連載小説
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誘拐されし宇宙恐竜 亡霊の影
 ゼットンは特に苦労も無く故郷で宝を発掘出来たが、それを自宅へ運ぶつもりは無かった。
 見つかった品は目論見通り桁外れの力を秘めている代物だったが、分かっていない事も多い。したがって、そんな物を自分の近くへ置いておくのは危険だと考えたのだ。
 また、クレアの鼻をあかしてやるつもりだったので彼女に存在を知られる事はまずい。
 以上の事から、容易に発見されないような鎧の保管場所を用意する必要があった。

「ご要望通り、あの鎧は万魔殿で預かってもらいましたよ」
「ああ、ありがとう」

 ゼットンは鎧を預かってもらうべく、アイギアルムの街の北にある教会を訪れていた。そして、そこで馴染みのシスター・ミカのポータル(転送魔術)によって、鎧を万魔殿に送ってもらったのだ。
 訪ねたのは昼前だったが、ポータル自体はそこまで時間のかかる魔術ではないので、時間はまだ正午というところである。
 今日は特に来客も無かったため、気を利かせた先輩のダークプリーストが今日は彼と過ごすよう、ミカに言いつけた。おかげで、ミカはゼットン青年と気兼ねなく昼食を楽しむことが出来たのだった。

「しかし、呪いの鎧ですか…」
「そもそも本当に呪いがかかってるかどうかすら分からん。だから君等に調査を依頼したんだ。あれを出来ればノーリスクで使いたいからな」

 彼等の発掘した鎧は元々誇張が含まれるにせよ、多かれ少なかれ良からぬ噂のあった代物である。
 それ故、ゼットンは面倒事が起きる可能性を想定し、万魔殿で預かってもらい、そこで詳しく調べてもらう事にした。
 こことは別次元の異界である以上、貴重な鎧を狙う輩がいたとしても侵入すら出来ない。内部の住人達もつがいとの交わりに忙しく、彼の所有物に興味など抱かないだろう。
 そして一番重要なのは、異次元である以上、何が起きようと被害はこちらに及ばない事である。

「まぁ、かなりの我儘を聞いてもらってるとは思ってるけどね…」
「いえいえ。堕落神様も、あの鎧にはいたく興味をお持ちだそうです」

 この街が魔王の勢力下に入ってから、教会で崇めている神は堕落神に変わっている。
 ゼットン青年には信仰心など欠片も無いので本来教会には用など無いのだが、そこには見目麗しいダークプリースト達がいたため、彼女等目当てによく足を運んでいたのだった。
 そして何度か通っている内にシスター・ミカと仲良くなり、彼女のツテで鎧を万魔殿に預かってもらえる事になったのだ。

「まぁ、歴史書にも記述があるぐらいの由緒ある代物だというのは間違いないな。でも、いくら凄い品だろうと、俺が使えなければ何の意味も無いんだが」

 いくら凄い品だろうと、自分が使えない時点で無用の長物と化す。そしてそうなった場合、ゼットンは鎧を売り払う気でいた。
 不気味な見た目のため飾っておく気にもならず、かと言って倉庫で死蔵しておくには勿体無い代物であったからである。

「もしそうだった場合、そっち側で買ってくんね? 当然、勉強させてもらうけど」
「申し訳ございませんが、それはお断り致します。あの雰囲気なら、夜中に独りでに歩き出しても不思議ではありませんしね。
 そんな物に夜な夜な徘徊されては、信者達も安心して愛し合えないでしょう?」
(ち…そうなった場合、高額で売りつけようと思ってたのに…)

 やんわりとミカに断られたことでゼットンは内心で不満を覚えたが、本来はあんな物を預かって調査してくれるというだけで御の字である。
 しかも堕落神が預けた品に興味を抱いたらしく、そのおかげで費用は向こうで持ってくれる事になっている。そんなぐらいなので、彼の態度は恩知らずもいいところであろう。

