実力が上の人でも言葉遣い変わんないんすね。

「わっはっは!確かに実力が上かどうかも分からん奴が部長のところで強くなれるか疑うよな!一本取られた!
よし、それなら誰か!剣に腕がある奴はここに来るといい!」

い、一体何をするつもりだ?
まさか講堂で剣を振るつもりじゃないだろうな!

「ん〜?誰もいないのか?困ったな」

「じゃあ、俺が行くぜ!」

そう言って声を上げたのは・・・・
やっぱりお前か、ルーク。
今までおとなしくしてたってのに、しょうがない奴だなホント・・・

「お前が行ってもどうしようもなくないか?」

「何!?セイン!どうしようもなくはないだろ!だって学園2位と戦えるんだぜ!」

「別に手合わせするってわけじゃないだろ?」


「別に実力はどれくらいでも構わないぞー!剣を使えるやつが来てくれればいいからなー!」

クアトロ先輩が壇上からそう叫んでる。

「よっしゃあ!じゃあ行ってくるぜ!」


そう言って壇上に向かうルーク。
他にも多少なり剣の心得があるといった風な学生が集まってきた。

「あれ?レーヴァは行かないのか?」

「私は剣ではなく、ランスだからな。正直興味はあるが・・・やはり戦えるなら自分の武器で戦いたいな」

いつもと違い、控えめな姿勢のレーヴァ。
確かに戦えるなら、ベストな状態で試してみたいよな。


「じゃあこの中から自分が使ってるような武器を選んで、俺に向かって来てくれ!」

クアトロ先輩が指を指す先には、どこから持ってきたのやら、樽の中に武器がいくつも入っている。
片手剣、大剣、長剣、槍、斧、双剣、刀・・・
多種多様の武器が無造作に突っ込まれている。

「よぉし!俺から行くぜ!」

ルークは樽から大剣を取ると、両手でしっかりと握りしめて構える。
対するクアトロ先輩は・・・

え?何も持ってなくね?

「さあ!どっからでもいいぞ?」

「武器は持たなくていいのか?部長さんよぉ!」

「素手の方が、力がよく分かるからな!」

「へっ!下手に怪我しても知らないぜ!(`・∀・´)」

ダダッ!

「うぉらぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ブォン!


クアトロ先輩に向かって真っ直ぐに振りかぶり、大剣が振り下ろされる!
先輩の方は・・・何!?避けないのか!?


ピタッ


「へ?」

「うむ!いい太刀筋だな!振りに全く迷いがない!
ただ、力任せに剣を振っているせいか、重心や全身の力の配分がバラバラだな・・・
そこはこれからよく鍛えておくように!」


え・・・
あの人、片手の人差し指と中指だけで!
真上から思いっきり振り下ろされたルークの大剣を・・・

挟んで止めただとーーーーーー!?


「あ、あれ!?このっ!嘘ぉぉぉお!?( ;゚Д゚)」

ルークが必死に剣を動かそうとするが、ピクリとも動いてない・・・

「おいおい、それじゃあ剣を振り回してしまうぞ?危ないから、一回手を離したらどうだ?」

「い、いや!まだまだ!ふぬぅっ!むりゃぁ!」

粘っているようだが無駄な抵抗のようで、剣はまるで空中に固定されたかのように動かない。
指の2本の力だけ人一人分の力抑えてるのか・・・

「うりゃぁぁぁ!」

すると一人の学生が剣を素早く突き刺そうとする!
不意打ちは卑怯だろ!

「ふん!」グィン

「え?おわあああああああああああああああ!!」ガキン! ドゴッ

「うわぁ!?」ドガァ

クアトロ先輩は指に挟んだルークの剣で向かってくる剣を防いだ!
・・・で、ルークは手を離さなかったから、そのままブン回された。
そのせいでルークがその学生にぶつかって吹っ飛んだが。

「不意打ち結構!実力差のある相手に対して隙を突くのは常套手段だからな!
決して卑怯などではないぞ!だがその程度では不意打ちとは言えんな!」

堂々と不意打ち享受宣言・・・
実力は疑いようがないな。

「さて、これぐらいにしておこうか!時間も押しているだろうからな!
剣撃部に入るのであれば、今度はちゃんと剣で相手をしよう!」




「クアトロ4年生、ありがとう。
ちなみに私が不意をついてもきちんと受けるからなあいつは。
実力は折り紙付きだ」

ドラゴンの不意打ち防ぐって・・・それ本当に人間ですか?