「まぁ、タダで調べてもらっているんだ。文句は言わないよ」
「ふふ。心配しなくとも、あれほどの品でしたら買ってくれる好事家はいらっしゃるでしょう」

 ミカはティーカップに入った紅茶にホルスタウロスミルクを注ぐと、それを口に運んだ。
 ミカの所作の一つ一つに気品があり、そしてそれは下手な貴族の令嬢など及びもつかぬほどの上品な色気を感じさせる。
 艶やかな雰囲気は魔物娘に共通するものだが、妻や彼と不貞を重ねた魔物娘達にはこういった上品さには欠けている。そのため、ゼットンは何気無い動作ながら、つい見惚れてしまった。

「どうしましたか?」
「え、あ、いや」

 ミカも自分がそのような目で見られていると気づいていた。そして、それを惚けるゼットンに指摘すると、正気に戻った彼はついしどろもどろになってしまったのだった。

「なんでもない」

 惚けていたのを誤魔化そうと、ゼットンは皿に切り分けられた『堕落の果実』の一つにフォークを突き刺し、口に運ぶ。

「ふふっ…」

 ゼットンが慌てて誤魔化すのを見たミカは満足気であった。確かに、心を通じ合わせる男に見惚れられては悪い気などしないであろう。

「そう言えば、ホットケーキを先程焼いてもらっていたんですよ。食べますか?」
「へぇ、それはちょうど良かった。後少し食いたいところだったんだよね」

 献立は『堕落の果実』に加え、ホルスタウロスミルクパンと『魔界牛のサーロインステーキ』、『まといの野菜と睦びの野菜のサラダ』であるが、食欲旺盛なゼットンはすぐにこれらを完食してしまった。
 貧困時代の反動で常に満腹まで食うため、これらを食ってもまだ物足りなかったところなので、デザートを断る理由は無い。

「では、取ってきますね」
「おぉ、ありがとう」

 ミカは席を立ち上がり、台所へ向かった。今まで向かい合っていたゼットンの視線が自分の顔から胸、そして背中を向けたことで臀部に移ったのだが、その視線は先程とは違い、性的なものだった。

(……♪)

 女は男の視線を背中で感じ取れると言うが、魔物娘ではさらに顕著である。舐め回すような目つきで自分の体を見られるのは普通の女にとっては嫌悪感が湧くだろう。
 しかし、魔物娘にとっては自分の体に魅力を感じてくれているということで、そしてそれは自分が迫っても相手が拒まないという事になる。

(露出度は高いけど、下劣じゃないんだよな〜)

 腰から伸びる二枚の翼、そして臀部から伸びる尻尾、さらには大胆に切り開かれた黒い修道服のスリットから覗く太腿にゼットンの視線は移っていった。
 豊満な体に加え、妖艶ながらも気品を併せ持ち、さらには献身的な性格のダークプリーストになびかない男など、この世にいようはずもない。そう思わせるほど、彼女等は完成された存在である。

「さぁてと、これをかけて…♪」

 先輩が気を利かせて焼いてくれたホットケーキにはたっぷりホルスタウロスミルクが使用してあり、シロップにはアルラウネの蜜を初め、催淫効果のある食材を混ぜてある。当然美味であり、それによって気分を害する事も無い。

「うふふ」

 ミカはホットケーキを四枚皿に載せ、シロップをかけると、テーブルへ運んでいった。

「さぁ、召し上がれ」
「いただきます」

 ゼットンはホットケーキをナイフで切り分け、それを一つずつ頬張っていく。
 ミカはそれを笑顔で眺めているが、先程よりも頬が紅潮しており、時折腿をせつなそうに擦り合わせていたのに彼は食事に夢中で気づかなかった。

「ごちそうさまでした」

 ゼットンはあっという間にホットケーキを平らげると、食後の紅茶を啜った。しかし彼はティーカップをすぐに皿に戻すと、悔しそうに歯噛みしてミカを見据えた。

「いやぁ、御馳走になった」
「満足頂けたようで何よりです」

 ゼットンは冷静な口調ではあるが顔は紅潮し、全身が熱くなって汗と震えが止まらない。
 熱から逃れるかのようによろよろと立ち上がって窓を開けたが、外から吹く爽やかな風も彼の体を冷やすには至らなかった。そして、彼は全身を襲うこの症状には覚えがあった。

「…今考えたら、たくさん御馳走になっちまったな。ホルスタウロスミルクにアルラウネの蜜、堕落の果実にまといの野菜か」
「あなたがいけないんですよ?」

 ミカは切なそうな目でゼットンを見つめた。その目を見て、惚れた男と愛し合えないなら、どんな手を使ってでも絆を戻そうとする魔物娘の本能を、彼は改めて思い知ったのだった。

「…最近クレアのガードが固くてな、家を抜け出すのも簡単じゃない。浮気相手に会う事が出来ても、それだけしか出来ないんだよ。
 まぁ、今は家出中だからノコノコ帰れねーし、結果的に暇が出来ちまったから、ここに来たんだけどね…」

 ゼットンの女癖の悪さに業を煮やしたクレアが、彼が浮気をする度に鉄拳制裁を加えるのは昔からだが、最近は特に凶悪さを増している。
 彼は鎧発掘のための謝礼として、発掘隊の家をここしばらく訪ね歩いていたのだが、そこから帰ってくる度にクレアは新技を夫にかけていった。それを疎んだ彼は、ここ数日浮気相手達の家に厄介になりながら生活していた。

(出会いは重要ね…ハズレに当たると、こんな不幸な目に遭ってしまうなんて)

 ミカからしてみれば、ゼットンがクレアと同棲しているのは、ただ単にクレアが彼と一番初めに出会った魔物娘だからである。クレアは彼を弄び、自分の物にしてしまった。これは魔物娘として当然の事だが、ミカは内心不満を覚えていた。
 そう思っていたところで、向こうからこちらにやって来た。ダークプリーストの使命として、目の前の男を導いてやらねばならぬ。
 さらには自分が彼の“正妻”になることで、彼に本当の愛を教えることが出来ると考えたのだ。

「まぁ、お話は後で聞かせていただきます。だから今は…ね?」

 ゼットンと同じくミカの頬は紅潮している。
 そして自分の欲情の度合いを主張するかのように彼に背中に両手を回して抱きつき、さらに服の上からでも分かる彼の盛り上がった逸物に、自分の湿った股間を擦りつけ始めた。

「あぁ、そうね。これ以上くだらんお喋りを続けるのは無粋かもな」

 ミカはゼットンの手を引いて立ち上がると、彼を教会の奥にある寝室まで連れて行った。
 普通向かうべきは懺悔室だろうが、肉欲に塗れし堕落神教徒は寝室、そしてシスターの体に向かうのである。

(ま、いっか)

 体の疼きが収まらないところで、熟れた体を持つ美女に誘ってこられては、最早我慢することなど出来ない。
 ゼットンは余計な事は考えず、彼女をベッドに突き倒した。そして、ミカの修道服と下着を剥ぎ取ると、自分も服を脱いで全裸となったのだった。











「はぁっ、はぁっ……」
「あぁ、溢れちゃう…♪」

 ベッドで、ゼットンとミカは裸となり、激しく交わっていた。
 対面座位で結合する二人の体は汗ばみ、結合部からは多量の精液が零れ出ている。交わってからそれなりの時間が経ったらしく、窓から見える空は赤くなり始めていた。

「…もうこんな時間か。いつもだったらクレアがさわ…」

 妻の名を出すゼットンを黙らせるかのように、ミカは口づけをした。そのまま彼の両頬を押さえて舌を捩じこむと、貪るように彼の舌へ絡ませて体を前に倒し、彼の上半身をベッドに叩きつけた。

「!」
「んふふ…」

 目を合わせた時、ゼットンはミカの意図を理解した。

(ああ…『今は自分だけを見てくれ』ってことね…)

 例えゼットンに妻がいようと、今抱かれているのは自分なのだ。抱いている自分を差し置いて、例え妻であろうと別の女のことを考えるのは許せない。ミカが言いたいのはそういう事なのだろう。
 そして、今は自分の事だけ考えろとばかりにミカは騎乗位の体勢となり、激しく腰を振り始めた。妻と違って奥行きのある膣は突く度に絶妙な力加減で彼の肉竿を締め付け、無数の襞が撫でる度に卑猥な水音が響く。
 今だからこそ冷静でいられるが、まだ若いあの頃ならば即座に射精していたであろう強烈な快感であった。