「では次に移ろう。『射撃部』だ」


・・・・・


「えー、私が射撃部部長の『レスタ・ローデイル』です。
正直、クアトロ先輩の後とかやりづらいんですけど・・・」

やや苦笑いを浮かべているのは、下半身が馬になっている『ケンタウロス』
確かにあんなパフォーマンスされたら、やりづらいよなぁ・・・

「まあ気を取り直していきます。
ウチのサークルも剣撃部の遠距離バージョンって感じですね。
ただ人相手じゃなくて的相手なんでそこは安心してください。
弓とか銃とか、遠距離武器の鍛錬ができるんで、自身の実力向上を目指したい人は入部してください」

・・・今までのキャラが濃すぎたせいか、淡々と話す人が珍しく感じてしまうな。
申し訳ないけど、存在感薄そう・・・

「そうだねー。クアトロ先輩ほどじゃないけど、誰か頭にリンゴとか乗せてくれたら、射抜くけど?どうする?」

全力でお断りします!

「私の存在感薄そう・・・って思った人にやっていただけると嬉しいなぁ?」ニコッ

笑顔怖い!てかごめんなさい!読心術でも使えるのかこの人!

とか思ってたけど、
周りの何人かもビクッとしてたので考えることはみんな同じだったようだ。
でも正直安心できない・・・


そしてルークが指名され、頭にリンゴ(小)を乗せられ、無事に射抜かれたのはもはやテンプレな流れである。
ルークの頭上で木っ端微塵なリンゴ。
リンゴの果汁がルークに盛大にかかる。

ルークは「何で俺が・・・髪の毛掠ったしよ・・・」と全力でビビって凹んでたけど・・・
うん、ドンマイ。



「レスタ3年生、ありがとう。
見事な腕前だな。20位内にこそ入ってはいないが、彼女もちゃんとランカーだからな。舐めない方が良いぞ?

では次は・・・と、『アイドルサークル』だな」

ア、アイドルサークル!?
そんなのもあるの!?


・・・・・


「みなさーん!こーんにーちわーーーー!!
私はアイドルサークルで部長をやってます!『エミリ・メルフィン』です!
よろしくお願いしまーす!」

青を基調とした可愛らしいドレスで出てきたのは小さいサキュバス・・・
確か、アリスとかって言ったっけ?それに近い。

「いきなりアイドルとか言われても「え!?」ってなっちゃいますよね!
私たちはアイドル学科のメンバーで活動してるんです。
アイドル学科の子たちは街や村のイベントに出たりして盛り上げたりします!
歌を歌ったり、ダンス踊ったり!他のサークルで大会があるときは応援もしますね。
お祭りなんかがあれば真っ先に参加します!
元気で華やか!それがアイドル学科のアイドルサークルです!」

へぇー、応援部的なのと街おこしイベントとかに参加する感じか。
学園盛り上げ隊ってとこかな?

「アイドル学科を卒業した子は、世界でも活躍する人気アイドルになってます!
イベントにも引っ張りだこです!
みんなを歌や踊りで元気にして、公演料を貰って生活するって感じです!
だからみんな一生懸命に頑張ってます!」