「ダメですよぉ〜ゼットンさん。抱いている女の前で、別の女の話をするのはね〜」
「申し訳ない」

 お詫びとばかりにゼットンはミカの豊満な胸を両手で鷲掴むと、乱暴に揉みしだいた。同僚と比べても大きな彼女の乳房は掌には到底収まりきらず、指が食い込む度に形を変える様は本能をいやらしく刺激した。
 彼は体格が大きくなったために手のサイズも大きくなったのだが、そんな掌に収まらない彼女の乳房は相当なものである。

「ひゃああんっ!!」
「しっかし、大きいよな。何cm位あんの? 俺の見立てだと95は超えてるんだが」
「わ、分かりません。あなたが私を抱く度に大きくなっちゃうんですっ!!」

 幼児体形のクレアですら、ゼットンと交わるようになってから胸が大きくなったぐらいである。
 夫の性的嗜好は魔物娘の体型に変化を与えるというが、ホルスタウロスミルクを愛飲し、夫の巨乳好きが反映されれば、胸が大きくなるのは当然と言えた。

「ふ〜ん…なら、大きくなったかどうか確かめてやるよ」
「え?」

 ゼットンは起き上がると、ミカの左乳房に吸い付き、左手で彼女の右乳房を愛撫し始めた。まるで赤ん坊のように音を立てて舐めしゃぶると共に敏感な乳首を甘噛みし、左手は揉みしだきながらも乳首を強めに弄った。

「あっ…ああぁああああぁぁっっ!!」

 男の欲望を受け止めることが喜びであるダークプリーストは、乱暴にされる方が好きだとゼットンは知っていた。
 乳首や乳輪を甘噛みしながら、『母乳を出せ』と言わんばかりの勢いで吸い続ける。それを知ってか知らずかミカの乳首は痛々しいぐらいに勃起しており、興奮したゼットンは尚更力を入れて吸い続けたのだった。

「ふえぇ…」
「確かにデカくなった気がする。これで母乳が出たら完璧だが、まぁ仕方ない。お前さんがミルクを出せるようになるには、まず俺がミルクを注いで孕ませてやらにゃならんからな」

 ゼットンは乳房に吸い付くのをやめ、少し残念そうに呟いた。いくら吸い続けても妊娠していない以上、母乳は出ない。
 そして、母乳を吸うためにはミカを孕ませてやらねばならないのだ。

「つっても、クレアにも浮気相手達にもまだ俺の子を孕んだ奴はいねぇ。インキュバスになった以上、胤無しじゃねぇとは思うけど」

 魔物娘は生態系では上位に位置するため、それに伴い人間の女性よりは妊娠しづらい。ベルゼブブはまだ妊娠しやすい方だろうが、それでも人間の女に比べれば確率は低いだろう。
 そして、彼の浮気相手達はベルゼブブ以上と思われる高位の魔物娘が多いため、尚更妊娠させにくいと言える。

「でも、今考えりゃ浮気相手を孕ませるのはまずいか…」
「へぇ…」

 ゼットンはクレアの存在を思い出し、一瞬俯いた。ミカはそんなゼットンを優しく抱き締めると、耳元で囁いた。

「魔物娘を抱いておいて、孕ませるのはまずい? それは魔物娘に対する最大の侮辱ですよ?
 どんな魔物娘も皆『愛する夫に抱いて欲しい。愛する夫の子供を産みたい』と思っているのに、あなたはそれを否定するのですか?
 魔物娘の恋愛には中途半端なんて無いのですよ? あなたを愛した以上、私はあなたの子供が欲しい。
 そして、あなたが欲情し、共に快楽を享受していいのは私だけ。あの妻を名乗る害虫でも、淫売の端女でも、化け猫でも、首の外れた死体でも、野蛮な鬼でも、化け狐でもありません。この私…ただ一人なのです」
「え…」

 優しく抱き締められたが、囁かれた言葉は甘いものではない。それは静かな決意と、彼を取り巻く魔物娘達への嫉妬、そして彼女等を弄ぶゼットンへの怒りと怨嗟に満ちたものだった。

「……まぁ、冗談はここまでにしておきましょうか」
「え? あ、あぁ……」

 ミカはいつも通りの女神の如き慈愛に満ちた微笑みをゼットンに向けたが、彼は冷や汗が止まらなかった。
 何より囁いた言葉が冗談に聞こえぬほど真に迫ったものであり、自分の女性関係について考えさせられるものであったのだ。

「…でも、全部嘘でもないかも……♪」
「あぁもう! 俺が悪かったよ!!」

 あんな事を聞かされてはさすがに罪悪感を感じたらしく、ゼットンは音を上げた。

「うふふ。ゼットンさんが私を愛してくだされば、今は文句を言いませんよ」
「ああ、愛してやるよ。“激しく”な」

 どうにか気を取り直したゼットンはミカをベッドに突き倒し、正常位の体勢となった。ダークプリーストは腰を振らせるよりは、こちらが腰を振った方が感じてくれるという事をゼットンは承知している。

「重いけど、我慢しろよ」
「はい…♪」

 ミカは期待で潤んだ目でゼットンを見た。正常位はただでさえ女の方に負担がかかる体位だが、115kgもあるゼットンの体重では余計にそう長くは続けられない。
 しかし、その短い時間で十分なことは両者理解していた。

「あっ、あっ、あっ、あっ!! す、すごい!! 奥まで届いてますぅぅぅぅっっ!!!!」

 性感帯である子宮口付近に怒張を打ち付けられ、ミカは嬌声をあげた。
 襞が激しくうねって逸物を扱き、同時に暴力的とも言える激しいピストンを受け、多量の蜜を溢れさせた。

「シスターなんだから、そんな声あげちゃダメだろ」
「あぁ、意地悪を仰らないで下さいましぃ! こんな硬くて大きいのを激しく奥に打ち付けられたら私、私ぃ!!」

 大粒の涙と涎を垂らしながらミカは訴えるが、そんな彼女を見てゼットンは意地悪な笑みを浮かべるだけだった。そのまま無言で腰を打ち付け、ミカの快感を高めていく。
 それと共に膣内の動きもより複雑さを増していき、ゼットンの肉棒にもまた人間の女では到底味わえぬほどの快感をもたらしている。

「あっ、ああぁぁああ!!!! もうきちゃいますううううううぅぅぅぅッッッッ!!!!」

 絶頂が近いらしく、ミカの膣内は収縮し始めたが、それを感じ取ったゼットンはわざと腰の動きを遅くした。

「ああああ…………なんでぇ……」

 絶頂に向かおうとしていたところで引き戻され、ミカは困惑の眼でゼットンを見る。自分を見上げる泣き顔の美女の姿に、彼の嗜虐心はこの上なくそそられた。

「いやなに、ちょっと意地悪したくなってさ」

 もちろん、本気でやめるつもりは無い。ただ単に一度やめてみて、ミカがどのような反応をするか見たかっただけである。

「ゼットンさんは意地悪です!」
「じゃあ、お詫びにイカせてやるよ!」

 そう言うと、ゼットンは再び膣道の天井周辺を自慢の逸物で引っ掻き始めた。まだ快感冷めやらぬ時であったためにミカは再び快楽の渦に呑まれると共に、呂律が回らなくなった。

「ダメでひゅううぅぅぅぅ!!!!」
「何がダメなんだ! 言ってみろよ!?」
「奥の方引っ搔いちゃ…」
「ぼそぼそ喋んな! 聞こえねーよ!」
「奥の方…」
「下の口だけじゃ分かんねーんだよ。上の口ではっきり言え!」
「子宮口ゴンゴンしちゃダメなのおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」
「あぁ、そう。でも、こうされるのが好きなんだろ!」
「あっ………………ああああああああああああああァァァァァァァァ――――――――ッッッッ!!!!」

 ラストスパートとして子宮口を突いたところで、ついに両者の限界が来た。ミカの膣がゼットンの逸物を締め付け、それと同時に彼も子宮めがけて大量に射精したのだった。

「ふぅ……」

 ゼットンはゆっくりとミカの膣から肉棒を引き抜いた。一方のミカは引き戻された分快感が大きかったのか、失神してしまっている。
 口からは涎を、だらしなく開いた膣口からは収めきれなかった精液を垂れ流しており、普段のダークプリーストのイメージからはかけ離れた痴態となっていた。