プロになればちゃんとそれでお金も稼げると。
ただ生半可な気持ちで目指してるわけじゃないってことね。
なかなか奥が深そうだ・・・

「だから、アイドル目指したい!って思った子は、今の時期からでもこのサークルに入れば目標に向かっていけるってことです!
だから一緒に頑張りましょうね!」

元気を与える職業か・・・
なんかいいな、そういうのって。

「あ、ちなみに男の子は入れません!ごめんなさい!
ですが歌や踊りをやりたい男の子がいるなら、音楽学科や演劇学科とかもあるのでそこに進めば安心です!」

まあ男の子はアイドルって言わないもんな。
当たり前か。
あとは、女の子とウハウハしたいって奴の侵入防止だろうな。

ルークが小声で「チクショウ!」とか言ってるけど、聞かなかったことにしよう。



「エミリ4年生、ありがとう。
楽しそうなイメージがあるが、もちろんどこだって厳しさもある。
楽して進める学科はないとだけ言っておくぞ。

次は・・・あぁ・・・『サバト部』」

エルドラ会長のテンションが下がってるのを見るに、いい予感がしないんだが・・・。


・・・・・


「はーい!サバト部副部長の『アプシー・トゥウェル』ちゃんだよ♪
部長は今大事な幼児・・・ゴホンっ!用事でいないから私が代理です」

ここだけ副部長なのか。
大事な幼児もとい用事ってなんだよ。

「サバト部ってのはね?小さい子の小さい子による小さい子のためのサークルでね?あ、別に小さい子じゃなくても幼女になれるから誰でもおっけーだよ?それでね?小さい子は自分だけのお兄ちゃんを探してこのサークルに引きずr(ゲフンゲフンッ入信するように優しく呼びかけるの!自分だけのお兄ちゃんとあんなことやこんなことをしちゃって私たち小さい子の良さをたっぷりと教えてあげるの♪それでそんなお兄ちゃんたちを増やしてみんなも楽しく過ごせるっていう素晴らしいサークルなの♪別にアヤシクなんて全然ないよ!むしろキモチヨクこの学園生活を送るならこのサークルには絶対入らなきゃダメだよ!いずれは世界中にこの宗ky(ゲフンゲフンッサークルを広げてみんなで楽しく仲のいい完璧な共存思想で平和にしようっていう崇高な意志のもとに活動を続けてるんだよ!だからね?新入生みんな入ろうね?入らなきゃね?絶対入るんだよ?あとねk」
「もうそのへんにしろ!終わりだ!」

なんかものっそい魔女っ娘出てきたな!
会長が止めてなかったら永遠に続いてたんじゃないか!?この宗教勧誘!

「オレ、ココノサークルニハイロウカナ・・・」
「ルーク!?目ぇ覚ませ!お前が踏み入れるべき世界じゃねぇ!」

「はっ!俺は一体・・・」

「俺こんなのに入ってるのと同郷とか絶対ヤダからな!?分かったな!」

「お、おう・・・危ねぇ・・・助かったぜ・・・」


「えー?まだ喋ってないとこあるのにー」プクー

「私が補完するからさっさと帰れ!説明会で洗脳するんじゃない!」

「うー、はーーい・・・」トコトコ・・・

エルドラ会長、ナイスです!( ;=ω=)b


「はぁ・・・、本当はあんな危ないサークルは解散させるべきなんだろうが・・・
野放しにしたところで解決するものではないのだ・・・
しかも魔術の扱いに関してはピカイチでな?魔術道具や魔法関連のことについての功績が無駄にあるせいで潰すに潰せんのだ・・・」

苦労してるんだな・・・生徒会も・・・

「入りたければ勝手に入れ。以上だ・・・
次は『魔法製薬部』だな」

全力ダッシュの練習しとこうかな・・・


・・・・・


「ワタシは『ミランダ・テープロンド』。魔法製薬部の部長やってる。
さっきのアレとは違うから安心して。あとこのホータイは怪我じゃないから」

顔や手が包帯でぐるぐる巻きになってるが、そこから褐色の肌が見える魔物、マミーだ。

「さっきのアレがなくても、この部で薬とか作れる。だから安心していい。
でもアレと比べると、少し劣るのが悔しい」

劣ってもいいです・・・安全性が求められるのなら・・・

「この部、いつも研究してて、新しい薬とかも開発しようとしてる。
だから調合とか実験とかしてる。結構楽しい」

魔術系統も含んだ製薬実験とかか・・・
俺には難しいそうだ。

「でも失敗もある。それも楽しさ。失敗は成功のマミーという」

それを言うなら『失敗は成功の母』だったような。
あ、冗談言ってるだけか・・・

「・・・・・・///」

自分で言ってて照れてるし。

「と、とにかく、実験好きなら集まれ。あとこの部で作った薬、売ってたりするから。買ってくれると喜ぶ」

後でちょっと確かめてみようかな。
危ない薬じゃなければいいけど。



「ミランダ3年生、ありがとう。
平和なのはいいことだな・・・

さて次は・・・・・・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そのあとも説明は続き、色々なサークルがあることが分かった。
ただ多すぎて・・・・正直途中から覚えてない。