「…お前さんの気持ちも嬉しいけどね」

 ゼットンはミカの体をタオルで拭いて綺麗にし、服を着せてやると、布団をかけてやった。失神していても格好だけは整ったため、彼女はただ眠っているように見えた。

「鎧を預かってくれてありがとうな。また遊びに来るよ」

 身支度を整えたゼットンは寝ているミカの右頬にキスをすると、さっさと部屋を出て行った。










「こ〜んやも一人、い〜けにえになる〜、て〜あしも口も〜、う〜ごかぬままに……身の毛もよだつ悪魔の芸術〜…裸のアリスに迫る惨劇ぃ〜♪」

 ゼットン青年は下手糞な鼻歌を口ずさみながら、帰り道を歩いていた。教会の近くはあまり人通りの無い場所にあるため、いくら音痴であろうと咎める者はない。

「こ〜んやも一人、に〜んぎょうになる〜♪ 堕〜ちていく、恐怖の淵に〜♪」

 興が乗ってきたらしく、青年の様子はすこぶる楽しそうだった。

「ラ〜ララララララ、ラ〜ララララララ、ラ〜ララ〜♪」
『よう』
「ラ〜ララララ〜……あん?」

 気持ち良く歌いながら歩いていたところで、横の路地から誰かが現れた。

『お前がゼットンとやらか?』
「何だ、お前。俺のファンか?」
『………………』

 現れた男はゼットンの前に立ちはだかった。殺気立った雰囲気からして、友好目的でないのは間違いない。
 それに加えて全身を甲冑で隙間無く覆うという重装備ぶりであり、街中で戦うのにはやり過ぎであると思えるほどである。
 また、その甲冑のデザインも特徴的であり、不気味さに拍車がかかっていた。側頭部からは水牛の如き巨大な角が横に伸び、面部は凶暴な肉食獣を思わせるデザインとなっているフルフェイスヘルム。
 くすんだ銀色の重厚な鎧は胸部中央、両肩、両肘、両膝から生える巨大な六角形の鋲が特徴的であり、籠手の上にはかなり小型だが厚みのあるソードシールドが取り付けられている。
 実用的と言われれば判断に迷うが、非常に高価な装備であるのは間違いなかった。

「…おっかしーな〜。ここ最近、人に恨みを買ってはないはずだが……」

 ゼットンは元指名手配犯とはいえ、もう七年も経っているのでほとぼりも冷めている頃である。懲りずに揉め事は繰り返しているが、それでも命を狙われるほどではない。

『……盗んだ物を返してもらおうか』
「ああ、そーゆー事ね!」

 男から出た単語を聞くやいなや、ゼットンは背中に背負っていた鞘から朴刀を抜いた。

「何百年も放置しておいたくせに今更関係者が出てくるたぁな。とは言っても、あの鎧の持ち主は500年も前に死んでるんだ。
 そして、そんな代物を返せと言えるお前は何者だ、ん?」
『言う必要は無い。まぁ、言ったところで信じまいが』

 男の腰部には両手剣の柄らしきものが六本ぶら下げられていた。男はその内の一本を右手に取ると、ゼットンに向けた。

「おいおい、刃が無いじゃねーか! そんなガラクタで俺とやり合おうってか!?」

 男が握っているのは正真正銘剣の柄だけで、本来あるはずの剣身が無い。それ以外にあえて特徴を挙げるとすれば通常の剣柄より若干太く、そして円筒型であり、茎が挿入されていないため、中が中空に見える。だが……

「――え!?」
『今時の奴等がこの剣の事を知らないのは当然だ。今現在この地上において、使い手は俺しかおらん』

 信じられないことに、剣の柄から鮮やかな水色の光柱が伸びると、ゼットンの喉元に突きつけられたのだ。
 光柱からは凄まじい熱が放たれており、近づけられた彼の皮膚まで熱が伝わり、汗が噴き出し始めている。

『魔導激光剣(マジック・ビーム・ソード)と呼ばれるものでな。あまりにも切れ味が凄まじすぎて誰にも扱えんのだ。
 当然、この剣にかかれば人体など紙切れに等しいぞ?』
「……このゼットン様をナメてんじゃねぇぞ!! このブリキ野郎がぁぁッッ!!」

 口汚く叫んだゼットンは後ろに跳び、距離を取った。

『フン。墓守の分際で、このグローザム様に逆らうとはな』
「……墓守だぁ?」

 身に覚えの無い話故、ゼットンは怪訝そうに聞き返す。
 彼は生まれてこの方、墓守など一度もやった事は無いし、そのような仕事をしている家だと両親に聞いた事も無い。そもそもあの社は荒れ放題であり、数百年間放置されていたのは明らかである。

『墓守が仕える主人の宝に手を付けるなど言語道断。本来は極刑にされても文句は言えん』
「一体何の話だ!?」
『おっと、お喋りが過ぎたな』

 グローザムと名乗る男はMBSを振りかざしながら、ゼットンに向かってきた。そして、ゼットンは振り下ろされた刃を朴刀で受け止めたが――

「なっ……!?」

 受け止めた朴刀の刃はMBSによって一撃で切り裂かれ、光刃はそのままゼットンの右肩にめりこんだ。
 数千度の熱を持った刀身は突き刺さった肩の肉を焼き焦がし、筆舌に尽くし難い激痛をゼットンにもたらした。

「……ぎぃゃああああああああああああああああああッッッッ!!!!」
『凄まじい切れ味だと言っただろう』

 右肩から煙を燻らせながら、ゼットンは崩れ落ちた。鎖骨と靭帯は両断され、肉の焼ける異臭が辺りに立ち籠めている。

『心配するな、斬ったのは肩までだ。貴様に死なれては鎧の隠し場所が分からなくなるからな』
「だ、誰が吐くか、バカが…!!」

 右腕を使い物にされなくされながらも、ゼットンは気丈に反抗した。恐怖と焦燥で涙を浮かべ、激痛で体を震わせながらも、なお心は折れていない。

『まぁいい、尋問は別の場所でやることになっている。それよりも肩を焼かれてさぞ痛かろう、今冷やしてやる』
「テメェ、ふざけたこと言ってんじゃ…!」
『では、おやすみ』

 グローザムは空気を輝かせるほどの凄まじい冷気を口から吐き出した。
 それをまともに浴びたゼットンは後悔させる間すら無いほどの速さで凍りついてしまい、たちまちの内に物言わぬ氷像と化してしまった。

『傷口はちゃんと冷えているか? まぁ聞く必要は無いだろうな……クックックックッ……ハァーハッハッハッハッ!!!!』

 グローザムは愉快そうに哄笑しながら凍ったゼットンを担ぎ上げると、暗がりに消えていった。
14/12/28 21:11更新 / フルメタル・ミサイル
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■作者メッセージ
備考:魔導激光剣(マジック・ビーム・ソード)

 略称はMBSで、人類の叡智と技術の粋と言われた武器。柄に収められたエメラルストーンから長さ120cmほどの炎属性エネルギーの刃を発生させ、それを剣身とする。
 熱エネルギーのため刃には重さがほとんど無い上、重さと鋭さと腕力による『切断』ではなく、測定出来ないほどの高温で『溶断』するという性質上、無類の切れ味を誇る。
 しかし、軽すぎる上に360°全てが触れるだけで切り裂かれる刃という性質上、極めて扱いが難しく、剣技の習得には長い修練を必要とする。
 また、エメラルストーン自体がプラチナやダイヤモンドよりも希少な鉱物であるのに加え、産出地が特定の地域に偏っており、しかもそのほとんどが現在は魔界と化してしまった。そのため、教団圏では最早失われた技術となっている。
 製作には高い魔力と魔術的知識が不可欠なため、リリムやバフォメットのような高位の魔物娘ならば、作るのは難しくない。
 しかし、魔界銀製の武器のように相手の外装だけ斬るような芸当の出来ないMBSは魔物娘には好まれず、使われる事は無かった。いくら武器として素晴らしくとも、未来の夫になるかもしれない相手を簡単に真っ二つにするような代物は、彼女達は求めていなかったのである。
 また、サイクロプスやドワーフは『鍛冶屋の仕事と誇りを無意味にさせた邪道な武器』としてMBSを嫌っている。
 この凄まじい切れ味の光剣の出現は、金属剣を時代遅れの代物とし、事実上その存在を終焉に導いたからである。

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