確か、美術、鍛冶、競泳、演劇、山岳、武術、術師、音楽、探検、合唱、文学、陸上、商品売買、パフォーマンス、野生調査、遺跡探索、新種研究などなど・・・

まだまだあった気がする・・・・


新入生のほとんどの気力がなくなってきた頃。


「サークルの紹介は以上だ。
今回で紹介しきれなかったサークルもあるが、それは入学の時に貰った冊子で確認しろ」

まだ、あるんすか・・・
どんだけ多いのサークル・・・

「今日はこれで御終いだ。皆、ご苦労だった」

途中何人か退出してったので、残ったのは最初の半分位だったが、最後まで話を聞いてたのはほんの数人だろう。

「それじゃ、帰るか・・・」

『う、うん・・・』


俺たちのメンバーは精魂聞き疲れ果てていたのは言うまでもない・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


説明会が終わる頃には、すでに夕食時だった。
まさか、5,6時間もかかると思わなかったなぁ・・・

みんなで学食に行き食事をしているのだが、疲れているので全員口数が少ない。

「なあ・・・セイン」

「どうした・・・ルーク」

「明日、午後に剣撃部の活動があるらしいんだが・・・」

「へぇー・・・そうか・・・」

「ちょっと、行ってみないか・・・?」

ルークから提案とは珍しい。
今日の出来事がよほど衝撃的だったらしいな。

「お前が、やる気を出すなんてな・・・」

「ここにいる以上、やることはやりてぇだけさ・・・」

強くなりてぇって、言ってたもんな。

「・・・じゃ、行ってみっか」

「・・・おう・・・!」


「私ももちろん行くぞ!楽しみだな!」

元気っすね、レーヴァさん・・・
戦闘関連の話になると急にテンション上がるんだから・・・

「シューゼンももちろん行くよな!」

「オレは遠慮しとk」
「いや、断っても引っ張ってくか!人数は多いほうがいい!」

「ちょ、無理やりh」
「あの約束には反してないはずだが?」

「それとこれとは別の話っしょ・・・」ハァ・・・

シューゼン、逃げ場なし。
約束については気になるが、追求するだけ野暮というものだ。

「私もついて行っていいかな・・・?」

リティが話に入る。
リティは遠距離タイプだが・・・

「別に問題ないよ。剣とか使えなくても、見学とかできるだろうし」

「そっか・・・ありがと!」

「でも剣撃部よりも射撃部を見に行った方が楽しいんじゃないか?」

「でも・・・みんなといた方が楽しいし・・・」

「じゃあ、射撃部も今度行こっか。明日はみんなで剣撃部見学ってことで」

「うん!」

リティの顔が明るくなる。
やっぱ今日一番の笑顔はこれだなー・・・可愛い。
疲れも癒されるな。


おい、そこの。ニヤニヤすんじゃねえ。
みんなして。一体何だってんだ。


「射撃部見学デートですかーお熱いですねぇ・・・」ボソボソ リント

「いいじゃありませんかーまだまだこれからでしょ・・・」ボソボソ シューゼン


「おーおーなかなかいい感じじゃねーのww・・」ボソボソ ウェイク

「・・・・爆ぜろ」ボソッ ルーク

「何か言ったかルーク」

「い、いや何も言ってないぜ!!てか何で真っ先に俺!?」

「お前が一番怪しいからだ。リンゴの香りがする」

「理由になってねえよ!?」




いつも通りの食事光景。
今日もまた、一日が終わっていく・・・




12/10/04 02:31更新 / 群青さん
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■作者メッセージ
サークル紹介編です!まだまだ一部だけですが。
紹介形式はだいたい前回と一緒ですね。
テンポ的に変えようがありませんでした・・・
もう少しうまく表現できたならなぁ・・・

次回は三日目の授業です!
八話でまだ三日目かよ!って心境ですが頑張ります!
紹介が続いたので、もっとセイン君組との絡みが書けるといいですねー

質問などは感想の方にお願いします!
みなさんの感想が作者を育てる糧となります(`・ω・´)

それでは次回もお楽しみに〜!

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